悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
 磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。

 その中心に、私は立っていた。
 ――今日、この瞬間のために。

「エレノア・フォン・リーベルト嬢」

 高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
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