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番外編 宰相side
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こうなった…。
私の計画は全て上手くいっていたはずだった。
何より何故あの小娘はあんなに元気なんだ!?
牢で食事を摂っていなかったはずなのに…。
毎回手付かずの食事が戻ってきていることを確認したはずなのに…。
それにあの小娘の魔術はなんだったんだ?
見たことがない魔術。
初めは幻術かと思ったが、それにしては的確に情報を仕入れ過ぎていた。
宰相は1人牢で頭を抱えていた。
牢といっても彼が入れられたのは一般牢。
貴人牢の様なベットやお風呂はない。
土床に藁の敷物が置いてあるだけ。
トイレもこの小さな牢の中にあるため匂いも酷い。
「何故だ!!この国の宰相である私が何故ここに入らなければならないんだ!」
私が、牢屋番にいくら叫んでも彼らは
「私たちは上に従っただけなので知りません。」
その言葉しか返ってこない。
この牢屋番は、その言葉しか喋れないのかと苛立っていた時だった。
『お前はまだ自分の罪を認めてなかったんだな。ここまで馬鹿だと哀れにも思うよ。』
私の目の前に現れたのは、裁判で証言した憎き過去の部下オールドだった。
『ここに入れられたのは、お前の罪が多過ぎて貴人牢に入れる訳にはいかなくなったんだよ。』
「な、なんだと!この私は宰相だぞ!」
『宰相ねぇ…。もうお前は元宰相で、元貴族だぞ?』
何が起こっているのか分からない。
何故元宰相で元貴族なんだ?
『お前の着服額がとんでもなくてな。全財産を差し押さえても足りなかったから、爵位返上で領地も国に返すことで一応お許しが出たんだよ。本来ならお前を働かせて返させたかった所だが、お前を処刑にとの民衆の声が大きくてな。良かったな。一瞬で死ねるようだぞ?ただ死ぬ時はの話な?死ぬ前にいくつかの拷問は決まったみたいだから楽しみにしてたらいい。』
私はもう震える事しかできなかった。
あんなに溜め込んだお金が全て取り押さえられただと?
拷問の上死刑だと?
いや、待て…家族は!?
家族はどうなったんだ?
もうすぐ子供が産まれてくるのに会うこともできないのか?
それに妻は、この処分を黙って受け入れたのか?
「つ、妻はどうしているんだ?」
私に情報をくれるのはもうオールドしかいないため、仕方がなくオールドに尋ねる事にした。
オールドからの返答は、悲しい現実だった。
『奥さんなら助けてくれるとか思ってた?身重だし愛してくれると?嘆願書とか出してくれると期待してた?はっ!有り得ないね。お前が牢に入ってすぐに離婚したいと王太子殿下にお願いされていたよ。仕事が大変だ、今日も残業だって言いながら娼館で遊んでたんだもんな。そんな旦那いらないよな。その後の奥さんは実家にでも戻ったんじゃない?そこまで詳しくは俺も知らない。興味もないからな。めでたくお前は平民の独り者だ。家もない、土地もない、権力もない、家族もない。今までお前が自慢していたもの、その全てを失ったんだよ。さて、お前の話し相手になりにきた訳じゃないんだよ。俺たちからの最期のプレゼントだ。』
そう言って、オールドは私の頭に手をかざし何かを私の中に入れた。
『ちょっと姫さんに頼んで作ってもらったんだ。お前すぐに意識失うから拷問してもすぐ終わりそうだからな。いまお前中に入れたのは、気を失えないように途中で気が狂わないようにするものだ。これなら存分に楽しめるだろ?じゃあ、俺の仕事は終わったから。もう二度と会うことはないだろう。今度こそ永遠にお別れだ。』
それを言い残すとオールドは消えた。
私に残されたのは絶望だけになった。
もう二度とかえれない輝かしい世界。
あんなに欲していたものはもう私には残されていない。
全てを失い、いっその事気を狂わせることができたなら楽なのに…それすら許されない。
こうして、元宰相だったものは激しい拷問の末処刑されこの世から去ったのだった。
そしてその死を悲しむものは1人もいなかったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
実は宰相様の奥様も妊娠しておりました。
騎士団長様のお子様と性別が違ったら婚約させようと話をしていたぐらいです。
子供達が被害に合う前に今回の事件が起こってるよかったですね。
私の計画は全て上手くいっていたはずだった。
何より何故あの小娘はあんなに元気なんだ!?
牢で食事を摂っていなかったはずなのに…。
毎回手付かずの食事が戻ってきていることを確認したはずなのに…。
それにあの小娘の魔術はなんだったんだ?
見たことがない魔術。
初めは幻術かと思ったが、それにしては的確に情報を仕入れ過ぎていた。
宰相は1人牢で頭を抱えていた。
牢といっても彼が入れられたのは一般牢。
貴人牢の様なベットやお風呂はない。
土床に藁の敷物が置いてあるだけ。
トイレもこの小さな牢の中にあるため匂いも酷い。
「何故だ!!この国の宰相である私が何故ここに入らなければならないんだ!」
私が、牢屋番にいくら叫んでも彼らは
「私たちは上に従っただけなので知りません。」
その言葉しか返ってこない。
この牢屋番は、その言葉しか喋れないのかと苛立っていた時だった。
『お前はまだ自分の罪を認めてなかったんだな。ここまで馬鹿だと哀れにも思うよ。』
私の目の前に現れたのは、裁判で証言した憎き過去の部下オールドだった。
『ここに入れられたのは、お前の罪が多過ぎて貴人牢に入れる訳にはいかなくなったんだよ。』
「な、なんだと!この私は宰相だぞ!」
『宰相ねぇ…。もうお前は元宰相で、元貴族だぞ?』
何が起こっているのか分からない。
何故元宰相で元貴族なんだ?
『お前の着服額がとんでもなくてな。全財産を差し押さえても足りなかったから、爵位返上で領地も国に返すことで一応お許しが出たんだよ。本来ならお前を働かせて返させたかった所だが、お前を処刑にとの民衆の声が大きくてな。良かったな。一瞬で死ねるようだぞ?ただ死ぬ時はの話な?死ぬ前にいくつかの拷問は決まったみたいだから楽しみにしてたらいい。』
私はもう震える事しかできなかった。
あんなに溜め込んだお金が全て取り押さえられただと?
拷問の上死刑だと?
いや、待て…家族は!?
家族はどうなったんだ?
もうすぐ子供が産まれてくるのに会うこともできないのか?
それに妻は、この処分を黙って受け入れたのか?
「つ、妻はどうしているんだ?」
私に情報をくれるのはもうオールドしかいないため、仕方がなくオールドに尋ねる事にした。
オールドからの返答は、悲しい現実だった。
『奥さんなら助けてくれるとか思ってた?身重だし愛してくれると?嘆願書とか出してくれると期待してた?はっ!有り得ないね。お前が牢に入ってすぐに離婚したいと王太子殿下にお願いされていたよ。仕事が大変だ、今日も残業だって言いながら娼館で遊んでたんだもんな。そんな旦那いらないよな。その後の奥さんは実家にでも戻ったんじゃない?そこまで詳しくは俺も知らない。興味もないからな。めでたくお前は平民の独り者だ。家もない、土地もない、権力もない、家族もない。今までお前が自慢していたもの、その全てを失ったんだよ。さて、お前の話し相手になりにきた訳じゃないんだよ。俺たちからの最期のプレゼントだ。』
そう言って、オールドは私の頭に手をかざし何かを私の中に入れた。
『ちょっと姫さんに頼んで作ってもらったんだ。お前すぐに意識失うから拷問してもすぐ終わりそうだからな。いまお前中に入れたのは、気を失えないように途中で気が狂わないようにするものだ。これなら存分に楽しめるだろ?じゃあ、俺の仕事は終わったから。もう二度と会うことはないだろう。今度こそ永遠にお別れだ。』
それを言い残すとオールドは消えた。
私に残されたのは絶望だけになった。
もう二度とかえれない輝かしい世界。
あんなに欲していたものはもう私には残されていない。
全てを失い、いっその事気を狂わせることができたなら楽なのに…それすら許されない。
こうして、元宰相だったものは激しい拷問の末処刑されこの世から去ったのだった。
そしてその死を悲しむものは1人もいなかったのだった。
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実は宰相様の奥様も妊娠しておりました。
騎士団長様のお子様と性別が違ったら婚約させようと話をしていたぐらいです。
子供達が被害に合う前に今回の事件が起こってるよかったですね。
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