悪役令嬢と呼ばれた私に裁きを望むならご自由に。ただし、その甘露の罠に沈むのはあなたですわ。

タマ マコト

文字の大きさ
12 / 20

第12話:黒幕の影、グレイオスが近づく

しおりを挟む


 崩れる音がすると、必ず寄ってくるものがある。
 瓦礫を片づける人じゃない。
 瓦礫を拾って、宝石みたいに磨こうとする人だ。

 王太子派閥が揺れた。
 あの夜の手紙、導線、買収の失言。
 噂は王都を駆け、貴族たちは距離を取り、忠誠は薄い紙みたいに剥がれ始めている。

 こういう時に動くのは、正義の人間じゃない。
 “勝てる匂い”を嗅ぎつける人間だ。

 グレイオス・ダルマント。
 策略家。
 貴族でもあり、商人でもあり、政治家でもある。
 立場を着替えるのが上手い男。
 着替えるたびに、顔まで変わるタイプ。

 彼が動いたのは、偶然じゃない。
 偶然に見せるのが、彼の技術だ。

 その日の午後、リシェル・ノワゼルは王都のサロンに招かれていた。
 ここは貴族の茶会――表向きは優雅な交流。
 裏は噂の取引所。
 香りのいい紅茶と、香りの悪い情報が同じテーブルに並ぶ場所だ。

 リシェルは夜色のドレスに、控えめな黒い石の髪飾り。
 いつも通り整った姿で、いつも通り微笑んでいた。
 微笑みは甘い。
 でも甘さは、口に入れた瞬間じゃなく、飲み込んだあとに刺さる。

 エルナは侍女として背後に控えている。
 目は鋭く、顔は無愛想。
 最近、彼女は人混みが嫌いになった。
 尾行の記憶が、影を濃くしてしまったから。

 カイエンは影にいる。
 いるのに見えない位置。
 見えないのに、空気が守られている位置。
 それが彼の居場所だ。

 サロンの主催者が、笑顔でリシェルを迎えた。

「ノワゼル伯爵令嬢、ようこそ。お噂は……ええ、もう本当に、心が痛みます」
 心が痛いと言いながら、目がきらきらしている。
 痛みは物語のスパイスだから。

「ご配慮、感謝いたします」
 リシェルは礼儀正しく返す。
 同情も、崇拝も、受け取らない温度。

 そこへ――男が近づいてきた。

 背が高い。
 銀に近い金髪。
 視線が滑らかで、笑みが上手い。
 上手い笑みは、心を開かせる。
 開いた心から、欲が覗く。

「初めまして、リシェル・ノワゼル嬢」
 男の声は柔らかい。
 柔らかいのに、芯がある。
「グレイオス・ダルマントと申します。あなたに一度、ご挨拶したかった」

 エルナの指先が一瞬だけ動いた。
 “危ない匂い”に反応した時の癖。
 リシェルはそれを見て、扇子をほんの少しだけ揺らす。
 合図。落ち着け、という合図。

「ダルマント卿」
 リシェルは微笑みながら一礼した。
「お名前は存じ上げております。王都で知らぬ者はいませんわ」

「光栄です」
 グレイオスは軽く頭を下げ、すぐに視線を上げる。
 視線を上げるのが早い。
 早い人間は、相手の反応を食べて生きる。

「あなたの噂も、耳にしています」
 グレイオスは穏やかに言う。
「不当な断罪。巧妙な罠。……それでも優雅に立ち続けた令嬢」

 その言葉は甘い。
 褒め言葉の形をしている。
 でも匂いが違う。
 蜜の匂いだ。取り込むための蜜。

 リシェルは笑う。
 受け取ったふりをする笑い。
 でも心は受け取らない。
 受け取らない笑いが、いちばん相手を焦らせる。

「噂というものは、風ですもの」
 リシェルは淡々と言う。
「風に名前をつけても、形は変わりますわ」

「だからこそ、風を操る者が必要です」
 グレイオスはすぐに続けた。
 言葉が滑らかだ。滑らかすぎる。
「あなたは賢い。私はあなたの賢さが好きだ。……私と組めば、誰もあなたを裁けない」

 それは誘いというより、提案の顔をした命令に近い。
 “組めば”の裏に、“組め”がある。

 エルナが唇を噛んだ。
 嫌な甘さ。
 闇組織が使う甘さと似ている。
 褒めて縛って、期待で縛って、断れなくするやつ。

 リシェルは、断らない。
 肯定もしない。
 ただ、礼儀正しく微笑んだ。

「……そうですの」
 たったそれだけ。
 相槌。
 でも空っぽの相槌。
 空っぽの相槌は、人を不安にする。
 不安になった人間は、もっと喋る。

 グレイオスは微笑みを深くした。
 “刺さった”と思ったのだろう。
 刺さってないのに、刺さったと勘違いする。
 その勘違いが、欲を引き出す。

「王太子派閥は崩れる」
 グレイオスは声を落とす。
 秘密の音。
「崩れた瓦礫は、誰かが片づける。だが私は違う。瓦礫を利用して、新しい秩序を作る」

 秩序。
 彼はそれを“支配”と言わない。
 支配は嫌われる。
 秩序は好かれる。
 言葉の衣替えが上手い。

 リシェルは目を細める。
 微笑みは変えない。
 変えないから、相手は“聞いてくれてる”と錯覚する。

「新しい秩序、ですか」
 リシェルはゆっくりと繰り返す。
 繰り返しは、相手を気持ちよくさせる。
 “理解された”と勘違いする。

「そう」
 グレイオスは頷く。
「あなたはその象徴になれる。被害者でありながら、誰より強い。民衆はあなたを求める。貴族はあなたを恐れる」

 エルナが小声でぼそっと言った。
「……勝手に決めんな」
 小声すぎてグレイオスには届かない。
 でもリシェルには届く。

 リシェルは扇子で口元を隠して、微かに笑った。
 味方の反抗は、蜜より甘い。

「象徴って、重いですわね」
 リシェルは淡々と言う。
「私は軽いものが好きですの。風とか、紅茶の湯気とか」

 グレイオスの笑みが、ほんの一瞬だけ歪んだ。
 軽いものが好き、という言い方は、彼の“重い支配”を遠回しに嫌がっている。

 でも彼は気づかないふりをする。
 気づかないふりをする人間は、自分の計画に酔っている。

「軽いものだけでは、世界は動かない」
 グレイオスは優しく諭す口調になる。
 諭す口調は、“上”に立つ口調だ。
「あなたはもう、ただの令嬢ではない。あなたは器だ」

 器。
 その言葉は甘いようで、冷たい。
 人を人ではなく“入れ物”にする言葉。

 リシェルの微笑みは、変わらない。
 けれど瞳の奥の温度が、ひとつ下がった。

「器、ですか」
「そう。君は私の器だ」
 グレイオスはさらりと言った。
 さらりと言ったからこそ、傲慢が滲む。
「君の優雅さと、君の知性と、君の“黒”は、私の秩序にふさわしい」

 エルナが今度ははっきりと眉を吊り上げた。
 拳が握られる。
 過去の闇組織の言い方と同じだ。
 “お前は道具”という言い方。
 それを上品な言葉で包んだだけ。

 カイエンの気配が、ほんの少しだけ濃くなる。
 影が刃を研ぐ匂い。
 でも彼は動かない。
 動けば、相手の思うつぼになるからだ。

 リシェルは、断らない。
 否定もしない。
 ただ、相手に喋らせる。

 彼女は微笑み、ほんの少し首を傾げた。

「……ダルマント卿は」
 リシェルはゆっくり訊く。
「私を裁かない、とおっしゃいましたね」

「裁かない。守る」
 グレイオスは即答した。
「君を裁ける者など、私が許さない」

 許さない。
 その言葉は、守りの顔をした支配だ。
 守ると言いながら、決定権を奪う。
 そういう男の匂い。

 リシェルは、その匂いを吸い込んで、甘く微笑んだ。
 蜜の匂い。
 でも彼女の蜜は毒を含む。
 毒は今、まだ垂らさない。
 相手がもっと喋って、もっと自分で穴を掘るまで待つ。

「……素敵ですわ」
 リシェルは言った。
 素敵、という言葉が空っぽだと、彼は気づかない。

 グレイオスの目が細くなる。
 喜びの目。
 勝った気になる目。

「君は理解が早い」
 彼は満足げに言った。
「だから私は君が欲しい。……王太子が崩れた後、混乱が起きる。民衆は新しい光を求める。そこで君が立てば、世界は――」

 グレイオスは語る。
 語れば語るほど、欲が出る。
 欲が出れば、隙が出る。
 隙が出れば、破滅の種になる。

 彼は気づかない。
 今自分が、自分の野望を、他人の耳に丁寧に置いていることに。

 リシェルはただ微笑み、相槌を打つ。
 相槌は甘い。
 甘いから、彼はもっと喋る。

「君は、私の秩序の女王になれる」
 グレイオスの声が、陶酔に濡れる。
「君が微笑めば、誰も逆らえない。君が黙れば、誰も言い訳できない」

 リシェルは一瞬だけ、まぶたを落とした。
 その瞬きは短い。
 でもその短さに、“拒絶”が含まれている。

 ――あなたは私を理解していない。
 ――私は誰の秩序にもなりたくない。
 ――私は鎖が嫌いなの。

 けれど彼女はそれを口にしない。
 口にした瞬間、彼の甘い言葉の舞台に乗ってしまうから。

 代わりに、礼儀正しく微笑む。

「……今夜は、良いお話をありがとうございました」
 それは終わらせる言葉。
 でも拒絶じゃない。
 拒絶じゃないふりをすることで、相手を油断させる。

 グレイオスは満足げに頷いた。

「また会おう、リシェル嬢」
 彼は手を取ろうとする。
 リシェルは一歩だけ、自然に距離を取った。
 距離を取るのが優雅すぎて、拒絶に見えない。

 グレイオスは気づかない。
 気づかないまま、甘い笑みを残して去っていく。

 彼が去った瞬間、エルナが吐き捨てるように言った。

「……あいつ、無理」
「わかる」
 リシェルは小さく笑った。
「でも、いいわ。よく喋ってくれた」

「なんで止めなかったの?」
「止めたら、彼は黙る。黙ると厄介よ」
 リシェルは淡々と言う。
「喋る人間は、自分で穴を掘る。穴を掘った場所は、星が覚える」

 カイエンが静かに言った。

「……危険な男です」
「ええ」
 リシェルは微笑む。
「だから近づいたの。危険は、近くで見た方が形がわかる」

 エルナが眉をひそめる。

「近づくのが怖くないの?」
「怖いわよ」
 リシェルはさらりと答えた。
「でも怖いからこそ、私の方から距離を測るの。測らないと、いつの間にか鎖が巻きつく」

 カイエンは頷く。
 影の騎士は、鎖の音に敏感だ。

 リシェルは扇子を閉じた。
 ぱち、と小さな音。
 その音は、“次の段階”の合図みたいに静かだった。

 グレイオスは気づかない。
 自分の甘さに酔っているから。
 「君は私の器だ」と言った傲慢が、すでに破滅の種だと気づかない。

 種は、土に埋めなくても芽を出す。
 欲という土が、そこらじゅうにあるから。

 そしてリシェルは、その芽が出る瞬間を、甘い沈黙で待つ。
 蜜の黒は、毒を急がない。
 毒は、最後に一滴でいい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね

星井ゆの花(星里有乃)
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』 悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。 地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……? * この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。 * 2025年12月06日、番外編の投稿開始しました。

聖女を追放した国が滅びかけ、今さら戻ってこいは遅い

タマ マコト
ファンタジー
聖女リディアは国と民のために全てを捧げてきたのに、王太子ユリウスと伯爵令嬢エリシアの陰謀によって“無能”と断じられ、婚約も地位も奪われる。 さらに追放の夜、護衛に偽装した兵たちに命まで狙われ、雨の森で倒れ込む。 絶望の淵で彼女を救ったのは、隣国ノルディアの騎士団。 暖かな場所に運ばれたリディアは、初めて“聖女ではなく、一人の人間として扱われる優しさ”に触れ、自分がどれほど疲れ、傷ついていたかを思い知る。 そして彼女と祖国の運命は、この瞬間から静かにすれ違い始める。

婚約破棄された聖女様たちは、それぞれ自由と幸せを掴む

青の雀
ファンタジー
捨て子だったキャサリンは、孤児院に育てられたが、5歳の頃洗礼を受けた際に聖女認定されてしまう。 12歳の時、公爵家に養女に出され、王太子殿下の婚約者に治まるが、平民で孤児であったため毛嫌いされ、王太子は禁忌の聖女召喚を行ってしまう。 邪魔になったキャサリンは、偽聖女の汚名を着せられ、処刑される寸前、転移魔法と浮遊魔法を使い、逃げ出してしまう。 、

【完結】全てを後悔しても、もう遅いですのよ。

アノマロカリス
恋愛
私の名前はレイラ・カストゥール侯爵令嬢で16歳。 この国である、レントグレマール王国の聖女を務めております。 生まれつき膨大な魔力を持って生まれた私は、侯爵家では異端の存在として扱われて来ました。 そんな私は少しでも両親の役に立って振り向いて欲しかったのですが… 両親は私に関心が無く、翌年に生まれたライラに全ての関心が行き…私はいない者として扱われました。 そして時が過ぎて… 私は聖女として王国で役に立っている頃、両親から見放された私ですが… レントグレマール王国の第一王子のカリオス王子との婚姻が決まりました。 これで少しは両親も…と考えておりましたが、両親の取った行動は…私の代わりに溺愛する妹を王子と婚姻させる為に動き、私に捏造した濡れ衣を着せて婚約破棄をさせました。 私は…別にカリオス王子との婚姻を望んでいた訳ではありませんので別に怒ってはいないのですが、怒っているのは捏造された内容でした。 私が6歳の時のレントグレマール王国は、色々と厄災が付き纏っていたので快適な暮らしをさせる為に結界を張ったのですが… そんな物は存在しないと言われました。 そうですか…それが答えなんですね? なら、後悔なさって下さいね。

悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。

潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。

婚約者を奪われるのは運命ですか?

ぽんぽこ狸
恋愛
 転生者であるエリアナは、婚約者のカイルと聖女ベルティーナが仲睦まじげに横並びで座っている様子に表情を硬くしていた。  そしてカイルは、エリアナが今までカイルに指一本触れさせなかったことを引き合いに婚約破棄を申し出てきた。  終始イチャイチャしている彼らを腹立たしく思いながらも、了承できないと伝えると「ヤれない女には意味がない」ときっぱり言われ、エリアナは産まれて十五年寄り添ってきた婚約者を失うことになった。  自身の屋敷に帰ると、転生者であるエリアナをよく思っていない兄に絡まれ、感情のままに荷物を纏めて従者たちと屋敷を出た。  頭の中には「こうなる運命だったのよ」というベルティーナの言葉が反芻される。  そう言われてしまうと、エリアナには”やはり”そうなのかと思ってしまう理由があったのだった。  こちらの作品は第18回恋愛小説大賞にエントリーさせていただいております。よろしければ投票ボタンをぽちっと押していただけますと、大変うれしいです。

偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて

奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】 ※ヒロインがアンハッピーエンドです。  痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。  爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。  執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。  だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。  ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。  広場を埋め尽くす、人。  ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。  この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。  そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。  わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。  国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。  今日は、二人の婚姻の日だったはず。  婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。  王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。 『ごめんなさい』  歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。  無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。

【完結】聖女と結婚ですか? どうぞご自由に 〜婚約破棄後の私は魔王の溺愛を受ける〜

綾雅(りょうが)今年は7冊!
恋愛
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264) 「アゼリア・フォン・ホーヘーマイヤー、俺はお前との婚約を破棄する!」 「王太子殿下、我が家名はヘーファーマイアーですわ」  公爵令嬢アゼリアは、婚約者である王太子ヨーゼフに婚約破棄を突きつけられた。それも家名の間違い付きで。  理由は聖女エルザと結婚するためだという。人々の視線が集まる夜会でやらかした王太子に、彼女は満面の笑みで婚約関係を解消した。  王太子殿下――あなたが選んだ聖女様の意味をご存知なの? 美しいアゼリアを手放したことで、国は傾いていくが、王太子はいつ己の失態に気づけるのか。自由に羽ばたくアゼリアは、魔王の溺愛の中で幸せを掴む!  頭のゆるい王太子をぎゃふんと言わせる「ざまぁ」展開ありの、ハッピーエンド。 ※2022/05/10  「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過 ※2021/08/16  「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過 ※2021/01/30  完結 【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう

処理中です...