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続く思い
しおりを挟む会場全体に明かりがつき、人の流れが外へと続いている。
アタシはぼんやりと椅子に座って、入り口の混雑を避けていた。
手元にある感想用紙に記入しようと思うものの、ちっとも言葉が出てこない。
初めて見た舞台に圧倒されて、言葉としてまとめることが出来なかった。
まだ会場には、ぽつぽつと席についている人がいて、感想用紙に向き合っていた。
やっとの思いで言葉を探しても、その言葉があっているのか不安になる。
アタシの言葉は、きちんと届くのか?
でも書かないでいたら、なにも伝わらない。
館内清掃に入るアナウンスがあり、席についていた人も押し出されるように扉から出て行くことになる。
仕方なくアタシも、書きかけの感想を手にロビーまで移動する。
こんなに真剣に言葉を選ぶなんてなかったと思うくらい、アタシは考えて感想を書いた。
気がつくとロビーに人影はなく、グッズ販売のスタッフさえいなくなっていた。
取り残されたことに慌てて、バックと感想用紙をつかみ立ち上がる。
か、回収箱は……
慌てたことで、足がもつれた。
倒れる……!
思わず目を閉じて、両腕を差し出していたのに、腕にも体にも衝撃がこない。
恐る恐る目を開けてみる。
アタシの体は、抱き留められていた。
腕にばかり注意していて、体の方を抱き留められていたのがわからないなんて、バカすぎる……
黒いジャージからは汗の匂いがする。
胸に手をおいて見上げた顔は
高遠さん、だった……
しばし見つめあってしまう。
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