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後編
しおりを挟む――キスをしてしまった…
ぼうっとしたまま舞踏会も終わり、馬車に揺られてそのまま自室へと戻った。
そういえば別れ際に何か言われたけど、またキスをされてしまったから頭に残らなかった。
マル様…もとい、シューラと呼び捨てになるまで、甘いキスを繰り返しされると、身体も心も甘く蕩けて何がなんだか分からなくなる。
耳元で「エステル令嬢…いや、エシーと呼んでいいですか」と、低い声で私の愛称を決めて舌を這わした。絶対に確信犯だと思ったけど…力も入らなくて、ただただ頷くのに精一杯だった。
「エステルお嬢様、湯の準備が整いました」
自室のソファーに座っていた私に、サランが声を掛けてくれた。
「ええ…行くわ」
その時になってまだ身につけていたアクセサリーもそのままだと気がついた。
***************
舞踏会に出れば王子の代わりに、シューラと顔を合わせる機会が増えた。話をする時もあるが、人目のない場所に移動してキスをする時間の方がグンと増えた。
当たり前のように身を寄せ合い、ただ話しているにしては近い距離にいる。私の腰に回された手に嬉しくなって、彼の胸元に手を添える。耳元で「今日もお美しい」と言われれば、天にも昇る気持ちだし、好きと叫びたくなる。彼が切ない瞳で私の頬を撫でれば、その手を取り指先を絡めた。
だけど甘かった時間も人の話し声が聞こえれば、身体を離さなければいけなくて、嫌でも2人の立場を痛感してしまい泣きたくなった。
――好きなのにっ
そんな蜜事が数回続くと、私の気持ちは完全にシューラに向いてしまった。
――愛のない結婚生活もあると聞いた…けど…
彼を想いながら王子に抱かれるなんて、想像しただけでも悪寒が走った。ありふれた身分差の恋。ひと言で表すと、恋愛小説に出てくるありきたりな話だ。それでも止められないこの想いをありきたりな陳腐な言葉で収めたくなかった。
――逃げたい…でも、そうしたら
家族だけじゃなく、お父様の公爵家としての地位も危うくなってしまう。周りに迷惑をかけてまで、私はこの恋を貫くなんて出来やしないのだ。
そんなある日、王子に呼ばれた。正確には、王子の側近から簡単にいうと2日後に登城してくれとの、連絡だったけど私の心は決まっていた。
――この想いをシューラに伝えて…それで王子と結婚するわ
今も思い出す彼の吐息と熱い眼差し、私を抱きしめる腕と草原のような大好きな匂い。想いを告げてどうにかなるなんて思わないけど、はっきりと彼に告げるつもりだ。
――初めてお会いした時からずっと好きです
誰も居ない馬車の中で何度か口にして練習をしないと、ひとり押し潰されそうになる時間が過ぎていかない。
王家の馬車はゆっくりと城の門に入り、門番を通り過ぎると王族専用の出入り口の前に停まった。
いつものように御者が馬車の扉を開けると、外の新鮮な空気が馬車の中に入り憂鬱な気持ちが少しだけ浮上する。
――今日は少しだけおしゃれをしてきた…もしかしたらシューラに会えるかもしれないから
お団子にしたシンプルな髪型だけど、白い刺繍が華やかなデザインとなっている薄ピンクの胸元の開いたAラインのドレスだ。
立ちあがろうとしたら、影が出来て馬車の中が薄暗くなった。不思議に思い扉の方へを向くと、扉に手を掛けたシューラがそこにいた。
「っ…シューラッ」
王子が出迎えるものだと思っていたのに、道中ずっと告白の練習をしていた意中の人が突然現れて、心の準備がまだ出来ていない。驚く私に彼は、ふっと優しく笑うと私の前に手を差し出した。
「エシー、迎えにきたよ」
そう言って一歩足を踏み出すと、馬車の中へと乗り出した。固まる私の手を取り、そのまま私の顔に近づけたシューラが私の唇を奪った。いきなり舌を絡める濃厚な口づけに、瞼が自然と閉じて彼の舌に自分の舌を絡めた。
「ッ、ぅっ、ん」
ちゅぅっと強く吸い付き、名残り惜しく彼の唇が離れた。はぁっ、と息を吐き出した彼の吐息が口元から胸元に掛かり、お互いの額が重なった。
「エシー行こう」
「っ…ですがっ、アレクサンドル第一王子…は」
私の横に座り啄むキスをしながら私を誘い、私の身体を抱き締めるシューラは、熱の籠った眼差しを私に向ける。
「…大丈夫、少しだけ抜けてきたから」
そう言って、私の手を引いて馬車から連れ出したのだった。
***************
「ここは…?」
「ここ?ああ執務室の近くにある休息室だよ」
今までの豪華な内装から、シンプルな壁紙と焦茶の木材の床は、図書館みたいな部屋だった。赤いカーテンが両端に纏まっている窓はベンチみたいに座れ、ウィンドウベンチには赤いクッションが敷いてあり、円柱型のクッションもベンチの端に置いてある。陽が入らない壁側には天井まである書物が並び、部屋の中央には丸いテーブルと椅子があった。彼に手を引かれ並んで窓際のベンチに座ると、いつものように腰を引かれ上半身が彼の身体に密着した。紺色の軍服に頬をつけると、彼の鼓動が聞こえた。
――すごく…安心する
しばらく抱き合っていただけだったけど、そう言えば告白をするつもりだった、と思い出した。
「あの…シューラ」
思い切って顔を上げれば、愛おしそうに私を見つめる彼の眼差しと視線が絡まる。黒い瞳の彼にぼぅっと見惚れていると、彼の顔が近づき軽く触れるだけのキスをする。
「…お慕いして…おります…シューラ」
もっと軽く、自分の想いを告げるだけのつもりが、恋する気持ち、愛おしさ、苦しさの色々な感情が混じった声色になってしまった。
「エシー…私は」
眉を寄せた彼に、やっぱり無茶なことを言ってしまったと後悔をしてしまったが、これ以上シューラの口から否定的な言葉を聞きたくなくて彼の首の後ろに手を回して、唇を押しつけて喋れないように塞いだ。
思わず抱きついた格好になってしまい、腰が上がってしまったが、シューラが私の腰に腕を回して彼の膝の上に座らされた。向かい合わせになっても、彼の口から今更離れたくなくて拙いながらも舌を彼の舌に這わしていた。
しばらくされるがままだった彼も、私の舌に自分の舌を絡ませ貪り始めた。
「シューラ…お…願い」
首の後ろへと回した手を彼の頬に移動させると、2人の口から透明な糸が引き繋がる。ぺろりと彼の舌が私の唇を這わし、糸がなくなると寂しい気持ちが出てきてしまう。
「…お願い…とは」
「…わかるでしょ…好きなの」
私の腰にあった彼の手を取り私の胸に置くと、彼の指先がぴくりと動いた。
「しかし…っ」
「…お願いっ」
王子の婚約者から迫られるなんて、酷い話だと思うし、もう泣きそうになる。でも、
「っ…初めてっ…は、すッ…好きな人がいいのっ!」
どうやったら彼が私を抱いてくれるか分からなくて、彼の膝の上で動くが2人の間にある私のドレスが、私の動きを邪魔する。
「……っ……本当にいいのかっ、もう離せなくなるっ」
ぐるっと肉食獣みたいに低く唸る彼の声に、コクコクと頷く事しか出来ない。彼の唇に自分の唇を押しつけ、彼の首の後ろへと腕を回すと、噛み付くようなキスをされた。
「っ…っん…ぅんっ」
顔の角度を何度も何度も変えて深くなる口づけに夢中になり、彼の口内から溢れる唾液を送られてゴクンと飲み干す。
薄く瞳を開けると、眩しい陽で目の前が真っ白になり、目が慣れてくると外の青空と城壁が少しだけ見える。下を見ればきっと庭園や警備兵が見えるだろう。
――見られるのはっ…いやっ
彼とキスを続けながら、手を伸ばすと赤いカーテンに指先が触れ、カーテンを纏めるタッセルを外した。サッと広がったカーテンで、出窓の3分の1が隠れた。私の動きに気がついた彼は私を抱き上げて、2人が座るとぴったりのサイズのベンチに仰向けに寝かせた。
はぁ、はぁっ、と荒い息を整えていると、シューラは私がタッセルを外したカーテンと、もう片方のタッセルを乱暴に外してカーテンを閉めた。5センチほどカーテンの隙間から空いた陽の光のおかげで真っ暗にはならない室内で、熱い眼差しで私を見下ろすシューラにドキッとした。
「エシー…本当に、いいのか」
「シューラ…お慕いしておりっ…んんっ」
獰猛な眼差しに射抜かれ、潤む瞳で見上げると口を塞がれ言葉を紡ぐ事が出来なくなった。
彼の短い髪に両手を絡めて、彼の熱い口づけを求める。想いを込めて口づけに応えていると、彼の両手が私の胸元のドレスの縁に指を入れて力いっぱい下におろされた。ぷるんと弾けた乳房が露わになり、彼の両手が私の乳房を直接揉み、愛撫が始まった。
「今って…コルセットないの?」
口づけから解放され、そのまま頬や顎のラインをキスしたり舌でなぞりながら、簡単に露わになった乳房に驚いたみたいだ。
「っん、ぅ…んっ、いらないっ…んっ…あっ」
舞踏会など社交場では細さを強調するためにコルセットを付けるのが主流だが、今日は王子と会うだけだから華やかなドレスだけにしたのだ。返事をしたいのに、首筋に舌を這わせだした彼のせいで上手く言えない。キツく吸い付き、チクリとした痛みを感じ、たまに甘噛みをされる。相変わらず乳房は揉まれ、乳房の中心にある固くなった粒を摘まれこねられ引っ張られる。鎖骨を舌でなぞり、乳房へと向かう彼の口。谷間の間にも舌を這わし、揉んだときにできた膨らみにも強く吸い付き、赤い所有印を残していく。
「あっ、あっんぅっ」
彼の口の中に乳房の先端が入ると、ちゅうちゅうと吸われて、手とは違う痺れる感覚が身体に流れる。弓矢のように背がのけ反り、彼の顔に乳房を押し付けてしまうと、彼の左手が背中に回り、背中のラインをなぞりドレスの裾をたくし上げる。露わになった素足に彼の左手が触れて、私の足を上げた。柔らかな乳房を交互に口に含み刺激を与えられ続け、彼の両手がついに私の太ももに移動した。太ももの裏に手を置いた彼が私の足を胸まで上げると、上体を起こした彼が私の視界から消えた。
「っ…わっ!えっ?…あっあっ」
意味もわからず突然下半身に電流が流れて、一気に身体中を巡った。じわっと下着が濡れていく感じに戸惑い、しばらくすると下着越しに強く吸われたり舌を這わされたりされている事に気がついた。
「あっ、あっ…んっ、シューラッあっ、あっ」
何がなんだか分からなくなって足を閉じると、内腿に固い髪質のチクチクとした彼の髪が当たった。彼の頭を下半身から離そうとしたかったのに、いつの間にか彼の頭を下半身に押し付けていて甘い声がもっとと、ねだっているみたいに聞こえて恥ずかしくなる。
下着を脱がされ、蜜口の縁に固いモノがぐるりとなぞり、蜜をそのモノに擦り付け、吸い込まれるように蜜壺に入っていた。
「あっ!」
強い異物感に、蜜壺が反応してぎゅうぎゅうに締め付けると、無遠慮に奥へ奥へと入っていく。ぐにっと曲がった気がした時に、中にあるのが彼の指だと気がついた。蜜壺の中を広げていく指先は、色々な角度に曲げたり指を増やしたりしている。シューラは溢れる蜜を啜り、蜜口に舌を這わすのも忘れない。
「んんっ!!」
頭が真っ白になるたびに、彼の指先をぎゅうっと強く締め付け、
「イッたのか、可愛いな」
と嬉しそうに彼は、蜜壺の愛撫を激しくしていく。何度か同じ事の繰り返しをされると、絶頂に達する事も、痺れる感覚が快感という事も知った。
「あっ、はっ…あっ」
荒い呼吸を口でしていると、ズルッと蜜壺から指が抜けて、何故か物足りなく感じて腰がゆるりと動いた。
「ああ、今すぐに満たすよ」
余裕のない彼の声が、頭の中をすり抜け頭に残らない。私の呼吸が整う前に、くちゅっと下半身に当たる固い昂りが蜜口をいっぱいに広げながら蜜壺に入っていく。
「あぁ!!」
痛いとか、熱いとか、また快感が、とか頭の中をぐるぐると回り、背中がのけ反った事で腰をクッションに沈めると、シューラの両手が私の腰を掴み、強い力で動かないように固定した。
「ぐっ、っ」
ズズッと入っていく昂りが、蜜壺に栓をするように隙間なくくっついているみたいだ。シューラは上体を屈めると、ふるふると揺れる乳房を口に含み舌を這わす。
「あぅっ!…んっ」
下半身の圧で強張った身体が、乳房の愛撫で全身の力が抜けた。ちゅうちゅうと乳房を吸われながら、腰をすすめるのを止めないシューラ。腕を伸ばし彼の頭を抱きしめると、ぐんっと一気に蜜壺を貫かれ彼の昂りが最奥に入った。
「ん、っぁっん、ん」
お互いの口を貪り、熱い口づけを交わす。ズンッ、ズンッとリズミカルにシューラの腰が動き、抽送が激しく大きくなっていく。喘ぎ声も彼の口内へと出して飲み込まれ、腰にあった彼の手が私の乳房を揉み、腕を伝い背中に回り抱きしめられた。
「あ、あっん、あぁっ!んんっ」
名前を呼ぶのももどかしく、甘い声しか出ない。ぱんぱんっと肌のぶつかる音が大きくなり、一番の絶頂がやってくると短い喘ぎ声が出て、蜜壺の中にいる昂りをぎゅぅぅぅっと強く締め付けた。すると、
「はっ、ぐっ…っ」
と、シューラの唸る声がした後に、大きく膨れた昂りが弾けて熱い飛沫が蜜壺の最奥へと注がれた。
「あぅっ、んっぁ!シューラッ愛してっ」
「エシー、エシーッ!…ぐっ、愛してる」
想いを告げてタガが外れた私とシューラは、繋がったまま愛し合った。喘ぐだけだった行為も、お互いへの想いをぶつけるようになった。更に燃え上がってしまい求め合う事をやめれず、終わる頃にはお互い裸になっていた。
それでも彼の膝の上に向かい合わせに座り、小鳥のように啄むキスを続けた。むくむくと大きくなる彼の昂りを感じながら、緩やかに腰を動かすと結合部からお互いの愛の証が水音を立てる。
「…んっ」
今は何時だろうか、ぼんやりとそんな事を思っていると、いつの間にか外は暗くなっていて、月明かりだけが薄いカーテンの隙間から差し込んでいた。
「…っ!どうしようっ!王子に呼び出されていたのにっんんっ!」
自分がなぜここにいるのかを思い出した私は、立ちあがろうとして、固くなっている昂りから離れようとしたら、腰を掴まれまた膝の上へと座らされた。下からの突き上げが始まり、両腕を掴まれた。
「っ俺といるのにっ、他の男の話をするとは、っな、っ」
「違っ、あっ、あ、あ、っ」
嫉妬を隠そうともしないシューラに嬉しいと思いつつ、やってきた快感に王子の事など頭の隅へと追いやってしまった。
***************
すやすやと疲れ果てた彼女を、黒髪の巨体が愛おしげに見下ろす。彼女が気絶するように眠ってしまい、俺の寝室へと連れてきたのだ。
彼女の頬に掛かる髪を後ろへと退かすと、んっ、と可愛らしい声が漏れて、起こして愛でたくなるのをグッと堪えた。
コンコン
「…誰だ」
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「…俺だよ」
呆れた声色は、アイツだとすぐにわかった。眠る彼女に布団を被せ、情事の後が色濃く残す白い肌を隠す。
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「…悪い、どうしても彼女と離れられなくて」
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「…全く…本当、アーカルド王国のしきたりはよく分からないな」
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――アーカルド王国のアレクサンドル第一王子、愛称はシューラ…なのだから
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