王太子に裏切られたので、溺愛されてる魔王の嫁になります

タマ マコト

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第8話 欠片の真実

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 古書庫は、夜の森のように静かだった。棚という名の樹が何百と並び、革表紙の葉が重たく垂れ、埃は古い雪のように薄く積もる。天井から下がる鎖のランプが、琥珀色の小さな池を床に落とし、足音はその池を渡る魚みたいに低く震えた。

 私は黒薔薇のしおりを挟んだまま、一冊の書物を両手で受けた。皮は乾いた掌のようにささくれ、背には金の糸で古い印章――鍵と花――が刺繍されている。表題は読めない。人間界の文字ではないし、魔界の標準でもない。セラが指先で軽くなぞると、墨が中から温まって、私にも意味がほどけた。

「“境(さかい)の巫女記”」

「境の、巫女……」

「ええ。世界の縫い目を見てしまった女の子の話。読んで、でも一人で飲み下さないこと」

 セラはそこまで言って、私の向かいの椅子に腰を下ろした。扇は今日は閉じたまま。彼女の視線は私よりずっと遠く、厚い書物の向こう側で鳴る長い時間の音を聴いている。

 私は頁を開く。紙は薄いのに、乗っている言葉の重さで手首が沈む。墨の匂いに金気が混じる。釘の匂い。磔の支柱の匂い。

 ――むかし、境の巫女がいた。

 人間と魔族の間に生まれ、両の眼で二つの夜明けを見た少女。彼女は世界の裂け目に糸を渡し、ほどけるたびに縫い、逸れるたびに結び直した。糸は見えないが、風が運び、歌が守り、祈りが通訳した。

 けれど、祈りが余り、歌が商われ、風が売買されるようになると、巫女は邪魔になった。境を見張る女は、箱を作る男たちにとって厄介な穴だった。

 教会は言葉で火を起こし、火は巫女を柱に縛った。祈りの布で口を塞ぎ、彼女の眼を「異端」と呼んだ。最初の鎚が打たれたとき、巫女は泣かなかった。二度目で、笑わなかった。三度目で、歌をやめた。

 四度目の鎚で、世界が鳴った。
 巫女の魂は砕け散り、ひとひらずつ、時代へ飛んだ。
 欠片は眠り、必要なときに目覚めた。
 目覚めるたびに、境は縫われ、世界は呼吸を取り戻した。
 そして、欠片を探す者が生まれた。
 “番(つがい)”――魔王。

 私はそこまで読んで、指を止めた。書かれているのは神話だ。神話は時々、パンくずよりも具体的な効き目を持つ。

「……欠片は、ひとり?」

「ひとつの魂が割れるとき、割れ方は季節で違う。冬は硬く、夏は柔い。だから“何片”かは決まらない。ただ、いつでも――ひとつの欠片に“世界を繕う手”が残る」

 セラが頬杖をつき、目だけで笑った。

「殿下は、その欠片を探してきた。目覚めず、手を固く閉じた欠片もあった。殿下は待った。目覚めても、怖れで自分を曲げる欠片もあった。殿下は離した。――笑うことは、なかった」

「笑わない、ヴァルト」

「ええ。何百年も。剣の錆び方と、夜の濃度の変化と、領主たちの死に順を、一様に見ていた。私、あの人が笑うのを、本当に見ていなかった」

 セラの声は、敗北を讃える酒のように乾いていた。彼女の長い睫毛の影が、ランプの光で揺れる。その影の色を見て、私の胸の底がきゅっと疼いた。

「……私、替え玉かな」

 ひどく子どもっぽい言い方だと自分でも思ったのに、口から出たのはそれだった。替え玉。舞台の影に立ち、灯りが当たるたびに別の名で呼ばれる人間。観客が喜べば、誰でもいい。

 セラはすぐには答えなかった。扇を叩く代わりに、テーブルの縁を指でやさしく撫でる。

「あなたが、自分の価値を自分で殴るのは見ていて気分が悪いわ。殿下の探していた“音”に、あなたは“似ていた”。似ていたから、扉は開いた。けれど、扉の向こうに入ってきたのは、あなた自身よ。化けているなら、とっくに剥けてる」

「でも、似ていたから、見つけた。似ていたから、救った」

「似ていたから“呼ばれた”のよ。呼ばれたあと、来たのはあなたの足でしょ? 足が自分のものである限り、替え玉なんかじゃない」

 セラの声はいつになく真っすぐで、扇も飾りも使わない分、傷に直接触れる。私は視線を落とし、頁を撫でる。紙のあたたかさは、古い人間の体温みたいだ。

「殿下を、嫌いになった?」

「……嫌いになろうと思えば、容易いわね。理由はたくさんある。“似ていたから”という言葉、簡単に刺さる。でも――」

「でも?」

「嫌いになれない場所がある。彼の“待つ”という力は、惚れ惚れするくらい美しい。待つことは、放棄じゃない。忍耐でもない。選択の尊重。私はあんなふうに待たれたことがなかった」

 言葉が口から出た途端、胸の氷が一枚、音を立てて欠けた。セラはそれを聞いたかのように、ゆっくりと笑った。

「じゃあ、夜に本人に聞きなさい。“代わりなの?”って。逃げずに聞くのが、均衡。逃げずに答えさせるのが、均衡の礼」

「喧嘩になる?」

「喧嘩は、仲の良さの一種よ。殴らなきゃいい」

「殴らない」

「なら、だいじょうぶ」

 セラは立ち上がり、古書庫の奥へ消える。残された静けさは、頁が自分で語りつづけるための舞台みたいだった。私は続きを読んだ。巫女の最後の歌は、世界の谷間に埋められ、夜ごと誰かの骨に染みた。欠片は骨で光り、骨から芽を出し、骨を伝って別の骨に触れ、熱を渡した。

 “番”は冷えた夜に立ち、かすかな熱を見分ける。遠い灯りを辿る。灯りの持ち主が怖れているなら、側で座る。灯りの持ち主が怒っているなら、風を殺す。灯りの持ち主が歩くなら、隣で歩く。――そんなふうに書いてあった。神話にしては、ひどく生活の匂いがする。

 私は本を閉じ、黒薔薇のしおりを挟んだ。しおりの花弁が一枚、指先の熱で少し柔らかくなる。胸の刻印が、遠くでひとつ脈を打つ。

     ◇

 夜は、城の骨を透かして流れていく。石壁に染みこんだ音の抜け殻が、廊下の曲がり角でひそひそ話をしていた。私はテラスに出る。星は相変わらず逆さに落ち、風は砂糖ほど甘くはないが、嫌いになれない微かな苦味を含む。

 ヴァルトは先にいた。欄干に片手を置き、もう片手で夜を撫でている。撫でられた夜が形を変え、山に似た影を作り、すぐに溶けた。

「来ると思ってた」

「呼ばれた気がしたの」

「呼んだ」

 短い会話が、氷の上を滑る。割れる前に、私は足を止める。胸の底が疼いている。自分で自分に手を当てて、言葉を掴む。

「――私を探していたのは、昔の誰かの代わり?」

 星が一瞬、落ちる速度を変えた気がした。風が止まり、黒薔薇が小さく鳴る。ヴァルトはすぐに答えなかった。私の言葉を置く場所を探すみたいに、目線をゆっくりと落とし、夜の中に平らな石を見つけるように、間を作る。

 間の上に、彼は言葉を置いた。

「似ているから探した」

 正面から。逃げずに。私は少し笑う。笑いはうまく出なかった。苦い。けれど、思っていたよりも、喉を裂かなかった。

「そう」

「けれど――」

 彼は私に近づかない。距離が礼節を作り、礼節が温度を保つ。青い瞳が、まっすぐに私だけを映す。

「今、抱きしめるのは“リュシア”だ」

 その一文は、古書の頁より軽かった。軽いのに、重力が増した。欄干に置いた手が、石に深く沈む。私の中の氷がいくつか割れ、溶け、また固まる。溶けた水は私の骨に流れ、骨の髄はゆっくり熱を吸う。

「……似ている“誰か”は、きっと綺麗だったのね」

「綺麗だった。弱く、強く、臆病で、勇敢だった。そして、自分のために世界を一度壊した」

「壊したの」

「そうだ。だから俺は、もう壊したくない。お前のためにも、世界のためにも」

「私が望んだら?」

「望みの形を確かめる。“怒りの器”と“愛の器”は見分けがつきにくい。間違うと、口を切る」

「……間違えそうになったら?」

「止める。殴らないで」

 私は笑った。今度はちゃんと、喉が笑いを選んだ。ヴァルトの口角がわずかに上がる。青の氷の底に、微かな泉が見える。

「セラが、あなたが笑うのを何百年も見ていなかったって」

「見せていない。笑うと、欠片が遠のく夜があった」

「今は?」

「今は、近い」

 私は一歩、踏み出した。足音は夜の器に落ち、波紋のように広がって、城の骨に吸われる。彼と私の距離はまだ礼儀の長さを保っている。礼儀は壁ではない。互いの輪郭を傷つけないための布だ。

「本気で、私を“替え”にする気があるなら、あなたの手はもっと安っぽかったはずだわ」

「安っぽい手?」

「触れる前に所有する手。名前より先に形を決める手。私はそういう触れ方に、もう二度と身を任せられない」

「任せるな」

 即答が好きだ。私は欄干から手を離し、自分の胸に触れる。鎖骨の刻印が指の下で柔らかく脈を打つ。彼は視線でそれを追い、目を細めた。

「痛むか」

「疼く。欠片が、呼ばれている気がする」

「欠片は、今夜、真実の半分を思い出した」

「半分?」

「巫女の物語は片面だ。もう片面に、番の物語がある。番は待つ者で、探す者で、――選び直す者だ。選び直すのに、欠片の同意が要る。俺は、お前に同意を求める」

「同意すると、どうなるの」

「俺とお前は、境に立つ。俺が夜を持ち、お前が窓を持つ。俺が風を殺し、お前が風を通す。俺が刃を抜き、お前が鞘を差し出す」

「重い」

「軽くする。二人で持てば、重さは分数になる」

「その計算、嫌いじゃない」

 風が戻ってくる。黒薔薇が耳元でかすかに鳴り、私の髪を揺らす。ヴァルトの外套が、夜のほつれをひとつ拾って落とす。彼は小さく手を差し出し、私は少し遅れて、その手の上に自分の指を置いた。

「“似ていたから探した”。それは事実。刺さらないわけじゃない。刺さったまま、歩くしかない」

「刺さった棘は、動くと痛む。痛む場所は、生きている印だ」

「うん」

「リュシア」

 名前を呼ぶときの、あの小さな間。私はその間に、息を整える。彼は続けた。

「もし、いつか“似ていた誰か”の名前をお前が知りたくなったら、話す。今は、話さない。お前の速度に合わせる」

「今は要らない。今、欲しいのは――」

「真実だな」

「うん。もっと平たい真実。教会の金庫の鍵束の数、アレクシスの印の癖、マルティンの側近の顔ぶれ。歌じゃなくて、数字」

「数字は裏切らない。ただし、数える者は嘘をつく。数える手を増やす」

「ラザロとセラとガルド。それから、聖騎士ロラン」

「聖騎士?」

「彼は“任務”の影に、懐かしさを隠してる。そこに嘘を挟ませない」

「任せる」

 私たちは、同じ景色を見た。夜の器、逆さに流れる星の川、遠くに白い尖塔。そこにいくつも鍵穴があり、いくつも偽の鍵が差し込まれているのが、今でははっきり視える。

「“昔の誰か”を、私は嫉妬しないわ」

「賢い」

「嫉妬するのは、“今の私”が軽んじられたとき」

「軽んじない」

「それを、何度でも確認させて」

「何度でも」

 短い返事が、長い約束より信用できる夜がある。今がそうだ。私は彼の手を握り直す。冬の泉の温度の掌の中心に、小さな火が確かにある。私の指先にも、同じ火が灯る。火は似ていても、同じではない。混ざると色が変わる。

「……ありがとう」

「礼は要らない」

「礼を言わせて」

「聞くだけは聞く」

 私は笑いながら、夜に向かって、息を吐いた。息は白くならないけれど、形が見える。欠片の形。巫女の歌の欠片が、私の骨の中で静かに鳴っている。世界の縫い目の向こうで、誰かが眠り、誰かが目を覚ます音がした。

 黒薔薇の花弁が一枚、冠から外れて、私の肩に落ちた。花弁は温かい。指で摘むと、骨の中の欠片が共鳴して、鎖骨の印が淡く光る。

「今夜は、これで足りる?」

「足りる。……足りないときは、呼ぶ」

「呼ばなくても来る」

「ずるい」

「番は、ずるい」

 私の胸の疼きは、痛みと熱に分解され、熱は筋肉に吸われ、痛みは言葉に変わった。言葉は重ねるほど薄くなり、薄くなるほどよく透ける。

 似ているから探した。
 けれど、今、抱きしめるのは“リュシア”。
 この二行のあいだに、私の生きる余白がある。余白は怖い。けれど、呼吸は余白でしかできない。

 夜はまだ深い。
 私は彼の手を放し、テラスの縁にもう一歩だけ出た。風が髪を撫で、星の川が肩越しに音もなく笑う。
 欠片の真実は、甘くも苦くもない。
 ただ、静かで、ほどけやすい。
 私はその糸口を指でつまみ、ほどきすぎないように、ゆっくりと引いた。
 そして、明日のための頁を、心の中でそっと折った。
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