【完結】婚約破棄はいいですよ?ただ…貴方達に言いたいことがある方々がおられるみたいなので、それをしっかり聞いて下さいね?

水江 蓮

文字の大きさ
16 / 67

16

しおりを挟む
「アリア嬢、ここまで正確且つ適切な報告書を提出して下さったことにまず感謝を。」

裁判長様は、私に頭を下げられます。
裁判長様は色々深読みされているようですが、私は自分の身の安全の為に影を付けただけなので、礼など本当は不要なのです。

「ここまでの調査結果また各々証言を聞き、第3王子が多くの罪に関与している可能性が出てきました。近衛兵、今すぐ第3王子を牢へ。第3王子の罪については後の裁判にて判決を下すこととする。」

裁判長様はしっかりと前を向き宣言されました。
彼のような権力に屈しない方がこの国におられる限り、きっとまたやり直す事ができるでしょう。

第3王子は、「高貴な俺に触るな」とか「俺が王になればお前らは死刑に処す」などと色々言われておりますが、近衛兵により軽々と連行されていきました。
全ての訓練をサボっておられたのですから…仕方が無いですよね?
「俺流のやり方がある!」って言われてましたが…近衛兵に軽くあしらわれている俺流とは一体なんなのでしょう?

「アリア嬢、貴方を罰することは全て無くなりました。つまり貴方は無罪となります。婚約破棄は、第3王子様の日頃の行いから見ても、破棄すべきだとおもいます。しかし、国外追放に関しては罪がないので…撤回したいのですが…。」

五月蝿い元婚約者様が退出されてから、裁判長様は私に恐る恐る私に言われました。

確かに罪のない人間を国外追放なんて普通ありえませんよね?

でも、私はこの国を捨てたいのです。

国外追放バンザイなのです。
なので、私は裁判長様に言いました。

「私は裁判の冒頭で、承りましたと言ったはずです。婚約破棄し、この国から出ていきます。」

「罪はないのにですか?」

「えぇ。罪が無いのですから、私の名前に傷は付きません。それに私行きたい国があるんですよ。」

「行きたい国?」

「はい。私は、隣国へ行きます。この国で私がすべきこと、約束した事は終わりましたので、これで終わりです。」

私の発言を聞き、裁判長様は首を傾げました。

「貴方にも家族がおられますよね?その家族に対してどう思われているんですか?もしかして、家族と共に隣国へ行かれるのですか?」

裁判長様の質問は最もです。
家族が…本当に私を愛してくださっていればの話ですが…。

「両親は…いえ、両親含め家族達は、今回の事件の後私の言い分も聞かずに私を切り捨てました。きっと、国王陛下の元には離縁の手続きの紙が届いているはずです。国王陛下は、今牢におられるので、確認は出来ませんが私に家族と呼べる人はいなくなったのは確実です。」

裁判長様は、息を飲まれます。
普通なら、話を聞いて少しでも娘に手を差し伸べますものね。
そう…普通なら…。
彼らにとっては、私は駒でしかありませんでした。
なので、婚約破棄された時点で捨てられたのです。
王族との縁をなくしたお前は不要だと…。

裁判長様達は、とても辛そうな顔をされています。
すみません、うちの親がやらかしまして…。
うちの親、いえ家族は自分達の得になることしか考えてないので…。
悲しげな裁判長様に私は声をかけます。


「裁判長様、私は牢に入れられている間全てが無駄ではなかったと思っております。」

「それは牢に入れられて何かを得たと?」

「はい。私自身誰を本当に信じていいのか判断が付きませんでした。しかし、牢に入っている間に、本当に私を思ってくれている方、助けようとしてくださってる方が分かりました。私の両親は勿論来ませんでしたが、私の両親の目を盗んで…または休みの日にこっそりと私の元に足を運んでくれた方々がおられます。私は彼らを信じて、新しい1歩を踏み出したいのです。なので、新天地で私と私の信じるもの達が生きていけるように少し手助けをして下さいませんか?」

これはある意味賭けでした。
私がこの国から逃げるために…そして信用できる者たちを守るために…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします

タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。 悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

親友面した女の巻き添えで死に、転生先は親友?が希望した乙女ゲーム世界!?転生してまでヒロイン(お前)の親友なんかやってられるかっ!!

音無砂月
ファンタジー
親友面してくる金持ちの令嬢マヤに巻き込まれて死んだミキ 生まれ変わった世界はマヤがはまっていた乙女ゲーム『王女アイルはヤンデレ男に溺愛される』の世界 ミキはそこで親友である王女の親友ポジション、レイファ・ミラノ公爵令嬢に転生 一緒に死んだマヤは王女アイルに転生 「また一緒だねミキちゃん♡」 ふざけるなーと絶叫したいミキだけど立ちはだかる身分の差 アイルに転生したマヤに振り回せながら自分の幸せを掴む為にレイファ。極力、乙女ゲームに関わりたくないが、なぜか攻略対象者たちはヒロインであるアイルではなくレイファに好意を寄せてくる。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

お言葉ですが今さらです

MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。 次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。 しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。 アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。 失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。 そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。 お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。 内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。 他社サイト様投稿済み。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...