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教皇SIDE 信仰という名の狂気 (始まり)
しおりを挟むリヒト殿ですか…
勇者カイト様や聖女フリージア様が、通信水晶まで持ち出すから如何な人物か調べたら…なんともまぁ非凡な人物だった。
勇者パーティに次ぐ実力を持つ S級冒険者。
魔法剣士は四職にこそ劣るが充分凄いジョブだ。
考え方を変えれば『勇者パーティ』以外の人間の中で女神に愛されている…そう取れる人間に思えます。
過去の書類を見れば解かります。
解りやすい書類、キッチリした計算に企画書。
正に非の打ち所がない人間ですね。
評判も悪くない。
勇者カイト様より、勇者らしい人物…まさに清廉潔白です。
私としても『勇者パーティ』の傍に居て欲しい人物ですね。
若気の至りだったのか…そんなリヒト殿をカイト様は追い出した。
理由はハーレムを作りたいから…まぁ本当に子供です…
ですが、それを意に介さずに円満に離隊…
これで、本来なら終わる筈だった。
だが、リヒト殿が居なくなり、旅が上手くいかなくなったカイト様達勇者パーティが…戻して欲しいと願い出てきたわけです。
さて、どうするかです…
手続きも問題なく終わっています、国もギルドにもしっかり届け出が出て言います。
これで、正攻法で戻す事は出来ませんね。
その後は故郷に戻り、1人の不幸な女性を勇者様の親から買いとり、共に暮らし始めました。
可笑しな事はエリクサール1本を持ち去った事ですが、これも詐欺みたいな話ですが…言葉を選んでいますね…
記録を見ました。
流石に、貴重なエリクサールの持ち出し記録石位使います。
『勇者にとっても大切な方の一大事、もし出し渋って、大変な事になったら責任を取って貰う事になる…急いでくれないか』
確かに彼女は勇者カイト様の後妻とはいえ『母』もし追及しても
『俺はそう判断しました』で押し切られる可能性があります。
とんでもない人間です。
これで15歳…素晴らしい。
さて、勇者様達と約束した事ですし、動くとしますか…
これで、勇者様や聖女様に寄生する汚物も払拭できます。
「ローアン…聖騎士を1個連隊程、貴方が率いて『異教徒』を狩ってきて頂けませんか? 女子供まで1人として生かしておいてはなりませんよ」
「どう言った事でしょうか?」
「ローアン…これは勇者様の願望を叶える為に必要な事なのです…実は…」
私はローアンにプランをお話しました。
「成程、勇者様と聖女様からの依頼…それに、勇者様達についている醜い寄生虫の排除もそろそろ考えた方が良い時期でしたな」
「ええっ」
「このローアンにお任せ下さい『異教徒』は1匹残らず葬ってきます」
「頼みましたよ」
まずは交渉材料作り…そこからですね。
信仰という名の狂気が動き出した。
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