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しおりを挟む「何の事でしょうか……?」
突然わたくしに頭を下げてきたヒロインネフィーさんにわたくしは心から不思議そうな顔をして首を傾げた。
学園の教室で突然始まった騒ぎに友人たちがわたくしの側に寄って来てくれる。わたくしはそれに目でお礼を伝えて口を挟まないでいてもらった。
惚けたわたくしにネフィーさんは一瞬傷付いた顔をしたけれど直ぐにまたわたくしに向かって頭を下げた。
「っ……!分かっています!
私が浅はかだったのです!
完全に調子に乗ってました!
リゼリーラ様の事をちゃんと考えてませんでした!!
補正があると思ったんです!!
【聖真】なら私に有利だって思っちゃったんです!!
馬鹿でした!!理解しました!!
もう変な事しないので、もう許して下さい!!!」
ネフィーさんはその美しい声を張り上げて謝罪する。勢いのままに発言している様でいて、言葉の内容は他の人には全く理解出来ないものになっている。これを聞いてわたくしを非難する人はいないでしょう。
だって完全に奇行です。
わたくしはどちらかと云えば『おかしな人に絡まれた人』でしょう。
「……困ったわ……
わたくしはただ平穏に暮らしたいだけなのに……」
「わかります!!私も平穏がいいです!!」
噛み合わない会話に周りに居る学友たちが困惑した表情をする。わたくしもあまり会話を続ける訳にもいかないのでネフィーさんの言葉を信じてみようかと思った……。
「……【聖真】誠意、神殿でお祈りされれば許されると聞きましたわ……?
ネフィー様は聖女様ですもの……きっと神がその御心を解きほぐしてくださいますわ」
周りでわたくしたちのやり取りを見ているみんなに向けて困った様に苦笑した表情をしてネフィーさんにそう伝える。周りで聞いている人にはネフィーさんの発言に困って当たり障りのない返事をした様に、ネフィーさんにだけわたくしが言いたい事が何となく伝わる様に。
「はい!
私は聖女として生きていきます!!」
そこまで求めていたつもりはなかったのだけれど、わたくしの言いたい事を汲み取ってくれたネフィーさんは下げていた頭を上げると真剣な顔でそう宣言して教室から出て行った。
教室の扉から出て行く時に教室内を振り返って「皆様、お騒がせして申し訳ありませんでした!」と頭を下げてから出て行かれましたわ。
その後わたくしは教室中のみんなから質問攻めにされましたけれど、「わたくしにも何も分からない」で通しましたわ。
だって言えませんもの。
最近ネフィーさんが悩まされていた『見えない何か』がわたくしの魔法だった、なんて、ねぇ……。
友人たちは「ネフィー様って不思議な方ですのね……」と言って無理やり納得されてましたけれど、ヘリオッド様が
「侯爵令嬢のリゼにあの態度はなんだ!?聖女だからと言って許されていいのか!?」
と言って怒ってしまわれたのでそちらを宥めるのが大変でしたわ。
まぁヘリオッド様はわたくしがじっと目を見て話しかけ続ければ機嫌が良くなるので時間はそこまで取られませんでしたけれど。
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