【完結】何でも欲しがる妹?お姉様が飽き性なだけですよね?

水江 蓮

文字の大きさ
73 / 81

73

しおりを挟む
無事にお兄様達へのプレゼントも買えた私達はカフェで一息ついていた。

「昨日の今日だから落ち込んでいるんじゃないかと心配したけど元気そうで良かった!」

「ありがとうサイラス。昨日サイラスもあの場にいたんだよね?」

「これでも一応貴族だからな。最後まで見たよ。お前は偉かった。頑張ったな。」

サイラスはそういうと私の頭を撫でてくれた。
昨日泣いてもう涙が出ることはないと思っていたのに、サイラスの優しさに触れてまた溢れてきてしまった。

「サイラス…ご、ごめん。泣くつもりなかったの…。自分でも…もう平気だと思っていたんだけど…サイラスが優しいから…。」

「いいよ。泣き止むまで付き合うから。大変だったもんな。よく耐えたよアンリは。」

「ありがとう…。」

私が礼を言うとサイラスは自分の頭をくしゃくしゃと掻き乱した後、私に真剣な目を向けた。

「こんな時に言うのは狡いって自分でも分かっているけど、言わせてくれ。俺はアンリと新しい家族になりたいと思っている。今すぐでなくていい。あんな家で苦しんだアンリが安らげるような、毎日笑顔で過ごせるような家庭を作りたいんだ。いや、本当にごめん。俺の願望ばかり押し付けて…しかも泣いてる時に…ごめん。でも俺ならもうアンリを泣かせないから!それだけは伝えさせてくれ。あぁ!!本当にごめん!今じゃないよな?今言っちゃダメなタイミングだったよな?まぁ、気長に待つから考えてくれたら嬉しいデス…。」

サイラスが赤い顔で、身振り手振り慌てて話すものだからアンリは笑ってしまった。

「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。ありがとう。私ね、今はトパゾライト公爵家でお世話になっているけどいつかは自分の家族を持ちたいって思っているの。それはさっきサイラスが言ったみたいな暖かい家庭なの。まだ学生だし、今すぐって話じゃないけど…私はサイラスとのお付き合いを前向きに考えたいと思ってます…。これ本当に照れるね…。」

お互い照れて無言で紅茶を飲んでいるとそこにエマの咳払いが聞こえてきた。

あ、エマの存在忘れてた…。
やっちゃった…。

「お二人の気持ちが通じあって本当に良かったと思います。今後の事もありますし、本日旦那様にお伝えしようと思うのですがよろしいでしょうか?」

「待て待て!エマ!お父様今かなり忙しい時期だよね?」

「そうですね。人員不足だと聞いております。」

「なら今は言うのやめておこう?迷惑かけてしまうから…。」

「いえ、逆に伝えるなら今です。この事を伝えない方が迷惑になる可能性が高いと思われます。」

「なんで?」

本当になんで?
断罪されたカルサイト元侯爵家の一員だった私に興味を持つ人などサイラスぐらいでしょう?
あ、レオポルト殿下もいたか!

「今現在お嬢様に沢山の釣書が届いています。没落を免れたい貴族等が必死になって食らいついてきているのもありますが、レオポルト殿下等の王族または高位貴族からの申し出も多いのです。既に決まった相手がいると伝えた方が旦那様も断りやすいでしょう。元々旦那様は婚約者はお嬢様の好きにして良いと仰ってましたし、以前よりお嬢様がサイラス様の事が気になっているのは皆気づいておりました。もうさっさとくっついてください。」

エマさん!?ちょっと待って!?
私よりも先に私の気持ちについて皆が把握してたの!?
え?
私そんなに前から!?
なんで!?
私そんなに分かりやすかった!?


うわぁー!!
恥ずかしい!!
どこかに隠れたいよ!!!
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

奪う人たちは放っておいて私はお菓子を焼きます

タマ マコト
ファンタジー
伯爵家の次女クラリス・フォン・ブランディエは、姉ヴィオレッタと常に比較され、「控えめでいなさい」と言われ続けて育った。やがて姉の縁談を機に、母ベアトリスの価値観の中では自分が永遠に“引き立て役”でしかないと悟ったクラリスは、父が遺した領都の家を頼りに自ら家を出る。 領都の端でひとり焼き菓子を焼き始めた彼女は、午後の光が差す小さな店『午後の窓』を開く。そこへ、紅茶の香りに異様に敏感な謎の青年が現れる。名も素性も明かさぬまま、ただ菓子の味を静かに言い当てる彼との出会いが、クラリスの新しい人生をゆっくりと動かし始める。 奪い合う世界から離れ、比較されない場所で生きると決めた少女の、静かな再出発の物語。

悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」  わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。  響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。  わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。  冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。  どうして。  誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。

「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」

イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。 ある日、夢をみた。 この国の未来を。 それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。 彼は言う。 愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?

両親に溺愛されて育った妹の顛末

葉柚
恋愛
皇太子妃になるためにと厳しく育てられた私、エミリアとは違い、本来私に与えられるはずだった両親からの愛までも注ぎ込まれて溺愛され育てられた妹のオフィーリア。 オフィーリアは両親からの過剰な愛を受けて愛らしく育ったが、過剰な愛を受けて育ったために次第に世界は自分のためにあると勘違いするようになってしまい……。 「お姉さまはずるいわ。皇太子妃になっていずれはこの国の妃になるのでしょう?」 「私も、この国の頂点に立つ女性になりたいわ。」 「ねえ、お姉さま。私の方が皇太子妃に相応しいと思うの。代わってくださらない?」 妹の要求は徐々にエスカレートしていき、最後には……。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

留学してたら、愚昧がやらかした件。

庭にハニワ
ファンタジー
バカだアホだ、と思っちゃいたが、本当に愚かしい妹。老害と化した祖父母に甘やかし放題されて、聖女気取りで日々暮らしてるらしい。どうしてくれよう……。 R−15は基本です。

妹の身代わりに殺戮の王太子に嫁がされた忌み子王女、実は妖精の愛し子でした。嫁ぎ先でじゃがいもを育てていたら、殿下の溺愛が始まりました・長編版

まほりろ
恋愛
 国王の愛人の娘であるアリアベルタは、母親の死後、王宮内で放置されていた。  食事は一日に一回、カビたパンやまふ腐った果物、生のじゃがいもなどが届くだけだった。  しかしアリアベルタはそれでもなんとか暮らしていた。  アリアベルタの母親は妖精の村の出身で、彼女には妖精がついていたのだ。  その妖精はアリアベルタに引き継がれ、彼女に加護の力を与えてくれていた。  ある日、数年ぶりに国王に呼び出されたアリアベルタは、異母妹の代わりに殺戮の王子と二つ名のある隣国の王太子に嫁ぐことになり……。 「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。 ※中編を大幅に改稿し、長編化しました。2025年1月20日 ※長編版と差し替えました。2025年7月2日 ※コミカライズ化が決定しました。商業化した際はアルファポリス版は非公開に致します。

処理中です...