乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ

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──6──[ヒロイン視点]

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 自分が転生者だと気付いたのは聖女の力に目覚めた時だった。

 孤児の私が孤児院でこの力に目覚め、慌てて連れて行かれた教会で聖女だと言われて拝まれて、気付けば領地の領主の家の養子になっていた。
 なんで男爵領なのよ!、とムカついたけど、その名前が『チャル男爵』だと聞いて、自分の名前が『ネフィー・チャル』になった事で完璧に前世の記憶を思い出した。
 この世界が前世でやり込んだ乙女ゲーム【聖女の愛は真実の愛です♡】略して【聖真せいしん】の世界で、私がそのヒロインの聖女ネフィーに生まれ変わっているという事を。
 それに気付いた時、私は飛び跳ねて喜んだ。

 孤児院では変な髪だとバカにされたパステルピンクの髪。
 周りから何を言われようとも一切切る事なく伸ばし続けて良かった……。その事ももしかしたら私が無意識にこの世界が【聖真せいしん】の世界だと気づいていたからかもしれない……。長い髪は貴族の女性の特徴でもあるから……。私は無意識に自分が『貴族の令嬢』になる存在だと自覚していたのかもしれない。

 パステルピンクの可愛い色の髪に天使の光を思わせる金色の瞳の色。孤児院の中でも自分が異色の可愛さを讃えている事は分かっていた。こんな私が人攫いに遭わなかったのもこの可愛さのお陰。周りの大人たちが全力で私を護り見守ってくれた。
 そして成長した私は可愛さをそのままに美しい女性の身体へと進化した。
 少し垂れ目な目元と小さな……何も付けていないのにピンク色のぷっくりとした唇が、見た人全ての庇護欲を唆り、声は聴いた人の心を癒やす小鳥のような音色。孤児だったとは思えない白い肌にほっそりとして艷やかな手足……。
 完璧な美少女で聖女な私。

 この世界が乙女ゲームの世界で私がヒロインなら、このゲームを完全攻略して私がこの国の王妃になるの。
 


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