婚約破棄された悪役令嬢、復讐のために微笑みながら帝国を掌握します

タマ マコト

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第1話:断罪の夜

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 天蓋のように吊られたシャンデリアが、幾千の星を閉じ込めて震えていた。音楽は絹を撫でるみたいに優しく、床は磨かれた鏡みたいに人々の笑顔を映し返す。帝都ルミナリアの冬の夜、宮廷の大舞踏会。香水と焼き菓子と、温められたワインの匂いが空気に層を作っている。

 セラフィナ・ロジウムは微笑んで立っていた。銀糸で編まれたドレスは静かな湖の表面みたいに光を集め、肩口を伝う冷気をやわらげる。完璧な角度で顎を引き、完璧な温度で目尻を緩め、完璧な速度で呼吸を整える。貴族の作法は、感情より先に身体に根を張っている。

「セラフィナ様、本日のドレス……まるで月光ですわ」 「ごきげんよう、侯爵夫人。お褒めに預かり光栄です」

 いつも通りに会釈を返す。舌の裏に小さな氷片を隠したみたいに、言葉の縁だけがひんやりしていた。──大丈夫、私は大丈夫。今日も、笑っている。笑っていられる。

 そう念じた瞬間、絹のざわめきが波のように小さく揺れて、音楽が段差につまずいたようにふっと軽くなる。騎士が重い扉を開き、金の髪が雪の粒に反射してきらめいた。皇太子、アウリス・カルスティ。彼が一歩踏み出すたび、部屋の温度がじわじわと上がる。期待、憧憬、算段。視線という名の灯りが彼に向かって点る。

 私の婚約者。いや、まだ──この瞬間までは。

「セラフィナ」

 名を呼ばれて顔を上げる。いつもなら「殿下」と少しだけ柔らかく笑うところだ。今日は、声の奥に見えない硝子の粒が混ざっている。胸の裏側で、何かが転がる音がする。

「皆の前で伝えたいことがある」

 音楽が止まった。空気の幕が一枚、音もなく引かれる。彼は舞台に立つ役者みたいに、正しい位置に立ち、正しい声量で、正しい悲哀を宿した瞳を作る。彼の真面目さと純粋さを愛した日々が、靴の踵で踏み潰される乾いた音を立てたような気がした。

「僕は……婚約を、破棄する」

 その瞬間、シャンデリアの光がほんの少しだけ揺れた。誰かの手がワイングラスを落として、薄い音を立てて割れた。割れたのはガラスだけじゃない。私の中で、きしんでいた薄い板が、とうとう見えないまま真っ二つに裂ける。

 だけど私は笑っていた。頬の筋肉は忠実だ。躾けられた犬みたいに、合図があればきちんと尻尾を振る。

「理由を伺っても、よろしいかしら。殿下」

 声は静かだった。奇跡みたいに。喉を通るたびに刃が擦れるのに、血はひと滴も零れない。

 アウリスは目を伏せ、そしてゆっくり顔を上げる。その動作ひとつが、観衆にとっては甘い蜜で、私にとっては塩の結晶だった。

「僕は、本当の愛を見つけた。身分なんて関係ない、心で結ばれる愛を」

 その言葉は、雪解け水みたいな顔をして、氷に亀裂を入れていく。穏やかに、確実に。周囲がざわつく。侮蔑、同情、好奇。香水の香りに混ざって、憐れみの匂いが強くなる。鼻の奥が焼ける。

 人波が割れた。薄桃色のドレスの少女が現れる。緊張でぎこちない笑顔、けれど瞳の中だけは迷いなく煌めいている。彼女の手は小さく、震えて、でも皇太子の指にすがる力は強かった。平民の娘。小鳥みたいに軽い体重が、一国の秩序をほんの指先で傾ける。

「紹介する。アデル。僕が愛する女性だ」

 名前が空気を泳いで、私の耳に触れる。アデル。その名が、胸の底の薄い氷を踏み抜いた音と、見事に重なる。心臓が、からん、と落ちた。拾えない場所へ。

「……まぁ」

 私は微笑んだ。唇の端を少しだけ持ち上げる。肉が覚えている「安全な笑い方」。これさえあれば、何からでも身を守れる。殻、盾、仮面。

「おめでとうございます、殿下。帝国にとっても、喜ばしいことでしょう」

 歓声の準備をしていた人たちが、私の声色を測りかねたように言葉を飲み込む。お茶会で濃すぎる砂糖を口にしたみたいに、みんな一瞬むせる。

「セラフィナ、君には感謝している。君は立派な女性だ。だけど、僕は……」

「殿下。言い訳は、似合いませんわ」

 私の声が、氷片を投げるように軽く飛んでいく。アウリスの喉仏が小さく上下する。視線が重なる。あぁ、知っている。この顔。彼はいつだって正しいことをしたがる子どもみたいだった。良い点を取りたくて、教科書の言う通りに世界を信じる。私は何度も、それを愛しく思った。今日だけは、それが残酷だ。

「身分は関係ないと仰ったわね。素敵。けれど、責任は関係なくはならないの。あなたは皇太子。選ぶということは、同時に、壊すということ」

 ぐらり、と空気が傾く感覚がした。私の足元で、見えない何かが崩れている。笑って。笑っていなさい。微笑みは剣より鋭い。父が言っていた。母が笑っていた。ロジウム公爵家の女は、泣くより先に微笑む。

「セラフィナ様、落ち着いて……」

 誰かが袖を引いた。遠い。声が海の底から聞こえる。私は袖をゆっくり外す。

「ご心配なく。私は、いつだって落ち着いていますわ」

 落ち着いて──いるはずだった。胸の中央で、硬い箱が軋む。きゅう、と悲鳴をあげ、蓋が少しずつ歪む。そこに詰めてあった思い出が、紙吹雪みたいに舞い上がる。冬の散歩道、彼が手袋を私に差し出して笑ったこと。書庫で並んで読んだ詩集。雨の日、彼の綺麗な指がピアノを叩く音。全部、舞い上がって、照明の風に揉まれて、落ちて、踏まれて、音もなく消える。

「セラフィナ」

 アウリスの声が、ひどく近い。彼は一歩、私の方へ出る。アデルが不安そうに彼の袖を握る。

「君が憎いわけじゃない。むしろ、感謝している。君はいつだって正しかった。だから、僕は君の未来を縛りたくない。君には君の幸せがあるはずだ」

「そう。では、私の幸せを祈っていてね」

 私は一歩、彼から下がる。ドレスの裾が床を撫でる音。耳の内側で、遠雷のような轟きが遅れて到着する。──あ、壊れてる。静かに。静かに、壊れていく音がする。骨董の時計が真夜中に針を止めるみたいに、こつ、こつ、と。痛みが遅れてやってくる。刃の背で撫でられるみたいな鈍い痛み。脳が安全装置をかけて、感情を遅延させているのだと、冷静な自分が言う。そんな分析をしている自分がほんの少し笑える。滑稽よね、私。

「殿下。ひとつだけお願いがあるの」

「何だい」

「今日の決定が、帝国の法と礼節に則った正当な手続きであると、きちんと記録して。あなたの“本当の愛”は美しい。だからこそ、正しく美しく保存して。歪んだ形で残されることは、愛に対する冒涜よ」

 彼が息を呑む。意外そうに、感心した顔。そういう顔、嫌いじゃなかった。今は胸の奥で塩が固まる音がする。

「……わかった。約束する」

「ありがとう、殿下。アデル様」

 私はアデルに向き直る。彼女は怯えた小鹿みたいに目を瞬いて、勇気を振り絞って会釈した。可愛い。守られたいと思う顔。私も昔は、誰かにああして守られたかったのだろうか。違う。私は守られるのが嫌いで、守る方が好きだったはずだ。なのに、今日、誰も私を守らない。

「どうか、殿下をよろしくね。彼は真面目で、少し不器用で、目の前の正しさにまっすぐ突っ込んでいく人。時々、周りが見えなくなるから、手を引いてあげて」

「……はい」

 声が細い。けれど、まっすぐだった。アデルという少女は、きっと強い。強いものを愛した。それだけ。

 周囲の視線が刺さる。侮蔑の刃は鈍い。同情の刃はよく切れる。好奇の刃は毒を塗ってある。肌が、心が、薄皮一枚ずつ剥がれていく。私はそれでも微笑む。笑い方には段階がある。今は第四段階。涙腺を収縮させ、頬の筋肉を固定し、声帯を低く保つ。熟練の術。母が教えてくれた。──母は、こういう時、何を考えていたのだろう。

 ふと、会場の奥で扉が揺れた。黒衣の使用人たちが、すでに私の名札を壁から外しているのが見えた。壁の金糸がそこだけ剥げて、影が残っている。あぁ、早い。世界はいつだって、誰かの居場所を空席にする準備ができている。

「では、失礼いたします」

 私は裾を持ち上げ、最敬礼をした。膝の角度、視線の落ち方、指先の開き。完璧な別れの礼。拍手が起こる。称賛の拍手ではない。儀礼の拍手。社会が私の退場を承認する音。音の粒が頬を打ち、肌を通り抜け、胸の奥に溜まっていく。

 背を向ける。光から影へ。廊下はひやりとして、肺が喜ぶ。さっきまで甘すぎた空気が嘘みたいに澄んでいる。私は歩く。歩幅は一定。ヒールの音が規則正しく床に刻まれる。心臓と歩みが同期する。こつ、こつ、こつ。鼓動はまだ落ち着いている。えらい。よくやっている。私、偉い。

 角を曲がった瞬間、壁の装飾が目に刺さる。家の紋章。ロジウム。銀白の双魚。もう、これは私のものではない。名前はまだ、けれどあと少しで剥がされる。指でなぞる。冷たい。心が追いつかない。私は深呼吸をした。吐く。吸う。吐く。吸う。肺が仕事を覚えている。生きる、という動作は、案外単純だ。

「──セラフィナ様」

 かすかな声。侍女の少女が、ハンカチを差し出す。目が赤い。泣いているのはあなた。泣かないのは私。

「要らないわ。ありがとう」

 笑う。彼女の顔がいっそう歪む。誰かの涙は、私の内側に滲み込んで、じわじわと温度を上げる。危ない。温かくなりすぎると、凍らせて守っているものが溶けてしまう。

 外へ出る。夜気が頬を撫でる。星は遠い。息が白くほどける。その白が風に薄く引き伸ばされて、消えていく。今の私みたいに。

 階段を降りる途中、手すりの端に砕けた霜が積もっているのが見えた。指先で掬う。冷たい。指の体温で、あっという間に消えて、水珠だけが残る。滴が落ちる。階段の石に吸い込まれる。小さな、音にならない音。

 ──中で、何かが静かに壊れる。

 胸の奥。黒い空洞の縁で、微かな音が続く。ぱき、ぱき、ぱき。脳がそれを音楽にしようとする。やめて。曲名は要らない。これは旋律じゃない。破壊のメトロノーム。私は手すりを握り、指の骨がきしむほど力を込める。痛みで、音が途切れる。すぐまた始まる。ぱき、ぱき。

「……うるさい」

 思わず口に出す。自分の声に驚く。誰もいない。夜だけが聞いている。私は笑う。こういう時にも礼儀正しく笑える自分が、少し好きだ。少し嫌いだ。

 馬車の前で御者が頭を下げる。彼の目が、言葉を選びかねて泳ぐ。かけるべき慰めの言葉も、投げるべき同情も、どれも私には似合わないと知っているのだろう。

「どこへ、お嬢様」

 問いに、私は宙を見た。巨大な宮殿が、私の背後で息をする。生き物みたいにうねり、私を吐き出したばかりの喉を締める。帰る家の名を口にしかけて、飲み込む。もう、そこは私の居場所ではない。

「……どこでもいいわ。風の吹く方へ」

 御者が一瞬だけ眉を寄せるが、何も言わない。扉が閉まる。クッションの柔らかさが、急に残酷だ。座る。背筋を伸ばす。目を閉じる。暗闇が瞼の裏に広がる。そこに浮かぶのは、さっきの会場の光と、彼の目と、少女の小さな手。それから、割れたガラスの欠片のような笑顔の私。

 馬車が動き出す。石畳を車輪が叩くリズムが、胸の中のメトロノームと重なって、やがて、少しだけ遠のいていく。壊れる音は、まだ続いている。けれど、私はその音に名前を与えない。名前を与えた瞬間、取り返しがつかなくなる気がしたから。

 窓の外、冬の街並みが流れていく。店の灯り、路地の影、犬の遠吠え。匂い。煙突から吐き出された煙が、夜の冷たさに負けて低く漂う。人間の暮らしの温もりが、窓ガラスに触れて、すぐに凍る。指で曇りに線を引く。線はすぐに消える。何を描いても、すぐに消える。だから、描かない。

 代わりに、心の中に描く。薄い紙に鉛筆で下書きするみたいに。線はまだ震えている。けれど確かに形になっていく。輪郭。矢印。道筋。私を追い出した世界の、縫い目と綻び。感情から目を逸らすように、私は頭の中に“計画”の最初の頁を作り始める。泣くことより、考えることの方が、私には似合う。

 馬車は帝都の外縁へゆっくり進む。私の名前を刻んだ門は、もう後ろにある。振り返らない。前を見る。前は夜で、夜は長い。けれど、長い夜ほど、星はよく見える。滑稽ね。今さら希望なんて。違う。これは希望じゃない。選択だ。奪われたなら、奪い返す。泣く代わりに、笑う。笑う代わりに、動く。動く代わりに、微笑む。

 指先に、母の指輪が冷たく触れる。小さな銀の輪。ロジウムは、銀より硬い。傷つきにくい。だから、選ばれた。母が私に残したのは、優しさじゃない。強さだ。

「ねぇ、お母さま」

 声に出す。誰も答えない。答えは要らない。私は、私に答える。

「私、やるわ。静かに、優雅に、すべてを奪い返す。微笑みながら」

 馬車が角を曲がる。遠くで鐘が鳴る。時が変わる。今日が過去になる音。胸の奥の壊れる音と、遠い鐘の音が、一瞬だけ和音になって重なる。美しい、と、思ってしまった自分に、少しだけぞっとする。

 笑う。今度の笑いは、ほんの少しだけ、温かい。

 断罪の夜が、終わる。私の長い夜が、始まる。
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