ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜

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リクエスト 2か月目の不安と溺れる恐怖 ナイトプールで燃える恋

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――いつきくんと付き合ってもうすぐ2ヶ月だ

私の彼への想い以上に私を愛を返してくれる、30歳の彼氏。今まで男運が無かった私が、こんなに幸せでいいのかと、毎回不安になったりするのだけど…不安定で感情的になる私を彼の変わらぬ愛が包んでくれる。
この間なんて、デート中なのに女の人に声を掛けられて…ムカついて帰ろうとしたら、ずっと耳元で「俺には美波みなみだけだよ」って、私の機嫌が治っても囁いてくれた。
――その後は勿論愛し合ったけど
そんな幸せな2人の、お話です。



***************


「…どぉしよう」
私、美波みなみは、会社のトイレに篭り、1人項垂れていた。おもちゃ販売の大手企業の総務課に配属されている、今年27歳の後輩を指導する立場の社会人だ。
そんな私が、会社のトイレに篭っているのには訳があって…生理が来ないのだ。それも気がついたのは今日の朝で、いつも使用している手帳を何気なく過去を見直していると、生理期間の印が2ヶ月も書かれていない事に気がついたのだ。妊娠の可能性が高いのも、ちゃんと思い当たる節がある。今付き合っている彼氏樹くんと初めて結ばれた時に、プールサイドで避妊具ゴム無しでしたし、その後も彼の家でも愛し合ったからだ。
――あの時は、アフターピル飲まなかったけど…付き合ってからは飲むようになったし…けどやっぱり妊娠そうなのかな
妊娠の可能性が高いと思ってから、嬉しいの気持ちもあるけど…仕事をどうしようとか、樹くんには何て言えばいいのか、とかぐるぐるの何度も頭の中で回る。
――とりあえず薬局に行って…検査薬を買って…
と行動する事にした。



「美波ちゃん、これ何?」
帰宅後お風呂に入って夕飯を作っている時に、仕事から帰って来てすぐにシャワーを浴び終わった樹くんに背後から声を掛けられた。
「ん~?」
肉じゃがを作っていた私は、にんじんを切っていたので後ろを振り返る事なく返事をした。トントンとまな板に包丁がつき、野菜の切れる音がする。裸足の樹くんが私の背後に回り私を抱きしめると、目の前に帰宅してからすぐにやった妊娠検査薬のキットの箱が視界に入った。
「…あっ」
検査薬で確かめて病院に行ってから樹くんに言おうと思っていたのに、彼にバレないように箱を捨てたつもりだったけど、樹くんはどこからか持って来たのだ。私は包丁を野菜に付けたまま固まってしまう。
「…子供、出来たの?」
耳元で囁く彼の声に、やっといつもとは違う雰囲気をしている事に気がついた。
「…いつ…き…くん…?」
後ろを振り返り見上げると、髪が少し濡れている真顔の彼が私を見下ろしている。
「美波ちゃん、子供できたの?」
2人きりの時は私の事を美波と呼び捨てにするのに、ちゃん付けで呼ばれるのはどうしてだろう。
「…出来てないよ…キット妊娠検査薬からは、何にも…出なかったから」
彼を安心させるためににっこり笑ったのだけど、樹くんは何故か眉を寄せて悲しそうな表情に変わった。
「…言わないつもりだった?…検査薬これ買ったなら妊娠の可能性はあったんでしょ」
私の前に差し出された検査薬の空箱に、視線を落とした。
「陰性だったら…言わない…つもりだったよ…だって…樹くんに変な心配掛けたくなかったし」
彼に子供が出来たら…喜ぶと思う。子煩悩になると思うけど、悲しいかな、まだ知り合ったばかりの彼がどう出るのか怖くなってしまった。
「俺、美波ちゃんとの未来を考えてるって言ったよね」
優しく私の頬を撫でる樹くんの方を、私は顔を上げる事が出来ない。声が怒っているのを肌で感じる。こんな樹くんは初めてだ。優しくて面白くてよく茶化す彼じゃない、知らない男性みたいだ。
「…それは知っているけど…急に親になるって…心の準備とか…必要でしょ…それに」
「…それに…?」
これを言ったら終わってしまう気がして、なんだか躊躇してしまうが、続きを促す樹くん。有無を言わせない雰囲気に、勇気を出す事にした。
「もし…デキたら…ど…どうするの…?」
初めて会ったナイトプールの時は、ふざけて兄弟は欲しいとか言っていたけど、実際に子供がデキたら現実問題が出てくる。
――結婚したいな…って言ったらドン引きだよね、付き合って2ヶ月だし…いや、最悪じゃん…重すぎる
今まで付き合った人の誰よりとまともで、私を愛してくれるってだけで、もう一緒になりたいなんて自己中すぎる。
――萌香に言ったらきっと、まだ早いって怒ってくれる…よね
「俺は…もし…もし美波との子供がデキたら死ぬほど嬉しい、でもまだちゃんと、俺の事知りたいんでしょ、美波は」
「…っ!」
彼の言葉に驚いて顔を上げると、今度は優しい眼差しの樹くんと視線が合った。
「…なん…で」
「…俺、美波の事好きすぎて、本当に手放したく無いから、亮平と交えて萌香ちゃんと会って美波の事聞いたからさ」
「萌香…と?」
亮平・・とね、2人きりじゃないよ」
「…聞いたの」
――今まで付き合った男の人の事を…どうしようもない男に捕まった私の事を
「聞いたよ、俺、はさ、チャラい見た目だけど、浮気はしないし、預金からお金引き出さないよ」
くすくす笑いながら私の頭を撫で始めた樹くんは、私を閉じ込めるようにシンクに手を置いた。彼の両手が私の腰の横に伸びているので、身体をズラす事も出来ない。
「ね…俺は、ね、しつこい男なんだと…思う…別れたいって言われても、泣いても手放せないや…結婚して美波を縛りたいし、子供デキたら余計俺の元から離れなくなるし…それを望んでる」
「樹…くん…?」
私を閉じ込める腕の中が心地よくて、樹くんの重たい愛の気持ちがじわじわと耳から入って頭の中から身体中に巡っているみたいで、歓喜の声が聞こえる。
「…もちろん、過去の男にムカついてるけど…これから一生美波が俺の物なら、耐えられるよ」
ゆっくりと樹くんの身体が私に寄りかかり、上体を屈めた彼は私の唇へと自分の唇を重ねた。触れるだけだったキスはすぐに離れたけど、まだ樹くんの顔は近い。
「俺の赤ちゃん産んでよ、別に今じゃなくてもいいから…結婚が先でも子供が先でも、俺はどっちでも構わない、美波のしたいようにする…別れるの以外ね」
私の額に彼の額がぶつかり、お互いの鼻先が当たる。
「…結婚したら…私離婚したくない」
「するかよ」
胸がいっぱいになってしまって、自然と声が上擦り悲しくないのに瞳が潤んでいく。それなのに、樹くんは私を喜ばす言葉しか口にしない。
「あっ…赤ちゃんデキたらっ、しっ…しばらくエッチ出来ないよ?浮気とかっ」
「なら美波を思って抜くよ、それか手か身体を貸して」
身体のどこを貸せばいいのか、2人の情事を思い出して顔が熱くなる。
「…っ!子育て始まったらパパとママになってっ…私を女として見なくなるかもっ…しれないじゃない」
「…そうかな?少なくともそれはないな、美波が俺を無害な子供のパパって位置に置かないように努力するよ…情熱的なパパになる」
「じょ…情熱的なパパ…?」
「そう、いつも美波を求めて子供と過ごすパパ」
「…ふふっ、いつも私を求めてくれるの?」
言っている事はめちゃくちゃだから、おかしくなってしまって笑ってしまう。すると、彼の腰が私のお臍に密着する。それを合図に私も彼の首の後ろへと腕を回した。
「いつも求めてるだろ?そうだなぁ、子供には優しく頼れるパパ、美波にも優しく誰もが羨む最良のパパになるよ…でも夜は俺の物だからな」
腰が密着して気がついた、お腹に当たるのは固くなった樹くんのモノ・・。緩やかに動かした彼の腰が、私のお臍に押しつける彼の昂り。息も荒くなってきて、啄むキスが始まる。ちゅっ、ちゅっ、と鳴るリップ音がもどかしい。
――いつものように、激しいキスがしたい、何もかも飲み込まれちゃうようなキス
「…本当に…好きなの…でも、怖いのもある…の、樹くんと結婚したい気持ちもあるのにっ」
それでも心の奥底に恐怖がある。変な男に捕まって出来た、恋愛の恐怖が。また裏切られてしまうかもしれないという恐怖が。
「ん…だから、これからも少しずつ俺を知ってよ、俺の愛は永遠だって」
そう言って私の唇に彼の唇が押しつけられて、やっと望んでいたものが与えられる事に嬉しくなって、自分から彼の唇のラインを自分の舌でなぞった。しばらく彼の唇を喰み、舌を這わしていると、彼の唇が開き私の舌を絡めとられた。
「っん…あっん」
私の舌を強く吸い、彼の口の中へと入るように私の舌が誘導される。熱くて気持ちいいキスは、全身の力が抜けて蕩けてしまう。徐々に彼の身体へと体重をかけると、樹くんは手をつけていたシンクから私の腰に腕を回した。
「ごはん…は?」
「…後で食べよう、先に美波を食べたい」
離れる気などさらさらないのに、途中だった料理を思い出して唇を離すと、案の定彼から離れたくないと言われた。まだ火もつけていなかったし、野菜を切っていただけだから…と考えていたら、他の事を考えているのが面白くなかったのか樹くんは私のお腹にくっつけた昂りを揺らし、擦り付け始める。
「ん…ちょっ…と」
「今は俺の事だけを考えてよ」
甘えた声で私の顔中にキスの雨を降らす樹くんは、私の着ているTシャツに手を入れる。彼の髪に指を絡めていると、腕を上げた状況を利用してたくし上げたTシャツを脱がされた。パサッと樹くんの手から落ちたTシャツ、白いブラが彼の眼下に晒される。ブラの上から彼の大きな手が私の乳房を揉み、手を離すとぷるんと揺れる。その間にも私の首筋に顔を埋めた彼は、舌を這わしてはちゅうっと強く吸い、チクリとした痛みで赤い所有印を残していく。
「…っ…ぁ」
樹くんは乳房の粒を隠しているブラをズラすと、親指と人差し指で摘みこねては、親指の腹で押し付けて擦る。直接触られて身体が火照り、徐々息が上がる。鎖骨に舌を這わしていた彼は私の右の乳房を下から掬うと、顔を下ろして乳房の粒を口に含めた。ちゅうちゅうと赤ちゃんみたいに、私の乳房に吸い付く。彼の髪に指を絡めていた手を力を強めてしまい、自然と彼の顔に乳房を押しつける。
「あっ、っんっ」
ガクガクと脚が震えて立っていられなくなると、私の脚の間に樹くんの太ももが入る。彼の太ももにお尻を付けてしまい、身体が下へとずれた。樹くんは私の乳房から顔を離し、私のお尻を掴むと持ち上げつつ、私の口を塞いでキスを始める。彼の腰に脚を絡めて、首に回した腕に力を入れて彼の口づけに夢中になる。何度も何度も彼の舌を吸っていると、身体が動き出し、抱き上げられたまま樹くんが歩き出した気配がする。

目を閉じてキスに夢中になっていた私は、仰向けに寝かされて初めて寝室のベッドの上にいる事に気がついた。暗かった部屋にベッドのベットボートにあるリモコンから保安灯を付けた樹くんは一度私から離れると、ベッドの横に起き上がりズボンと下着を脱ぐと、鍛え抜かれた上半身、6つに分かれたお腹の筋肉と、血管が浮き出ている太い腕が見える。凸凹した太もも、すでに天井まで勃ち上がった彼の昂りの先端からツユが溢れていて、生き物のようにぴくぴく動いている。
私も短パンを脱ごうと腰にあるズボンのゴム手をやって脚を上げると、樹くんの手が私の手の上に重なり、脱がすのを手伝ってくれる。お尻を上げて脚から短パンが抜けると、躊躇なく彼の鼻から下が私の下生えにくっついた。樹くんは息を目いっぱい吸うと、私の蜜口に舌を這わす。くちゅっとした音が聞こえ、身体が痺れる。
「あっ、んっ…はっぁ」
前触れもなく強く吸うと、蜜壺から溢れた蜜が彼の口の中へと消える。丹念に舌を這わし、蜜口から出た粒を舌で転がし続ける。背がのけ反り腰が引けると、ベッドのマットレスに沈む。それでも樹くんは、私の下半身を追いかけて、しっかりと解していく。2人が繋がるために。ベッドのシーツを手繰り寄せて握ると、今度は彼の舌が私の蜜壺へと入る。ねっとりと丁寧に舌を這わし、溢れた蜜を啜り続けられて何度か達してしまうと、彼の舌をも締め付けてしまう。
「…ごめんっ…もう我慢出来ない」
と顔を上げた樹くんの口周りは濡れていて、口周りをペロリと舌で舐める姿は薄暗いオレンジ色の部屋の中からでも分かるくらい色気があってドキドキする。
「あ…あ、あ…あっ」
ぴたりと私の蜜口に充てがわれた彼の昂りが、ズズッと蜜壺へと入っていく。
「…っ、キツ…いね…っ」
ギリッと奥歯を噛みそれでも腰を進める樹くんは、私の腰を掴んだ。ミチミチと蜜壺がいっぱいに広がり、彼の昂りを包み始めると、グイッと奥まで一気に貫かれ強烈な快感が私の身体中に巡る。
「いっ…いつ…いつき…くっ…んぁぁぁあ!」
「ぐっぁ!」
目の前がチカチカとひかり頭が真っ白になると、ぎゅうぅぅっと蜜壺を締め付け、我慢出来なくなった彼が私の蜜壺なかで弾けた。ドクドクと勢いよく注がれる熱い液体は、蜜壺の最奥へと溜まっていく。

はぁ、はぁ
お互いの荒い息が寝室に響くと、私よりも早く回復した樹くんが、私の腰の横に両手を付けて、欲情の赴くままに固くなった昂りを私の蜜壺へと激しく抽送する。入れる時に僅かに昂りの角度を変えたり、抜く時も蜜壺の内側を抉るように出ていく。ぱんぱんっと、彼の腰と私のお尻が音を立てながらぶつかり、ギシギシッとベッドが軋む。
「あっ、まだっぁっ、激しっぃ、あっ」
「くそっ、気持ちいっ最高ッ…ぐ…はっ」
私の顔の横に腕を付けた樹くんは、私の口を塞ぎ舌を絡める濃厚なキスをする。
「んん、ん、ん、っ、ん」
喘ぎ声も彼の口の中に消えると、シーツから指を離し彼の首の後ろへと伸ばした。ぴたりと重なった身体が、お互いの熱を押し付け合う。
ぐりぐりと蜜壺の中に留まって昂りを擦り付けられ、敏感になった身体は呆気なく達した。
彼の舌を噛まないように舌を引っ込めると、口が合わさったまま樹くんも達し、一度も出ずに二度も証を注がれた蜜壺がぱんぱんに膨らんだ気がした。




「……生理来た…なんで」
数日後に来た懐かしい腰の重い感覚に、会社のトイレで私は驚いた。結局妊娠もしていなく、2人の想いを再確認しただけだ。
――私を一生、情熱的に愛してくれるって
数日前に妊娠検査薬見つかった時は、どうしようかと思ったけど、思わぬところで彼の愛を知り、結果オーライとなったのでヨシとしよう。



今日はまた樹くんに会う日だ。消防士の彼はシフト制で夜勤もあったりするので、なかなか毎日会う事が出来ない。
きっと生理が来たと言ったら残念そうな顔をした後に、まだまだいちゃいちゃが足りないかもね、なんて言いそうだなと美波は、ふふっと、幸せな気持ちになり笑みも溢れた。
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