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第693話
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タカミムスビの機体に関しては後でゆっくり考えるとして問題はこの状態をどうするかだ。
「で? どうするよ?」
「厄介そうな連中は軒並みくたばったみたいだし、解散でいいだろ」
マルメルはヨシナリに指示を仰ぐように尋ねるが、ユウヤは目立った強敵は居ないので後は流せばいいだろうとやや投げ遣りだ。
ヨシナリとしても気持ちは分からなくはなかった。
これからインドのSランクを倒すぞと盛り上がって目視できる範囲に捉えたと思ったら勝手にやられていたのだ。 肩の力が抜けるのも無理もない。
「あー、皆さんはどう思います?」
念の為にと残ったメンバーに声をかける。
「ふ、目標を失い宙に浮いた熱を吐き出すには不足ではあるが、各々衝動に任せればいいだろう」
「なーんか拍子抜けですが、勝てそうな雰囲気ですし私は姉の所に戻りますね」
ベリアルはユウヤと同じでやんわりと解散を支持し、シニフィエもこれ以上の激戦はないと判断している様でこちらも同様だ。
空気的に解散で問題なさそうだった。 ヨシナリは分かりましたと頷く。
「アイロニカル! 何ともな結果に終わってしまったな! さて、私もこれで失礼する」
「アイロニーが居なければやられていたので、本当に助かりました」
ヨシナリはありがとうございましたと付け加えるとアイロニーは小さく首を振る。
「コミカル! 私も充分に楽しめた。 機会があればまた!」
アイロニーはそのまま音もなくすっと消えて行った。
移動先からそのまま別の戦場へと向かうようだ。
さてと振り返るとベリアル、ユウヤもいつの間にか消えていた。
――まぁ、いいか。
「取りあえず拠点に戻って後は流れでいいな」
実際、その後は特にこれといった大きな動きはなかった。
最大戦力のSランクやカンチャーナを筆頭に有力なプレイヤーを失ったインド第二サーバーは押し込まれて徐々にその数を減らし、そう長い時間もかからずに全滅。
サーバー対抗戦は日本側の勝利となった。
対抗戦終了のアナウンスと共にヨシナリはユニオンホームへ。
ぐるりと見回すと他のメンバーも全員、戻ってきていた。
「お、ヨシナリ君達も戻ってきてんなー。 おつかれー」
小さく手を振るふわわ、疲れたと息を吐くシニフィエ。
うーんと伸びをするマルメルにうんうんと頷くグロウモス。
壁に背を預けているベリアルにソファーでアルフレッドを膝に乗せているユウヤ。
おつかれっすと声をかけるホーコート。
いつも通りのメンバーにヨシナリは安心感を覚えて小さく息を吐く。
そのまま近くのソファーに腰を下ろす。
「ふぅ、皆さんお疲れさまでした。 対抗戦は録画は見れないみたいなので感想戦は各自で行うようにしましょう。 ――後は、あー、駄目だ。 疲れてて頭が回らない」
何か言おうと思ったのだが、疲労の所為か何も出てこなかった。
「何だかんだと長丁場だったし、しんどい相手も多かったしな。 今日の所は解散しようぜ!」
「だな! 皆、お疲れ様!」
ふわわは満足した様子でまたねと言ってログアウト。 シニフィエも小さく会釈して後に続く。
ベリアル、ユウヤもそのまま消え、グロウモスも小さく頷いてそのままログアウトした。
マルメルもまたなと小さく手を上げてアバターが消失。
残ったのはヨシナリとホーコートだけとなった。
見送ったら自分もログアウトしようと思ったのだが、何か話があるのかホーコートはそのままだ。
「どうかしたか?」
ホーコートは何かを言いたそうにしていたのでヨシナリは口を開くまでじっと待つ。
「あの、俺ってあんまり役に立ってないっすよね……」
いきなりな直球にヨシナリは何と返した物かと悩む。
素直に返すのならそうだと言いたいが、ヨシナリとしてはそれでいいと思っていた。
「あー、そこは気にしなくていいよ。 嫌な言い方に聞こえたら謝るけど、ここは会社でも学校でもないんだ。 絶対的な結果なんて求めてないからな」
それは本音だった。
ヨシナリは勝利という結果を渇望するが、それは自身に課したものであって他人に強要する物ではない。 このゲームに対しての向き合い方としてはまずは楽しむ事だ。
そこから逸れるような事はあってはならない。
ユニオンに関しても楽しむ事ありきで結成したのであってメンバーに何かを強制する意図は一切なかった。
「でも、俺だけ足を引っ張ってる感じがして。 ちょっときついっていうかなんというか……」
疲労で思考が濁っている事もあってこいつ面倒だなとちょっと思ったが、真剣に話をしている以上はヨシナリも真面目にどう返すのが正解かと考える。
――良い機会か。
周りに誰もいない事もあって触れるにはいいタイミングなのかもしれない。
「どういう感じの相談だ? 強くなりたいとか立ち回りに関して? それとも成果が出ない事に関して居心地が悪くなってきた感じか?」
「……両方です」
ホーコートは少しの間を空けて絞り出すようにそう呟く。
「先に後者に関して触れとこうか。 それはお前自身が決める事だし、何を選んでも俺はそれを尊重する。 ただ、少なくとも俺は居てくれてよかったとは思ってるよ」
他と比較すると直ぐに落ちるが、稀に活躍はしてくれるのでいない方がマシとは思っていない。
素直に指示も聞いてくれる事もあってヨシナリ個人はホーコートに対して悪感情はなかった。
「ただ、前者の立ち回りに関してはそろそろ見直した方がいいかもな」
「――というと……」
「補助輪に頼るのはそろそろ止めた方がいいと思う」
言葉を選んだが要はチートに頼るのを止めろと暗に指摘していた。
成長の一助になればと放置していたが、カンチャーナを見て考えが変わったのだ。
攻撃、機動の大半をチートに依存し、反応も底上げしている節があった。
本人の技量が欠片も介在しない戦い方。 あれに関しては素直にクソだなとヨシナリは思った。
チートに依存し切ったプレイヤーの末路とも言える姿を見れば危ういを通り越して危険だ。
運営は何を血迷ってあんなプレイヤーの存在を許容しているのかは不明だが、ホーコートも深みにはまるとああなる可能性は大いにあった。
補助輪と形容しているだけあって強くなる為の手段の一つと捉えてヨシナリは許容したのだ。
だが、アレを見た以上はもう無理だった。
ユウヤやベリアルも表には出さないがいい印象は抱いていない。
今後も『星座盤』で戦っていきたいのなら矯正は必要だった。
「で? どうするよ?」
「厄介そうな連中は軒並みくたばったみたいだし、解散でいいだろ」
マルメルはヨシナリに指示を仰ぐように尋ねるが、ユウヤは目立った強敵は居ないので後は流せばいいだろうとやや投げ遣りだ。
ヨシナリとしても気持ちは分からなくはなかった。
これからインドのSランクを倒すぞと盛り上がって目視できる範囲に捉えたと思ったら勝手にやられていたのだ。 肩の力が抜けるのも無理もない。
「あー、皆さんはどう思います?」
念の為にと残ったメンバーに声をかける。
「ふ、目標を失い宙に浮いた熱を吐き出すには不足ではあるが、各々衝動に任せればいいだろう」
「なーんか拍子抜けですが、勝てそうな雰囲気ですし私は姉の所に戻りますね」
ベリアルはユウヤと同じでやんわりと解散を支持し、シニフィエもこれ以上の激戦はないと判断している様でこちらも同様だ。
空気的に解散で問題なさそうだった。 ヨシナリは分かりましたと頷く。
「アイロニカル! 何ともな結果に終わってしまったな! さて、私もこれで失礼する」
「アイロニーが居なければやられていたので、本当に助かりました」
ヨシナリはありがとうございましたと付け加えるとアイロニーは小さく首を振る。
「コミカル! 私も充分に楽しめた。 機会があればまた!」
アイロニーはそのまま音もなくすっと消えて行った。
移動先からそのまま別の戦場へと向かうようだ。
さてと振り返るとベリアル、ユウヤもいつの間にか消えていた。
――まぁ、いいか。
「取りあえず拠点に戻って後は流れでいいな」
実際、その後は特にこれといった大きな動きはなかった。
最大戦力のSランクやカンチャーナを筆頭に有力なプレイヤーを失ったインド第二サーバーは押し込まれて徐々にその数を減らし、そう長い時間もかからずに全滅。
サーバー対抗戦は日本側の勝利となった。
対抗戦終了のアナウンスと共にヨシナリはユニオンホームへ。
ぐるりと見回すと他のメンバーも全員、戻ってきていた。
「お、ヨシナリ君達も戻ってきてんなー。 おつかれー」
小さく手を振るふわわ、疲れたと息を吐くシニフィエ。
うーんと伸びをするマルメルにうんうんと頷くグロウモス。
壁に背を預けているベリアルにソファーでアルフレッドを膝に乗せているユウヤ。
おつかれっすと声をかけるホーコート。
いつも通りのメンバーにヨシナリは安心感を覚えて小さく息を吐く。
そのまま近くのソファーに腰を下ろす。
「ふぅ、皆さんお疲れさまでした。 対抗戦は録画は見れないみたいなので感想戦は各自で行うようにしましょう。 ――後は、あー、駄目だ。 疲れてて頭が回らない」
何か言おうと思ったのだが、疲労の所為か何も出てこなかった。
「何だかんだと長丁場だったし、しんどい相手も多かったしな。 今日の所は解散しようぜ!」
「だな! 皆、お疲れ様!」
ふわわは満足した様子でまたねと言ってログアウト。 シニフィエも小さく会釈して後に続く。
ベリアル、ユウヤもそのまま消え、グロウモスも小さく頷いてそのままログアウトした。
マルメルもまたなと小さく手を上げてアバターが消失。
残ったのはヨシナリとホーコートだけとなった。
見送ったら自分もログアウトしようと思ったのだが、何か話があるのかホーコートはそのままだ。
「どうかしたか?」
ホーコートは何かを言いたそうにしていたのでヨシナリは口を開くまでじっと待つ。
「あの、俺ってあんまり役に立ってないっすよね……」
いきなりな直球にヨシナリは何と返した物かと悩む。
素直に返すのならそうだと言いたいが、ヨシナリとしてはそれでいいと思っていた。
「あー、そこは気にしなくていいよ。 嫌な言い方に聞こえたら謝るけど、ここは会社でも学校でもないんだ。 絶対的な結果なんて求めてないからな」
それは本音だった。
ヨシナリは勝利という結果を渇望するが、それは自身に課したものであって他人に強要する物ではない。 このゲームに対しての向き合い方としてはまずは楽しむ事だ。
そこから逸れるような事はあってはならない。
ユニオンに関しても楽しむ事ありきで結成したのであってメンバーに何かを強制する意図は一切なかった。
「でも、俺だけ足を引っ張ってる感じがして。 ちょっときついっていうかなんというか……」
疲労で思考が濁っている事もあってこいつ面倒だなとちょっと思ったが、真剣に話をしている以上はヨシナリも真面目にどう返すのが正解かと考える。
――良い機会か。
周りに誰もいない事もあって触れるにはいいタイミングなのかもしれない。
「どういう感じの相談だ? 強くなりたいとか立ち回りに関して? それとも成果が出ない事に関して居心地が悪くなってきた感じか?」
「……両方です」
ホーコートは少しの間を空けて絞り出すようにそう呟く。
「先に後者に関して触れとこうか。 それはお前自身が決める事だし、何を選んでも俺はそれを尊重する。 ただ、少なくとも俺は居てくれてよかったとは思ってるよ」
他と比較すると直ぐに落ちるが、稀に活躍はしてくれるのでいない方がマシとは思っていない。
素直に指示も聞いてくれる事もあってヨシナリ個人はホーコートに対して悪感情はなかった。
「ただ、前者の立ち回りに関してはそろそろ見直した方がいいかもな」
「――というと……」
「補助輪に頼るのはそろそろ止めた方がいいと思う」
言葉を選んだが要はチートに頼るのを止めろと暗に指摘していた。
成長の一助になればと放置していたが、カンチャーナを見て考えが変わったのだ。
攻撃、機動の大半をチートに依存し、反応も底上げしている節があった。
本人の技量が欠片も介在しない戦い方。 あれに関しては素直にクソだなとヨシナリは思った。
チートに依存し切ったプレイヤーの末路とも言える姿を見れば危ういを通り越して危険だ。
運営は何を血迷ってあんなプレイヤーの存在を許容しているのかは不明だが、ホーコートも深みにはまるとああなる可能性は大いにあった。
補助輪と形容しているだけあって強くなる為の手段の一つと捉えてヨシナリは許容したのだ。
だが、アレを見た以上はもう無理だった。
ユウヤやベリアルも表には出さないがいい印象は抱いていない。
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