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第40章 王都への帰還
しおりを挟む王都への帰還
モートン領からの帰還
ルシアン、セリア、トマス、ミリアは、モートン領の炎上するキメラ工場から逃げ出した後、ミリアの商会が手配した馬車で王都ルミエールへ向かっていた。馬車の中は重い空気に包まれ、ルシアンは手に握った資料‥キメラ実験の記録、奴隷密売の履歴、モートン枢機卿の魔王の計画をじっと見つめる。セリアは目を赤くし、「クララ‥私がもっと早く動けてたら‥」と呟き、トマスが「セリア、ルシアン、俺たちのせいじゃねえ。あの工場を作った奴が悪いんだ」と励ます。ミリアは「この資料を王都に持ち帰れば、モートン枢機卿の陰謀を暴けるよ。クララを救うためにも、急ごう」と気丈に言う。
ルシアンは仲間たちに、モートン領で起きたことを話す。「クララが‥キメラにされてた。俺が‥俺がクララの腕を切り落としたんだ」声が震え、拳を握りしめる。セリアが「ルシアン、あれはクララを救うためだった。クララはまだ生きてる。私たちが助けるんだから!」と手を握る。トマスが「ハーシーも何か知ってるはずだ。モートン枢機卿の計画、全部ぶっ潰してやる!」と拳を叩く。ミリアが「王都に着いたら、皇太子殿下に連絡を取る。私の商会ルートで、密かに東門から入れるって伝言があったよ」と言う。ルシアンは「皇太子‥アレクシスなら信じてくれる。父上の無実とクララの救出、絶対に成し遂げる」と決意を新たにする。
馬車は夜を徹して走り、ルミエールの王都が見える丘にたどり着く。遠くにそびえる王宮の尖塔と、大聖堂の鐘楼が、朝焼けに映える。だが、ルシアンは「清教徒騎士団が王都にもいる。モートン枢機卿の影響力がどこまで及んでるか分からない」と警戒する。
王都東門の危機
馬車は王都の東門に到着。ミリアの商会ルートを使い、衛兵の目を盗んで入る予定だったが、門に近づくと異変に気づく。清教徒騎士団の兵士が門を固め、普段より厳重な警備態勢だ。トマスが「やべえ、なんか様子がおかしいぜ」と囁く。ルシアンが「皇太子の伝言通り、東門のはずなのに‥」と訝しむ瞬間、衛兵の隊長が叫ぶ。「ルシアン・ヴァルドール! キメラ製造の容疑で逮捕する! 降伏しろ!」
兵士たちが槍を構え、馬車を包囲。ルシアンは剣を抜き、「ふざけるな! ヴァルドールがキメラを作るわけない!誰の命令だ!?」と叫ぶ。セリアがルシアンの前に立ち、剣を構える。「ルシアンに指一本触れさせない! どいて!」と火魔法の魔力を高める。トマスが「やるしかねえか!」と拳を鳴らし、ミリアも短剣を手に「ルシアンを守るよ!」と続く。四人は背中合わせで兵士に立ち向かう準備をする。
兵士たちが一斉に迫る中、突然、馬車の蹄の音が響き、道を切り開く。金色の装飾が施された豪華な馬車が停まり、扉が開く。中から降り立ったのは、皇太子アレクシスの妹、リリアナ・ヴァルシア王女だった。金髪をなびかせ、青い瞳を輝かせ、凛とした声で叫ぶ。「お待ちしておりました、ルシアン様! かつて私の命を魔獣から救っていただいた恩、決して忘れておりません!」
ミリアム王女の介入
ミリアム王女は兵士たちを鋭く見据え、威厳ある声で宣言する。「ルシアン様を捕らえることは許しません! これはヴァルシア王家の総意です! 不服がある者は、事が終わり次第、私を裁判で裁きなさい!」王女の言葉に、兵士たちは動揺し、槍を下げる。清教徒騎士団の隊長が「しかし、モートン枢機卿の命令で‥」と反論するが、リリアナは冷たく言い放つ。「枢機卿の命令が王家の上にあると? その言葉、陛下の前で繰り返せますか?」隊長は言葉に詰まり、兵士たちは一斉にひれ伏す。
ルシアンは「ミリアム王女‥あの時の‥」と驚く。数年前、ルシアンが魔獣からミリアムを救ったことがあった。ミリアムはルシアンに近づき、微笑む。「ルシアン様、兄のアレクシスが王宮でお待ちです。ヴァルドール家の無実を証明する証拠、お持ちなのでしょう?」ルシアンは資料を握り、「はい‥モートン領でキメラの証拠を見つけました。クララも‥」と声を詰まらせる。
ミリアムはルシアンの震える手を見つめ、「お辛いことがあったのですね…。ですが、今は王宮へ。陛下と兄が、ルシアン様の話を聞きます」と優しく言う。彼女の手もまた、緊張でわずかに震えていた。セリアが「王女様、ありがとう!」と頭を下げ、トマスが「すげえな、王女の迫力!」と笑う。ミリアは「これで商会も一安心。ルシアン、行ってきな!」と背を押す。
ミリアムの馬車にルシアンとセリアが乗り王宮へ向かう。ルシアンは「モートン枢機卿の陰謀を暴き、父上とクララを救う。ヴァルドール家の誇りにかけて!」と誓う。
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