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大きい犬
しおりを挟む言うほどに残念さが増していく。イタイ人になってしまいそう……
しょんぼりと俯くと、頭に手がのる。今度はくしゃくしゃにしないで、軽く乗せただけ。
「ごめんな。言い過ぎた。なんでも奢るから許して」
「今の言葉忘れないで下さいね」
ぐっと涙をこらえると覗きこんだ尾上さんと目があう。
大きい犬みたいな人。
尾上さんに連れられて行ったのは、最近出来た居酒屋だった。
小さな個室とテーブル席が暖簾や障子で区切られ居心地がいい。
個室の掘り炬燵に落ちついてメニューを見ると、お料理とお酒の種類が豊富で早速頭を悩ませることになった。
「とりあえず飲み物とツマミを頼もうか」
「そうですね。アタシ チーズフライとカルピスサワーにします」
「じゃあ俺は、生ビールとたこわさにしようか」
そう言ってカラオケにあるような端末で番号を入力して注文してくれた。
「すごいですね、カラオケみたい」
「なんにでも興味を示すんだね。渡辺さんなら面白がると思ったよ」
それは無知だと言われているのかもしれない。でも知らないことに興味を持つのは当たり前なのに。
考えこんだアタシを覗き込むように、尾上さんは身を乗り出した。
「皆バカじゃないから、人の気を引きたくて、わざとやってるのはわかるだろ。渡辺さんにはそれがない」
それから小声で「だから気になった」とつぶやいた。
アタシはちょうど来た飲み物に気を取られ、思わず聞き返した。
「何かいいましたか」
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