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偶然の出来事
しおりを挟む碧い海のような空に、ビルのシルエットが浮かぶ。ぽつりぽつりと点滅する明かりで、夜景を空から切り取ったのだとわかる。
夜の街で人がうごめき、言い争いになり、事件がおきる。そこに登場するのが、人気俳優 鷹峰柊也。
あの日着ていたスーツも、海外ブランドらしく、均整のとれた体に馴染んでいる。
「やーこう見るとカッコイイよね。スーツはある程度ガタイが良くなくちゃ似合わないから。あの日は、ファンに囲まれてて、良く見えなかったけど、イケメンだよね」
ふわふわと酔いが回って気分が良くなっていた。良いお酒はオイシイ。
遥香も顔には出ないものの、早いペースでグラスを空けていく。
「ファンのモラルがなってないけど…人気があるの、わかるわ」
だけど場面が変わって、アタシは見てしまった。
忘れたくても忘れられない、幻だとしたら苦しくて、また会いたくてたまらない彼の姿を。
『わかりました。すぐに検査にまわします』
そう言って彼はあっという間に画面から消えてしまった。
また姿を見れた嬉しさに、声が詰まりアタシは遥香を見た。
遥香も驚いたらしく、ぱっちりした瞳を見開いている。
「……やだ、偶然。そんなつもりなんて……なかったのよ?」
ふるふるとアタシは頭を振った。
「嬉しいよ…アタシ、幻を見てたんじゃないよね?遥香も見たよね」
こくりと遥香も頷く。
「……確かに……見覚えのある顔とスーツだったわ……」
「……よかったぁ」
じわりと視界が歪む。
姿を見ただけで、こんなにアタシは嬉しい。たとえテレビ画面の中だとしても、存在してくれていただけで嬉しい…
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