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第3話 黒の割目
しおりを挟む刃が振り下ろされる一拍前、世界は息を止めた。
鳥も、風も、光さえも。音という音が、布でくるまれたみたいに消えた。私の鼓動だけが、遅れて脈を打つ。タ、タ、タ――間に合わないテンポ。間に合わないなら、きっと終わりだ。
そのとき、空が裂けた。
音もなく、薄紙を縦に切るように。青い皿の中央に黒い線が走り、線が口を開けて夜を流し込む。黒は色じゃなかった。温度で、重さで、匂いで、意味だった。黒曜の翼のような魔力が上から降り、広場の空気を押しつぶす。胸の中の空洞に鉛が流れ込んで、思考が着地できない。
人々の膝が、次々と砕けた。
誰かが叫び、誰かが祈り、誰かが目を閉じる。祈りの言葉は途中で千切れ、石畳に落ちて砕けた。処刑人の腕が止まる。刃の先が、私の頬に冷たい線を描いたところで。
黒い裂け目から、男が降りてきた。
ゆっくりと、確信に満ちた歩幅で。
黒い外套。夜の布で仕立てたような、光を飲み込む質感。髪は闇そのものの色で、肩でほどける。肌は陶器より冷たそうに白い。異様なのに、完璧に整っていて、目が離せない。
瞳だけが、氷。深い湖に冬が張り付いたような青。覗き込んだら、呼吸を忘れて落ちそうな深さ。
男は処刑台の前に立ち、視線だけで世界を静めた。
そして、私を見た。
青が瞬きをして、声が落ちる。低い。低いのに、広場の隅々まで届く声。
「――この女に、触れるな」
彼の言葉は命令ではなく、自然法則の宣言みたいだった。光は上へ行き、石は下へ落ち、誰も彼女に触れない。そういうふうに世界が組み替えられる。
処刑人が無意識に一歩下がる。縄が私の手首を軋ませる。その縄に、男が指先を伸ばした。
指は細く長く、爪は黒曜石。触れた――わけではない。ただ、なぞった。空気の上を滑らせただけに見えた。
麻は、灰になって消えた。静かに、礼儀正しく。私の皮膚は遅れて温度を取り戻し、火傷の痕みたいな痛みだけが残る。
彼はそのまま、私の腰に腕を回し、抱き上げた。
驚くほど簡単に。私が重力の一部を返却してしまったのかと思うほど、するり、と。
胸板に頬が触れる。冷たい――と思ったのに、違う。冷たいのに、深いところは温い。冬の湖の底で湧く泉の温度。外套から、夜の匂いがした。たとえば星が溶けたあとに残る匂い。説明できないのに、嗅いだことがある気がする匂い。
「誰だ!」
アレクシスの声が、裏返った。英雄の顔にひびが入り、刃の先がわずかに揺れる。
男は答えない。広場の全員が知っている名を、わざわざ名乗る必要はないとでも言うように。
ざわめきが波のように広がる。
「魔王だ……」「魔王が来た……!」
魔王。
子どものころ、教本の挿絵で見た漠然とした闇の王。
けれど絵の魔王は私を抱かなかったし、ここまで美しくはなかった。
私は彼の腕の中で、呼吸の深さを計った。浅いと酸素が足りない。深いと体が彼に馴染む。
「彼女を離せ!」
アレクシスが剣を構え直す。剣の銀が太陽を跳ね返し、光が男の頬に薄い刃を走らせる。
魔王は、ようやく彼に視線を向けた。青い氷が、王太子の表面だけを撫でて去る。
それだけで、アレクシスの膝が、ほんの少し笑った。誰も気づかない程度の震え。私は気づく。長い間、彼の距離を知っていたから。
「殿下、退いて!」
枢機卿マルティンが叫ぶ。赤い祭服の裾が揺れ、指輪が光って顔色が蒼く見える。
エリナが祈りの姿勢を整え、聖印を高く掲げた。白い指。震え。
聖印が光る。
――はずだった。
光は割れた。ガラスの皿に熱湯を注いだみたいに、内側からぱきぱきと罅が走り、白い欠片が宙に散った。
祈りの言葉が喉で止まる。エリナは驚愕の目で自分の手を見る。彼女は悪役ではない。嘘をつくために泣いているわけでもない。彼女の涙は本物で、その本物さえ利用される。
「やめろ、魔王!」
アレクシスが斬り込む。
魔王は片腕で私を抱いたまま、空の一点を軽く叩いた。視線だけで、だ。
風が反転した。アレクシスのマントが一瞬、彼自身を包むように巻きつき、足元の砂が渦を巻いて彼の踵を取る。剣は的を失い、空を斬って陽光を散らす。
転ばなかったのは、訓練の賜物。だけど、その踏みとどまり方には“恐怖”が混ざっていた。
アレクシスの足が、確かに震えている。
「……化け物め」
彼は唇の端でそう吐いた。
魔王は、薄く笑った。
その笑いは、侮蔑でも嘲笑でもない。冬が窓に描く草花のような、静かな図柄。
「奪うなら、始まりからやり直す」
彼は王宮の尖塔を見上げ、淡々と言った。その声は、古い約束を思い出すみたいに穏やかで、広場の空気から一瞬だけ敵意を奪った。
“始まりからやり直す”――誰の、何の、始まり。脳裏に、幼い私が背筋に板を挟まれて歩く光景と、彼の腕の温度が重なる。
「放せ。彼女は罪人だ」
アレクシスは言葉を選ぶ時間を失い、短い語で刺してくる。
魔王は私を抱え直し、静かに首を傾げた。
「罪? お前たちがそう名付けた空白のことか」
言いながら、彼は私に顔を近づける。氷の瞳が、至近距離で融ける。
「立てるか」
喉の奥で返事が転び、私は小さく頷く。立てる。たぶん。
足先に力を入れると、石が確かな硬さでそこにある。彼の腕の支えを外しても、私は倒れない。
けれど、彼は外さない。
私の体から重力を奪った犯人が、離さない。
「人の女を攫う気か!」
枢機卿マルティンが声を荒げる。法と神を混ぜ合わせたような響き。
魔王は一瞥しただけで、彼を言葉の外に追いやった。
「人の女?」
ほんの名残の笑いが喉を撫でる。
「言葉が浅い」
群衆の一角で、誰かが「助けて」と言った。誰かが「やめて」と言った。誰かが「今よ」と言った。感情はいつだって合唱になり、合唱は意味を薄める。
その薄めた意味の上で、魔王は指を動かした。
空間の布目に指先を掛け、縫い目をほどくようにゆっくりと。
黒い“門”が開いた。
門というより、“夜の原液”の楕円。中は深い。見えないのに、見える。
向こう側から、低い音がした。鼓動に似ていて、地鳴りに似ていて、雨の前に土が吸い込んだ空気の音にも似ていた。
足元の石畳が、門の存在を理解できずにわずかに歪む。
アレクシスが一歩踏み出す。
「行かせるな!」
叫ぶ。命令。命令は風に撒かれて、どこかへ消えた。
兵は動かない。動けない。膝が砕けている。恐怖が筋肉のなかで結晶化している。
エリナは聖印を胸に抱きしめ、震えながら私を見ている。
目が合った。
彼女の瞳に、問いがあった。
どうして、という。
私の瞳にも、問いがあった。
誰が、という。
どちらの問いも、今は答えを持たない。
「待て!」
アレクシスが剣を構え直して突進する。
魔王は少しだけ肩を傾けた。
その動きは、舞踏のリードに似ていた。相手がこちらに踏み込む方向を先に知っていて、それを無理なく避けるための、最小最美の角度。
剣は彼の外套の裾をかすめ、黒が光を飲む。
音がしなかった。刃が布を裂く音が、世界から削除されたみたいに。
アレクシスの目に、怯えとは別のものが浮かぶ。自分の物語が意図通りに進まないとき、人は子どもの顔になる。
「アレクシス」
私は呼んだ。
彼はわずかに動きを止める。
「――私が、悪女でよかったね」
皮肉でも呪いでもない。事実の確認。
彼は唇を噛み、返す言葉を見つけられなかった。
「行こう」
魔王が言った。私に向けて。
どうして、あなたは私の意思を確かめるの。連れていくと決めたのなら、黙ってさらえばいいのに。
その正しさが、混乱の中で私を少し笑わせる。
「……名前、教えて」
思わず言葉が零れた。
彼は一瞬、驚いたように目を細め、それから淡い微笑を作る。
「ヴァルト」
音が喉からこぼれるとき、空気が涼しくなる。
「ヴァルト」
復唱すると、胸骨が少し軽くなる。名は錨。混沌の中に一点、結び目ができる。
「魔王ヴァルト!」
マルティンが震える声で叫ぶ。「貴様の暴挙は国への宣戦布告だ。神の裁きが――」
「神?」
ヴァルトは目を伏せ、面倒くさそうに片指で空を弾いた。
鐘楼の鐘が、ひとつ遅れて鳴る。七つ目。今さら。
鐘の音は、広場の上でぱきんと割れ、銀の粉になって降った。
「裁きなら、もう下った」
彼は静かに告げる。「物語の裁きが。お前たちは役を配り、彼女に石を投げさせた。代償は、脚本の破綻だ」
ヴァルトは黒い門の前に立ち、腕の力を少し強める。
その瞬間、私は理解した。
彼は私を“守って”いるのではない。
“選ばせて”いるのだ。
私が足を門へ向けるまで、彼は一歩も踏み込まない。
このふざけた劇の中で、初めて私に返ってきた選択権。
私は足を前に出した。
石畳が硬い。硬さは、現実の保証書。
門の縁に近づくほど、空気が濃くなる。息を吸うと、夜の味がする。甘くも、苦くもない。深い。
振り返ると、王都の空が青く、白く、ひどく遠い。
アレクシスは剣を下げ、エリナは両手を胸に当て、マルティンは口を開け閉めして魚みたいに空気を食べている。
群衆は膝をつき、誰も立ち上がれない。
その真ん中に、私がいる。
悪女。罪人。
――そして、誰のものでもない私。
「さよなら」
誰にともなく言った。
自分に向けて、昔の私に向けて、王都に向けて、鐘に向けて、細工された物語に向けて。
ヴァルトがわずかに笑う。その笑い方が、救いというより了承で、私は少し救われる。
黒い縁を踏む。
冷たくも熱くもない。存在の温度。
足首からふくらはぎへ、夜が這い上がる。
怖くない。怖がるという行為は、今は忙しすぎて手が回らない。
代わりに、胸の中の楽譜を開く。最初の小節じゃない。これは新曲だ。
題名は――まだない。
でも、作曲家の名前はある。
私だ。
「奪うなら、始まりからやり直す」
ヴァルトが先ほどの言葉を、今度は私ひとりに向けて繰り返す。
「うん。やり直そう」
私の声が、門の中でわずかに反響する。薄いエコー。
彼の腕の筋肉が動き、私の体が軽くなる。抱えられたまま、私は夜を越える。
最後に聞こえたのは、城下の遠いどよめきでも、鐘の破片が落ちる音でもなかった。
ひとつの、短い呼気。
アレクシスの、諦めにも似た、少年の頃の癖の残るため息。
その音を背中で受け取り、私は目を閉じる。
黒い門の向こうは、たぶん寒い。たぶん暗い。たぶん、私の知っている世界ではない。
だけどそこには、私の選んだ温度がある。
腕の中の泉の温度。
氷の瞳の、底の温度。
世界がひっくり返る感覚。
床が消え、重力が再交渉を始める。
私の髪がふわりと浮き、楽譜の紙の匂いが鼻先を過ぎる。
私はそれを吸い込み、目を開いた。
夜が咲いていた。
黒い花弁が、音もなく。
花の中心に、城がある。尖塔が逆さに刺さったみたいな、星の庭。
私の喉から、勝手に笑いが零れた。呆れたような、安堵のような、泣く寸前の笑い。
「ようこそ」
ヴァルトの声が耳元でほどける。「俺の場所へ」
ひどく長い日が、やっと終わった。
いや、違う。
始まるのだ。
私の物語が、私のテンポで。
黒の割目が背後で閉じる音はしなかった。
音の代わりに、胸の中の薄氷がとけて、静かな水面になった。
そこに最初の音符を落とす準備は――できている。
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