婚約破棄された令嬢、気づけば王族総出で奪い合われています

 「――よって、リリアーナ・セレスト嬢との婚約は破棄する!」

 王城の大広間に王太子アレクシスの声が響いた瞬間、私は静かにスカートをつまみ上げて一礼した。

 「かしこまりました、殿下。どうか末永くお幸せに」

 本心ではない。けれど、こう言うしかなかった。
 王太子は私を見下ろし、勝ち誇ったように笑った。

 「お前のような地味で役に立たない女より、フローラの方が相応しい。彼女は聖女として覚醒したのだ!」
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