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第10話 ノルディアの聖女になるか、それとも――
しおりを挟むその話が出る予感は、なんとなくずっと前からあった。
治療院で寝ているあいだも。
カイルと城下町を歩いた日も。
高台でレオンハルトの正体を聞いた夜も。
(いつかきっと、“ここにいてほしい”って言われる)
それは怖くて、でも、どこかで少しだけ、期待していた未来でもあった。
◇
その日、空は淡い曇りだった。
窓の外には、薄い雲が流れ、光がふわりと街を包み込んでいる。
雨になるほどでもなく、晴れとも言えない、揺らぎの中間みたいな天気。
リディアは治療院の庭に出て、小さなベンチに腰かけていた。
庭の隅に、白い花がひっそりと咲いている。
あの日、子どもからもらった花とよく似た色。
「だいぶ顔色良くなったな」
背後から声がして振り向くと、カイルが木の柵にもたれていた。
鎧は軽装で、腰には剣。いつでも動けるけれど、今は“任務中”ではない顔。
「今日の体力ゲージは?」
「黄色くらい、ですかね」
「お、やっと赤から抜けたか」
彼は満足そうに頷く。
「なあ、リディア」
「はい?」
「……何も言われてねぇ?」
唐突に落ちた問いに、リディアは瞬きをした。
「何もって、何についてですか?」
「いや、その……レオンさんのことだよ」
「レオンさんがどうかしました?」
「最近さ、“治療院に行く頻度高くね?”って、周りの文官たちにめっちゃいじられてんだよ。
“陛下は今日も仕事さぼってお見舞いですか?”とか、“患者の様子を見に行くのも王の仕事なんですね”とか」
「……すごい国ですね、やっぱり」
「だからさ」
カイルは、頭をかきながら顔をしかめた。
「たぶん近いうちに、“ちゃんとした話”が来ると思う。ノルディアにどうするつもりかとか、そういうの」
「……そう、ですか」
胸の奥で、小さな痛みがじわりと広がる。
覚悟していた話。
でも、いざ「来る」と言われると、やっぱり怖い。
「別に、俺が何か聞いたわけじゃねぇぞ?」
カイルは手を振る。
「ただ、あの人の動き方見てると、なんとなく分かる。
“とりあえず生かす”段階は終わって、“これからどうする?”って段階に入ってる」
「うん……」
「だからさ」
カイルは、真っ直ぐにリディアを見る。
「どんな答え出してもいいけど、“また自分のこと後回しにする答えだけはやめとけよ”」
「自分のこと後回し……?」
「前の国の話、ちょっとだけ聞いた」
彼の声が、少し低くなる。
「全部は話さなくていいって、俺も思うけどさ。
“国のため”“誰かのため”って言葉を使うときのお前の顔、どう見てもいい顔じゃなかったから」
「……顔に出てました?」
「がっつりな」
カイルは苦笑した。
「だから、“ノルディアのために”って言葉を最初に使うなら、それは“ちょっと待て”って言うつもり」
それは、軽い冗談っぽく装っているのに、芯がやけに真剣な言葉だった。
リディアは、胸のあたりをそっと押さえる。
(ちゃんと見てくれてる人がいる)
その事実が、少しだけ怖さを薄めた。
「……ありがとう、カイル」
「礼言われるほどのことじゃねーよ」
彼は照れくさそうにそっぽを向いた。
「つーか、そういう話はレオンさんに直接ぶつける機会、すぐ来るから」
「それ、宣告ですか?」
「予告」
「もっと優しい言い方ないんですか……」
そんなやりとりをしているところに、庭の方角から気配が近づいてきた。
足音は静かで、けれど迷いがない。
誰が来たのか、もう分かってしまう。
「――ここにいたか」
穏やかな声。
振り向けば、文官の服に少しだけ手を入れた、あの日と同じ“レオン”の姿。
でも今、その背中には、“王”としての影がはっきりと見えた。
「レオンさん」
「カイル」
「あ、俺そろそろ見回りの時間なんで。お邪魔でした!」
カイルは全力で空気を読み、全力で逃げた。
ただの一度も「陛下」とは呼ばずに。
リディアは、ぽかんと残された。
「……行きましたね」
「あいつは、こういうときだけ勘がいい」
レオンは小さく肩をすくめた。
風が庭を抜ける。
薬草の匂いと、土の匂いが混じる。
「さっき、カイルと話していたことの続きをしに来た」
「えっ」
聞かれていた。
というより、“聞かせていた”のだろう。
どこまで聞かれていたのか考える前に、レオンはベンチの隣を指で示した。
「隣、いいか」
「……どうぞ」
レオンが腰を下ろす。
隣に座ると、ほんのりとインクと紙の匂いがした。
剣ではなく、ペンを握ってきた人の匂い。
しばしの沈黙。
鳥のさえずりが、遠くでかすかに聞こえる。
その静けさを、レオンが破った。
「――君に、正式な提案をしに来た」
リディアの喉の奥が、きゅっと鳴る。
来た。
予感していた言葉が、いま現実になる。
「この国の聖女として、ここにいてくれないか?」
やわらかい声色で告げられた言葉は、不思議と重くなかった。
でも、その意味は重い。
“ノルディアの聖女”。
アルシェルドで剥奪された肩書きが、別の国で、別の形で差し出されようとしている。
「……」
口が、動かなかった。
拒絶したい感情と、救いだと感じる部分と、責任の重さを知っている自分と。
いろんなものがいっぺんに胸の中で渋滞して、言葉の通り道を塞ぐ。
「今すぐ答えを出せとは言わない」
レオンはすぐにそう付け加えた。
「君がこの言葉を聞いて、何を思うか、何を思い出すか。
それを考えれば、“即答しろ”などと言う気にはならない」
リディアは、深く息を吸い込んだ。
“聖女”という言葉が、胸の奥の傷をノックする。
アルシェルドの聖堂。
果ての見えない祈り。
「無能」というレッテル。
「聖女の交代」。
公開断罪。
婚約破棄。
追放。
森の雨。
全部が、フラッシュバックみたいに頭の中を駆け巡る。
「……怖いです」
やっと、それだけ絞り出せた。
「“聖女”って言葉が、まだ」
「怖いだろうな」
レオンは否定しなかった。
「アルシェルドは、君にとって“聖女であったこと”が、ほとんどそのまま“傷”になっている国だ」
「はい」
声が、震える。
「“国のため”って言葉を聞くだけで、胸が苦しくなります。
レオンさんが言うときはまだ大丈夫なんですけど……
“聖女”と“国のため”って言葉がセットになると、どうしても、あの場所の空気を思い出してしまって」
あの国の“聖女”は、“大きな器”であることを求められた。
感情を殺して、都合のいい奇跡を起こすための器。
「だから、ノルディアの聖女と言われても……同じ場所に戻ってしまうんじゃないかって、怖くて」
「同じにするつもりはない」
レオンの声が、少しだけ強くなった。
「ノルディアに、“アルシェルド式聖女制度”をそのまま輸入する気はない」
「……アルシェルド式」
「一人を支柱にして、国全体を乗せるやり方だ」
彼は皮肉まじりに言う。
「君のような存在を得た国がやりがちな誤りだな。
“この人がいるから大丈夫”という甘えが、全体の足腰を弱くする」
「そう、ですね……」
王城で聞いた声が耳に蘇る。
『聖女の加護が弱まっている証拠だ』
『聖女の交代』
『結果だけが全てだ』
全部、あの国が“聖女一人に依存しきっていた”結果の言葉だ。
「だから、“ノルディアの聖女”という言葉を使うにしても、同じ構図にはしない。
“王国の支柱一人”ではなく、“たくさんある支えの一つ”として、君にいてほしい」
「たくさんある支えの、一つ……」
「魔術師、騎士、治癒師、文官、農民、商人。
ノルディアは、元々“聖女がいない国”としてやってきた」
レオンは街のほうを顎で示す。
「だからこそ、なんとかギリギリでも持ちこたえている。
そこに君のような存在が加われば、“少しマシになる”と、そう考えている」
“少しマシになる”。
その言い方が、ひどく現実的で、ひどく優しかった。
「君がいなければこの国は終わりだ」なんて重さは、どこにもない。
「ノルディアの聖女になってほしいというのは、正直な願いだ。
だが同時に――」
レオンは、リディアのほうを見る。
「君が、“聖女リディア”ではなく、“ただのリディア”として、この国にいてくれることも、俺は望んでいる」
胸の奥で、何かが小さく震えた。
「“聖女”という肩書きは、あくまで、この国にとっての名前だ。
君が、自分をそう呼ぶ必要はない」
「……自分を?」
「君は、自分を何と呼びたい?」
突然の問い。
リディアは、言葉を失う。
アルシェルドで、自分をどう呼んでいただろうか。
“聖女”。
王太子の婚約者。
“国の器”。
それが全部剥がされた今、残っているものは――
「……リディア、です」
小さく、小さく呟く。
「“聖女”とか“陛下の婚約者”とか、そういう肩書きじゃなくて。
誰かの何かじゃない、“リディア”として……ここにいたいです」
それは、怖い願いだった。
肩書きがあれば、“役に立っている”という安心を得られる。
肩書きがなくなれば、自分の存在価値を自分で決めなければいけない。
でも今、この場所でだけは――それを望んでみたいと思えた。
「ここに……いてもいいでしょうか」
勇気を振り絞って、言葉にする。
「ノルディアの聖女としてではなく、“リディア”として」
レオンは、ほんの一瞬だけ目を細めた。
その瞳の奥に、安堵と喜びと、どこか寂しさのようなものが揺れた気がする。
そして――
「もちろんだ」
即答だった。
迷いも、溜めも、条件もない。
たった五文字で、すべてを受け止める返事。
胸の奥で、ぱちん、と何かが弾けた。
アルシェルドと自分を繋いでいた、細くて重い糸が、そこではっきりと音を立てて切れた気がした。
「君は、ノルディアにとって“元聖女”かもしれないが――
それ以前に、“命を拾われて、ここに流れ着いた一人の人間”だ」
レオンは続ける。
「この国は、そういう人間を受け入れる準備をしているつもりだ。
君が、“ここにいたい”と思ってくれたことが、まず何より嬉しい」
「……よかった」
涙が、にじんでくる。
アルシェルドでは、“いて当たり前”と言われてきた。
“いなくなったら困る”と言われ、最後は“いないほうがいい”と切り捨てられた。
今、「いてほしい」と言われ、「いていい」と言われる国がある。
ただ、それだけのことが、こんなにも救いになるなんて。
「じゃあ――」
レオンは、ほんの少しだけ冗談めかす。
「“リディア”として、しばらくノルディアにいてくれるか。
“いつか働きたいと思えたときに動き出す”という約束付きで」
「はい」
リディアは、迷いなく頷いた。
「“いつか”は、ちゃんと守ります。
今は、もう少しだけ休んで、自分を取り戻して……
それから、“この国に何ができるか”を、自分の足で選びたいです」
“選ぶ”という言葉が、自然と口から出てきた。
アルシェルドでは、“選ばされる”ことはあっても、“選ぶ”ことはほとんどなかった。
「それでいい」
レオンの声が、夜の空気に馴染む。
「君が“リディア”としてここにいると決めた瞬間から――
アルシェルドと君の間には、もう、元には戻れない距離ができた」
「……分かっています」
それは、覚悟していたことだ。
アルシェルドに戻る道は、もうほとんどない。
奇跡的に呼び戻されたとしても、そこは“わたしの居場所”ではない。
「怖くないか?」
「怖いです」
素直に言う。
「でも、“戻らない場所”があるなら、“進む場所”も必要だから」
そう言って、自分の膝の上に視線を落とした。
両手をぎゅっと握る。
その手の中に、あの日もらった白い花の記憶が蘇る。
泣いていた子どもが笑ったこと。
“ありがとうの花”と手渡された小さな温度。
「あの、レオンさん」
「何だ」
「わたし、“ノルディアの聖女”って呼ばれるのに慣れるには、まだ時間がかかると思います。
でも、“ノルディアにいるリディア”として、誰かの痛みを少しだけ軽くすることなら、今でも……少しずつ、できる気がします」
「それで十分だ」
レオンは、優しく笑った。
「肩書きは後からついてくるものだ。
“聖女”と呼ばれようが呼ばれまいが、“リディアのしたこと”は、この国のどこかに必ず残る」
「……はい」
胸の中の火が、もう一段階あたたかくなる。
それは、“国を照らす大きな炎”なんかじゃない。
手のひらの中でようやく守れるくらいの、小さな灯。
でもその灯りを守ることなら、今の自分にもできると思えた。
◇
その日、治療院に戻ったリディアは、いつもより少しだけ軽い足取りだった。
部屋に入ると、カイルが椅子に逆さ座りして待っていた。
「で?」
「で、ってなんですか」
「顔見りゃだいたい分かるけどさ。一応聞いとく。
話、されたろ。“ここにいるかどうか”って」
リディアは、ふっと笑った。
「されました」
「どう答えた」
彼の目が、意外と真剣で、心配そうだった。
「“ここにいてもいいですか。聖女としてじゃなくて、“リディア”として”って」
「おお」
カイルの口元がゆっくりとほころぶ。
「陛下、なんて言った?」
「“もちろんだ”って」
「……へぇ」
短い相槌なのに、そこにたくさんの感情が乗っている気がした。
「なんか、ずりぃなぁ、あの人」
「またその言い方」
「だってさ。
“ここにいていい”って言葉、言える王様、そうそういねぇよ」
カイルは、肩をすくめながらも嬉しそうだった。
「じゃ、決まりだな」
「何がですか?」
「“ノルディアのリディア”」
彼は、からかうようにニヤリと笑う。
「肩書きはまだ保留でも、“ここにいるリディア”が決まったなら、それで十分だろ」
その言葉に、胸の奥がじんわりと満たされていく。
「……はい。よろしくお願いします、“ノルディアのリディア”としてのわたしも」
「おう。ちゃんと見張っててやるからな。
“自分を捧げすぎたら怒る係”ってことで」
「それ、けっこう重要な役割ですね?」
「だろ」
二人の笑い声が、治療院の一室にやわらかく響いた。
◇
その頃、レオンハルトは自室の机で、積み上がった書類を前に深く息を吐いていた。
窓の向こうには、さっきまでリディアと眺めていた街の灯り。
彼はペンを走らせながら、ふと手を止め、小さく呟いた。
「――ようこそ、ノルディアへ。リディア」
その言葉は、誰の耳にも届かない。
けれど、確かにこの国の王の本心として、静かに夜の帳に溶けていった。
アルシェルドとリディアの間に生まれた決定的な距離。
それは同時に、ノルディアとリディアの間に結ばれた、新しい“近さ”の始まりでもあった。
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