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思いがけない再会
しおりを挟む「いつもコケてるんだね」
ラフにしている髪はくしゃくしゃで、舞台上がりでもまだシャワーを使っていない体からは汗の匂いがしたけれど、嫌じゃなかった。
「…ち、違います。慌ててたから」
「じゃあ、その靴が危ないのかもね」
いたずらっぽい色が瞳に映る。
「…まあ役得かも」
いまさらだけど腰に回された腕が恥ずかしくて、胸を押した。
顔に熱が集まってきて、目を合わせていられず、顔を伏せた。
「あのっ……ありがとうございました。もう大丈夫ですから」
頭の上で、ふっと笑った息が髪を揺らす。
きゅっと一回力を込めて抱きしめて、腕が離れる。
離れていく腕が寂しい……
「そう、残念。あっでもオレ汗臭かったからゴメンね…あ、本当ヤバイ…」
腕を上げて匂いをかいでいる。そんな仕草も、なんだか新鮮で嬉しい。
スーツを着こなす紳士的な高遠さんより、ジャージの高遠さんのほうが親しみがあった。
「…オレのことわかったんだ」
掠れた声がして、アタシは高遠さんを見た。
高遠さんは真っ直ぐこっちを見ていて、アタシの心臓はドキドキと早くなる。
「見に来てくれたんだよね、ありがとう」
にっこりと笑った顔は、とても綺麗で眩しいくらいだった。
いきなりの芸能人スマイルに、アタシの頭は真っ白になってしまう。
「初めて、舞台を見て…凄いなぁって思いました」
どこがとか、何がなんて
真っ白になった頭からは飛んでしまって続く言葉が出てこない。
アタシはただただ圧倒されていたのだから。
にっこり笑った高遠さんは、アタシの手から感想用紙を抜き取った。
「ずいぶん時間をかけて書いてくれたんだね。大切に読ませてもらうね」
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