私を追放した王子が滅びるまで、優雅にお茶を楽しみますわ

タマ マコト

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第8話 裏切りの影

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 朝の匂いは穏やかだった。静寂の館の梁は夜の湿りを吐き出し、窓辺のタイムが光の角度に合わせて葉を少しだけ起こす。私は書斎の窓を三分の一だけ開き、胸の奥まで届く冷たさを一口吸い込んだ。今日の最初の湯はアッサムを弱火で。渋みは控えめ、甘さは半匙の蜂蜜で補う。安寧は、いつだって手順から始まる。

「お嬢様、パンが上がるよ。ミルクはぬるめ、蜂蜜は?」 「半匙で。セドリック、風は?」 「午前は東、午後は湖から。王都へ送った息は、明日の朝に届きます」 「なら、今日は庭を整える。午後に井戸の再確認。夜に銀板を少し」

 そんな段取りを口にした刹那、門のほうで控えめな蹄の音。すぐに降りる気配。足取りは急ぎだが乱れていない。セドリックが視線だけで私に問う。私は頷く。廊下の向こう、玄関で短い挨拶。そのあと静かに扉が開き、灰の外套の男――王都の下役ハロルドが現れた。顔に寝不足の影を貼りつけたまま、まっすぐこちらへ歩く。

「朝早くに失礼を。……王都で、裏切りが起きました」 「裏切り」  私の胸の針が、音もなく角度を変える。ハロルドは続ける。

「貴女の追放に賛同した大臣の一人が、昨夜、毒で。苦杏の匂い、杯の底に白い粉。遺体の側から書状が消え、衛兵の証言は食い違い、記録官は行方不明」 「騒がしい夜ね」 「それだけではない。『王家の影』の下級走りが二人、路地で刺されました。――手口が、影の訓練を受けた者のものです」  セドリックの瞬きが、ひと拍子だけ短くなる。彼のかつての同僚に、刃が回り始めたということ。王都は、内部から自分を噛み始めた。

「祈祷師ミゼルの周辺で、顔の知らない連中が増えている。連絡符を握ったまま死んだ走りの一人が、最後に残した合図は――」 「“裏切り、内側”」  セドリックが言葉を継いだ。陰の符牒。ハロルドはちらりと彼を見る。かつて『王家の影』だった男の眼差しは、今は私のほうを向いている。

「……貴女の名も、囁かれ始めた。“辺境の女に奇跡を横取りされるな”と」 「横取りするほど舞台に居座っていないのだけれど」  私はカップを置き、香りをゆっくり吸い込んだ。舞台の匂いは遠い。ここは土の匂いがする。

「王都へ戻ります」  ハロルドは立ち上がり、背筋を伸ばした。「『順番』を覚えている者が少なすぎる。列を整えなければ」 「気をつけて。蜂蜜を」  マリアベルが小瓶を渡す。彼は受け取り、深く礼をして去った。扉が閉まると、サロンの空気が一度静まる。静けさは、嵐の前触れを吸う器でもある。

「セドリック」 「はい」 「『影』が内側を切り始めたなら、ここにも手が伸びる。手順を二段、固めよう。門は開けて閉める。庭は迎えて見送る。厨房は香りで篩にかける」 「了解しました。門の見張りはジルとハンス。裏口は私。井戸はグレンに。シモンには名簿の改訂を」 「レーネは庭。マリアベルは台所の秤を見て。粉の重さが変わったら、誰かが余計な手を入れている」

 言い終える前に、裏庭でレーネの短い悲鳴。「誰かいます!」 足音が跳ね、戸口を抜けて草の擦れる音。私は立ち上がりかけ、セドリックが先に視線だけ走らせる。次の瞬間、彼の体は音を置かずに消え、庭へ滑るように降りた。

 裏庭のハーブ棚の影に、人影が一つ。麦わら帽子、粗末な布、肩に古い籠。女の背。レーネの前に立ち、何かを掴んで離さない。レーネの指は土で汚れているのに、その手元にだけ、見慣れない白い粉がついていた。粉はさらさらではなく、少しだけ湿り気を持って、指にへばりつく。

「それ、触らないで」  私は距離を取り、声だけを落とす。女がこちらを振り返る。目が落ち着かない。笑わない笑いシワのある口。籠の中には葉が雑に詰め込まれ、その下に小袋が幾つか。白い粉の袋に、見覚えがあった。王都の偽薬売りが使う、安い袋。角に微かな焼き印――祈祷師ミゼルの囲いにいる連中が回す護符鋳の型。

「庭の者に失礼をしたら、土が怒る」 「わ、わたしは、ただ……薬草を売りに……」 「薬草なら、匂いが先に来る。あなたの籠は匂いが薄い。粉の匂いが勝っている」  女の喉がぴくりと動く。その瞬間に、セドリックが背後に回り、手首を極める。抵抗の角度を読み、痛めずに制す。その動きは影の仕事の顔をしているが、今は私の影だ。

「畑の土に混ぜるつもりでしたね。その粉を」  セドリックが囁く。女は目を見開き、急に気丈な声を作る。 「違う! ただの――」  言葉が終わる前に、ジルとハンスが門から回り込んで、出口を塞いだ。二人の目は冷たくない。ただ、逃げ道を作らない目だ。

「粉の一つ、見せて」  私は一歩だけ近づき、小袋をひとつ受け取った。指で少量を摘む。べたつく。舌に触れず、嗅ぐだけで喉が渇く。井戸の石灰に似せてあるが、違う。水に入れれば泡立ち、短時間だけ喉の膜を荒らす。咳が増える。『偽りの聖女が治せない咳』という噂が作りやすくなる。

「……王都の粉屋に、この型の袋が回っていた」  セドリックが袋の角を示す。「護符鋳の劣化版。祈祷師の連中が使う合図です」 「出所は王都。ここまで運ぶのは、たいてい“仕事のない足”」  私は女を見る。彼女はもう強がれなかった。肩が落ち、目の端に、乾いた悔しさが滲む。 「……金が、要ったの」 「誰に?」 「名前は、言ってない。『祈りの人』って皆が呼ぶだけ。粉を混ぜた畝の場所を教えたら銀貨をくれる。……うちの子が、咳で。薬が高くて」  レーネの喉が、小さく鳴った。彼女は籠を引き寄せ、土の上にしゃがむ。「子どもの咳なら、タイムとリコリスでいい。あなたの子にも、持って行って」 「レーネ」 「でもこれは――」レーネは粉袋を睨んだ。「これは土をだます」 「土をだますことは、最後には人をだます。――お名前は」 「……カサ。湖の向こうの粉屋の小屋の、隣」 「カサ。あなたに頼みがある。……今から一緒に村へ行って、井戸の側でこの粉の匂いを嗅いだと、皆に話して。それから、子どもの咳に効くお茶の作り方を教える。銀貨は出さない。代わりに、仕事を二つ。『タイムの束ね方』と『水の煮方』。手当は麦と、蜂蜜少し」  カサは私を見つめた。困ったような、恥ずかしいような、少し救われたい顔。やがて、彼女は小さく頷いた。 「……わかった」 「ジル、ハンス。手を荒くしないで。セドリック、粉袋は全部押収。後で燃やす。土に戻さない」 「承知しました」

 裏切りの影は、たいてい貧しさの影を連れてくる。私は胸の針をひと撫でし、角度を戻す。怒りは燃料だが、火をつける場所を間違えると家が燃える。



 昼過ぎ。村の井戸の周りに、人の輪。朝より顔が険しい者が混ざる。「館の庭で変な粉が」と誰かが言い、誰かがそれに尾ひれをつける最中だった。私は輪の端に立ち、まず息を一つ、落とした。輪の空気がそれを受け取る。カサが隣に立ち、ぎこちなく手を上げる。

「……ごめん。私が、粉を、持ってた。井戸に入れる前に、止められた」  ざわ、と空気が揺れる。疑いの目が彼女に集中し、すぐに私へ跳ねる。「館の者が仕組んだのでは」という古い反射。私はそれを責めない。飢えと恐れは、反射を早くする。

「カサは、止まった。止められた後、ここに来た。――粉は井戸に入っていない」 「証拠は」  誰かが言う。私は手を上げ、セドリックが持っていた粉袋を皆に見える位置で開けた。白い粉が光を鈍く返す。私は井戸から汲んだ水を少量、別の木碗に入れ、粉を爪の先だけ落とす。すぐに小さく泡が立つ。匂いが立つ前に、セドリックが蓋をした。

「井戸に落ちたら、今の匂いがしたはず。してない。だから、入っていない」  レーネが前に出て、タイムとリコリスの束を掲げる。「こっちの匂いで覚えよう。咳の匂いじゃなく、治る匂い」

 少しずつ、人々の肩が落ちる。カサは膝を折って地面に座り、顔を覆った。誰かが彼女の肩に手を置く。グレンだった。荒い手だが、優しい。

「……粉を持って歩く腹より、腹が減ってたんだな。うちで麦を分ける。働いてもらうがな」  グレンの言葉は短く、砂利の上の靴の音みたいにまっすぐだった。私は目で礼を言い、輪を見渡す。

「粉は燃やす。子どもの咳は、薄いお茶で薄める。――順番は、こう」  順番。私はこの言葉を、今日だけで何度言っただろう。順番は魔法じゃないが、魔法の前にやることだ。



 夕方、静寂の館に戻ると、門柱の影が長く伸び、看板の木目が今日の風を一本ずつ覚えている。サロンの窓に湖の光がごく薄く残り、ギルバートの鍋からは安心の匂い。マリアベルが秤を片付け、レーネが土の下に小さな球根をいくつか忍ばせる。「春の準備は今からだよ」と土に言い聞かせる声が、家の梁にやさしく絡む。

 セドリックが報告書を置いた。「粉袋、十五。全部焼却。袋の角の印、三種。うち二つは王都の祈祷師の線。ひとつ、見慣れない」 「見慣れないほうは、どこから」 「鋳の甘さと麻紐の通し方が、旧影の倉に似ています」  彼は目を伏せずに言った。かつて自分が守っていた倉から、今は私を傷つける道具が出ている可能性。裏切りの影は、他人の顔だけではない。

「……倉番は誰」 「隊長が替わりました。名は――」  その名を言い終える前に、門が二度、固く叩かれた。間の短さがただ事ではない。セドリックが立ち上がり、視線でジルとハンスに合図。二人が廊下へ走る。私はテーブルを離れず、カップを指で支える。熱は喉に入れず、掌に留めておく。

 入ってきたのは、ハロルド――ではない。王都の紋のついた封筒を握りしめ、顔を真っ青にした若い走り。息が切れて、言葉が崩れる。

「お、お嬢さま……! 王都で、老宰相が……!」  喉が空気を掴み損ねる。セドリックが水を差し出し、彼は一口飲んでから続けた。 「老宰相が、毒に……! でも死んじゃいない、寝台で……『静寂の館へ』って、これを……!」  封蝋は青。震える手で渡された手紙を受け取り、私は封を切る。インクがまだ新しい。文字は整っていないが意味は堅い。

『裏切りは内より。影の倉、祈祷師に貸し出される。聖堂の鍵は抜けたと風が告げた。次は“人”の鍵を奪いに来る。“聖女”を捕らえよとの密勅、出た。生きたまま。——貴女の息で、土に先に手を置け』

 セドリックが短く息を呑む。私の胸の針は角度を問われる。怒りはある。恐れもある。けれど、順番は知っている。

「――狙いは私」 「はい。殿下の周囲の“新しい影”が動きます。旧影の一部も、買われた」 「来る」 「来ます」

 私は蜂蜜を半匙、舌に乗せた。甘さが喉を滑り、心の角を丸くする。丸くしてから、置くべき角を決める。

「手順を三段に。ひとつ、門――招き入れず、追い返さず、回り道を作る。ふたつ、庭――隠し道は塞がず、迷わせる。みっつ、家――台所の匂いを濃くする。匂いの層は、刃より強い」

 セドリックの口元がわずかに動く。笑いではない。戦いの前に影が装備を整えるときの顔だ。

「ジル、ハンス」 「おう」 「怒鳴らない。怒鳴り声は刃物。目で止めて、足で誘導。力は最後」 「心得た」

「レーネ」 「は、はい」 「タイムを多めに焚いて。土の匂いを家の中まで引く。――『ここは土の側だ』って、鼻に教える」 「任せて」

「マリアベル」 「はいよ」 「蜂蜜を。走りに三口、私たちに各一口。恐れは薄める」

「シモン」 「ここに」 「棚の並びを変える。『紐・麻』『釘・長』の位置を入れ替え。走り書きを二枚、目立つ場所に貼る。『順番』『静かに』」

 指示を出しながら、机の端に目を落とす。銀板が布の上で静かに眠っている。今夜、読むべきではない。風の向きが違う。風は言う――目の前を整えろ、と。

 若い走りがスープを飲み干し、体に温度を戻す。彼は帰り際、扉の前で振り返った。 「お嬢様……ほんとに、怖くないんですか」 「怖いわよ」  私は正直に言う。「怖いから、順番を並べるの」

 夜。静寂の館は、音を薄くして、しかし気配を濃くした。門の外に、足音が三つ。揃っていない。影の訓練を受けていない足。先行の探りだ。ジルとハンスが目で止め、セドリックが背後から回し、回り道へ誘う。怒鳴らない。刃は出ない。足音はやがて遠ざかる。次はある。次は、揃った足が来るだろう。

 私は書斎で灯を小さくし、カーテンを半分開けた。湖は鉄のように硬い。風は、こちらにやさしい。胸元のペンダントに指を置く。石は温い。今は祈らない。祈りは明日、土の上で使う。

「セドリック」 「はい」 「あなたの昔の仲間が来るかもしれない」 「来ます」 「彼らに刃を向けたら、あなたが傷つく」 「私の傷は、目的の代償です」 「言い換えは、真実が続いている証拠、だったわね」 「はい」

 静かな笑いが、喉の奥に。笑いながら、私は覚悟を一段深く置く。裏切りの影は、いちど家に入ろうとする。私は家の匂いを濃くして、家の名前をはっきりさせる。

 ――静寂の館。

 名前を持つものは、名を呼ばれると、強くなる。私は最後の一杯を口に運び、舌の上で今日の渋みと甘さの配分を確かめた。渋みは印。甘さは赦し。塩味は現実。全部、必要。

 寝室の窓を少し開け、夜気を薄く通す。遠くでふたたび足音。揃っている。三、ではない。四。影の足だ。来た。私は胸の針を指で押さえ、角度を真っ直ぐにし、唇だけで言った。

「――王子が滅びるまで、私は紅茶を楽しむ。紅茶を楽しむあいだに、裏切りの影の場所を変える」

 呪いでも祈りでもない、境界線。白く、細く、まっすぐ。線のこちら側に、土の匂い、蜂蜜の半匙、目で止める護り、覚え直した字、『順番』の紙。線の向こうに、舞台の明かり、祈祷師の鋳、買われた倉。影は来る。来たら、匂いで迷わせ、道で遠ざけ、土に吸わせる。私は息を深くし、目を閉じない。夜の目で、家を守る。明け方の一杯のために。

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