俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん

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第22話 靴擦れと国境

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「京姉、言ってくれたら良かったのに…」

「私、リヒトくんに迷惑かけてばかりだから…だけどゴメンね」

俺はやっぱり駄目だ。

冒険者パーティに居たから『普通』が狂っていたんだ。

京姉の足には靴擦れが出来ていた。

京姉はそれを隠して歩いていた。

「京姉は軽いから気にならないよ…勇者パーティの時の荷物持ちは俺だったから」

まぁこれは嘘だ。

収納袋に入れていたから持つことはない。

だけど、鍛えているから軽いし、ずうっとおんぶしていても問題はない…

「リヒトくん…荷物扱いは酷いよ」

「正確には宝物だけどね…」

俺にとって京姉は宝物だし、それにおんぶしていると背中に京姉を感じられて凄く安心する。

好きな人の熱や重みを直接感じるのは凄く心地よい。

他にも、胸の感触やお尻の感触が伝わってくる…役得もある。

「そう…私って宝物なんだ」

そう言うと京姉のしがみ付く手が強くなった。

ただ、おんぶして歩いているだけだけど…こんな普通の時間ですら楽しく感じる。

「そうだよ…同じ重さのダイヤでも絶対に交換なんてしない、その位大切な人だもん」

「そう?!」

京姉の体温が上がった気がする。

心臓の音もトクントクンと微妙に早くなっている気がする。

「…」

「しかし、リヒトくんは本当に男の子だね…肩幅も広いし凄くがっしりしていているね…凄く頼もしい背中に感じるよ」

「そう、まぁもう子供じゃないし…大人だからね」

「うん、少し前まで子供だと思っていたのに…こんなに大きくなっていたなんて男の子って凄く成長が早いんだね」

確かに俺が京姉に出会った時は子供だから…そうだな。

俺は京姉を助けたくても助けられないもどかしさから早く大人になりたかった。

しかし、今は違う。

京姉が居るから毎日が楽しい。

散々、早く時間が経てば良いのに、そう思っていたのに…

今はもっとゆっくりと時間が過ぎれば良いのに、そう思ってしまう。
「まぁ成長期だからね…もう少ししたら国境だよ、そこから先は聖教国ホーリーの地になる。国を跨ぐし魔族の影響は少なくなる。その先に交易の街があるから、そこで少しバカンスを楽しもうか?」

「バカンス?」

「うん…聖教国には海があるから、色々観光して、美味しい海鮮を食べよう」

「そう言えば、海があるんだっけ? 私見た事無いから楽しみーっ、お魚も美味しいんだよね?」

「凄く美味しいよ…魚が新鮮で生で食べられるんだ」

「お魚って生でも食べられるの? 美味しいのかな?」

「解らないけど美味しいと思うよ!京姉の足の事もあるし…お金も少し余裕があるから、此処まで強行軍できたんだから、少しゆっくりしよう…温泉もあるみたいだから、それも楽しんじゃおう」

「温泉まであるんだ…夢みたい、凄いね、でも良いの?」

「今までお互い苦労したから、この辺りで少し楽しんでも良いんじゃないのかな?」

「そうだね…うん、楽しんじゃおう…それでリヒトくん、なんで私のお尻を持つ手が強くなったのかな?」

「それは気のせいだよ」

「本当かな?」

いや、海で水着を想像し…温泉で混浴を想像した…

「ゴメン、京姉の水着姿と混浴を想像した…ゴメン」

「水着は解らないけど、混浴位はどうって事ないんじゃないかな? もっと凄い事していると思うんだけど…ああっそうか? 確かに此処の所ご無沙汰だったよね…うんうん、それじゃ街についたら、そっちの方も…その頑張るよ」

「うん…楽しみ」

「全くリヒトくんも随分エッチになっちゃったね…」

「京姉だけだから…」

「それなら良いよ…きゃぁぁぁーー急に走らないでよ」

「待ち遠しくて」

「あはははっリヒトくん凄く速いね…まるでお馬さんに乗っているみたい」

「俺結構足早いんだよ…それじゃ行くよー」

「うん」

海も温泉も海鮮も『京姉』が居なくちゃ、楽しくも美味しくも絶対にないな。
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