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番外編 日常のいちゃいちゃ 投稿24ヶ月記念小説 好きなのにぃ護衛
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アーカルド王国の第一王子のアレクサンドル王太子は、大きな巨体でも窮屈にならない特注で作らせた執務椅子に座り
机に向かってせっせと溜まった書類を捌いていた。日に焼けた肌、真っ黒な髪と常時睨んでいるかのように誤解される鋭い眼差しは、泣く子も黙る怖さを持つ。もう生まれた時から住んでいる城で今さら彼を怖がる人はいないが、ある条件の時だけ不機嫌になる彼を怖がる人々はいる。だが、どんな時も王子を怖がらない…というか面白がって見る男がいる。
それは―――
「エシーは、もういるのか?」
あと少しで終わると思われる時に、書類を捌いていた手を休め、同じ執務室にいる護衛のマルに声を掛けた。
「はい、先ほどご子息とのひと時を過ごされたエステル第一王太子妃殿下が、主寝室へと向かわれたとの報告を受けました」
マルの淡々と話す声は何の感情も感じない冷たさを感じるが、口元が緩んでいて、面白そうに王太子を見ていた。同じ城内にいるのに、妻であるエステル王太子妃――エシーの行動が逐一報告されるのは異常だと、この幼馴染はいつも言う。しかも息子は可愛がるが、妻の愛情を一身に受ける息子に嫉妬をする時もあるから余計に面白い、とマルは今日はたどんなバカな事が起こるのか毎日が楽しくてしょうがない。
「……そうか、これが終わったらもう下がれ」
「かしこまりました」
ニヤニヤとする幼馴染の護衛に、何を考えているのか分かってしまった王太子は、居た堪れなくなり手元の書類に視線を落としながら自分に言い聞かせるように言った。
***************
「エステル王太子妃殿下、他にお疲れのところはごさいませんか?」
「いいえ、もう大丈夫だから下がっていいわ、お疲れ様」
夫婦のための私室でソファーに座り、お風呂上がりのマッサージを受けていた私、エステルは王太子妃専属で配属された侍女のミズナを下がらせた。
同じ部屋にいる飲み物の準備をしていたランや、主寝室の部屋の最終チェックをしていた侍女長のベラにも下がってもらうと、この部屋に残ったのは私と私の護衛でもある女性のヤミだけとなった。
「…もう来るかしら…まだ早いわよね?」
「いいえ…今頃はこちらに向かわれているのかと」
茶色い短髪の彼女は一見して男性に見えるけど、話してみると気さくで忠誠心が厚い、女性としては珍しい私の護衛だ。王妃の護衛は男性なのに、私の護衛は女性なのは何故なのかという疑問は、私が婚約してしばらくしてから一緒にいるから、もうどうでもいい事のひとつになっている。
この部屋に誰が来るかの話に、名前を出さなくても分かってしまうのは、もう2年も一緒にいるから意思疎通がちゃんと出来ているからじゃなくて…私の取り巻く環境が少しだけ特殊なのだ。
金色の長い髪は美しく手入れされ、夜でも室内の照明でもキラキラと輝いている。昨年子供を産んだとは思えないほどほっそりとした身体と長い手脚は、この城で働く使用人達の憧れの的だ。ここの使用人達がすごいのか…人からの自分に向けられる視線に鈍感なエステルは、そんな風に思われているなどつゆ知らず、普段接している人達に嫌われていないならいいやと、少しだけポジティブに生きている。そんな彼女を誰よりも慈しみ、時には暴走してしまう唯一の存在が昨年生まれた息子ではなくて――この国の第一王太子で私の夫でもあるシューラなのだ。いつもお風呂に入って一息ついた後を見計らったかのように執務を終わらせてやってくる夫が、今来るのではないかと私は思っていたんだが…ヤミもそう思っているらしい。最も私の護衛を務めるヤミは、これから誰が来るのかとか事前に知らされているのかもしれないけど、私にも知らされる事はない。もうこんな時間に、王太子であるシューラならともかく、私を訪れてくる人なんていないのだ。
基本的には王太子妃といっても、そんなにやる事がない。朝早くに職務に向かう――行く先は同じ城内だ――シューラを送り出して、またひと眠りした後は食事をして、生まれたばかりの息子のそばで過ごす。貴族を招いてのお茶会もあったりするが、防犯の観点から私から貴族の家へと向かうことはないし、国王陛下と王妃様と息子を交えてお茶会をすることもあるけど…それは毎日じゃない。大体夕方になると部屋に戻ってお風呂に入ったりしてしばらくすると、シューラが帰ってくる日々を過ごす。
舞踏会とかある時はまた違うスケジュールになるが…退屈かと言われたらそうじゃない。シューラに月のモノがくる日以外は、ほぼ毎日愛されるけど――寵愛を受ける私を見て早くも貴族達からは2人目もとの声も上がっていると聞いているが…そんな気配は見えない。それもそうだ、私は避妊薬を飲んでいるからまだ子を成せない。
まだ息子が生まれたばかり――というのもあるけど、遅い初恋を実らせた私達は2人の時間を過ごすのを優先しているからだ。幼い頃にあった王子様との顔合わせでは、王家のしきたりによって影武者であるマルとしか会っていなかったが、シューラは私を陰から見ていたって言っていた。一目惚れと言ってくれ、私もまだ王子の正体を明かせなかったシューラと会った時に彼に一目で恋に落ちた。護衛だと思っていた彼と結ばれて、こうして子供も出来た事で2人の仲を公の場で発表できた事が幸運すぎると、毎日が幸せいっぱいでたまに不安になってしまうくらいだ。
「…エシー?どうかしたか?」
ぼんやりと色々考え事をしていて、帰ってきたシューラに気が付かなかったら、具合でも悪いのかと、過保護な夫は私の心配をする。何でもない、と立ち上がろうとして、彼の大きな手が制すると、そのまま私を横抱きに持ち上げてしまう。
「ヤミ、もう下がれ」
「…はっ、かしこまりました、では明日の朝に…おやすみなさいませ、王太子妃殿下」
「うん、おやすみヤミ」
ヤミへと指示を出した後は、彼はヤミの返事を聞かずに歩き始めてしまった。私はシューラに抱きつきながらも、頭を下げているヤミに挨拶をすると主寝室の扉がパタンと閉まった。
***************
「今日は何をしていた?」
ベッドの中央にそっと置かれて、額に口づけを落とされながら、今日あったことを聞かれる。これはこれからたっぷりと愛されて、彼に言いたい事やして欲しい事が明日には疲れてしまって言えなくなる合図の言葉。
「今日は…っ、庭園を散歩して…っぁ、王妃とお茶を…んっ」
「そうか、それで?」
「それ…っで…んっ」
ちゃんとシューラに言おうとすると、彼は私の顔にキスの雨を降らせた後に首筋に顔を埋めた。ペロリと首筋を舐められ、強く吸われた後にチクッとした痛みを上書きするように甘噛みをされる。そのまま彼の大きな手が私の身体のラインをなぞると、着ていたバスローブの紐を解いてしまう。快感により上がっていく息を殺し、何とかシューラに今日の出来事を伝えようとするけど中々上手くいかない。私の身体を撫でる彼の腕を掴むと、シューラの顔が私の首筋から離れた。
「どうした?」
「ちゃんと触ってシューラっ、んんっ!」
普段ならバスローブ越しで身体中を撫でられても擽ったいだけなのに、上半身――といってもまだ首筋――を執拗に舐められたら、そんな触り方じゃ焦れてしまう。
私が願いを込めて言うと、彼は私の口を塞ぎ舌を絡められる。バスローブを剥ぎ取られて、薄手の夜着姿になるとベッドへと仰向けになった。シンプルなバスローブと麻のズボンを履いた彼はベッドに上がる時に、バスローブを脱いでしまう。
私の足の間に膝をつくと、ゆっくりと私に覆い被さり、私の肩の横に左手を付けた。私は腕を上げてシューラの首のうしろに回すと、彼は身体を屈めて私の唇を奪った。
「シューラッ、ぁ」
淡い口づけから舌の絡まる口づけ、お互いの舌をちゅうと吸い付き戯れる口づけに、口いっぱいに広がる彼の唾液を飲み込む口づけ。口づけというのは唇を合わせれば、口づけは口づけだ、と思っていたのに、シューラに与えられる口づけはそうではないとはっきり教えてくれた。かと言って他の誰かと試したいとは思わないけれども。素肌に触れる面積が多くなると、彼の体温の高い熱い身体が私の身体へ体温を移していくみたいに熱くなる。私とキスをしながら、私の着ている夜着を器用に脱がせていくシューラ。お尻を上げると下着まで脱がされ、あっという間に生まれた時の何にも身につけていない姿となる。
「は…あっ、っ」
足を広げてシューラの腰に足を巻き付けると、彼はその間にズボンを自分の足で下ろしていく。両手を掴まれ、万歳するようにベッドへと沈められると、彼は私の腕や脇にもねっとりと舌を這わせる。まるでここから動かすなとでも言われているようで、私は手の指先に当たった枕の端を掴んだ。
彼の腰に巻きつけた足に力を入れて緩く腰を動かすと、彼がズボンを脱いだ下の昂りは、すでにギンギンに固くなっていた。お互いの性器を擦り付けあっていると、
「早く一つになりたい…エシー座ってくれないか」
掠れて苦しそうな声を上げるシューラの言葉に、私は無言で従った。
「ん、ぁっ、んぅっ…っ、ん」
「口が止まってるぞ、エシー」
「だって…ッ…ぁぁあっ!」
私はシューラの顔の横に膝をつけ上に乗り、昂りを前に手と口を使っていた。秘部も何もかもシューラに丸見えの姿で、最初は恥ずかしくて死にそうだったけど、彼が私の蜜壺に舌が触れると恥ずかしさよりも快感が勝った。シューラが私の蜜壺から溢れる蜜を啜り、ピリッとした快感が頭をよぎり、握っていた手に力が入って昂りを強く握ってしまう。すると、手の中にあるシューラの昂りがぴくと動いて、先端からツユが溢れる。快感の余韻のぼぅっとする頭で、シューラの昂りの先端に舌を這わせて口の中へ入れたら、大きすぎる先端は私の口を大きく広げるだけでそれ以上は入らなかった。しょうがないので、赤子のようにちゅうちゅうと吸い付き、先端に舌を這わせると、シューラの両足が僅かに動いた。
「ぐっ…っ」
シューラは短い低い声を洩らすと、私の腰を抱きしめて私の下半身に顔を埋めた。先ほどよりも彼の息も舌遣いも感じて、より快感が増していく。もう身体を支えられないほどに力が弱くなったのは快感に抗えられなくなっているからだ。シューラの胸板よりも下のおへそよりも上のお腹に上半身を預けると、柔らかな乳房がむちゅっ、と形が変わる。手の中にある昂りが固くなった気がして、誘われるようにまた舌を出して昂りに舌を這わすと、次第に彼の昂りが私が舌を這わすたびにどくどくと脈を打っているかのような気がした。
力が抜けるという事は、彼の身体に自分の身体が乗っかってしまうという事で、彼の顔の上にある私の下半身が彼の顔の上に乗るのだ。
「あっ、ぁあっ!」
気持ちいいっ、とシューラの昂りを握り、彼の昂りに熱い吐息をかける。自分の意思とは違って揺れる腰は、浅ましくシューラにココを舐めて欲しいと強請っているみたいだ。彼の唇が私の蜜を吸い、舌で丹念に蜜口をほぐして、粒を舌で転がす。じゅるっ、と蜜を啜る音がして、頭の中で何も考えられなくなって真っ白になっていく。
「エシーッ、そろそろっ」
私の腰を掴んだまま起き上がったシューラがベッドの上に座り、固くなった昂りを私の蜜口に当てると、彼の上へと座るように誘導した。
「んっんぅっ、あっ、は…ぁっ」
荒い息を吐きながら、彼の上へと座ると、背中にシューラの胸板が当たる。ベッドのスプリングを利用して、下から突き上げられると、私の身体が上下に揺れた。二つの乳房が上下に揺れ、肩に顎を乗せたシューラが手を伸ばして、二つの乳房を揉み始めた。肩を甘噛みされ、ギシッと軋むベッドの音と甘い息が2人を包む。落ちないように、私の右の乳房を揉むシューラの手の甲に自分の手を重ねると、彼の手が私の乳房から離れて私の足をM字に開脚させた。下から突き上げられながら、繋がった箇所にシューラの右手が伸び、その手の甲に重ねていた手が一緒に移動された。
「あっ、あっ、しゅ、らっ…ぁっ、ん、んっ!ぁあっ!」
「ぐっ、っ、つ」
シューラは下生えを触って蜜口にある粒を弄ると、強烈な快感で絶頂へと達してしまう。ぎゅぅぅっと繋がった箇所を強めに締め付けながら、息をするのを忘れてぱくぱくと口だけが動いてしまう。低い呻き声が私の耳のそばで聞こえ、次第に蜜壺の中に熱い証を注がれたのに気がついた。
「…はっ…ぁっ、シューラッ、んっ、ぅ」
肩で大きく息をして、振り返ると荒々しく口を塞がれ舌が絡まる濃厚な口づけをする。
キスをしながら、そっとベッドに仰向けに寝かされると、今度はシューラに覆い被されて緩い抽送が始まった。ぐちゅぐちゅと結合部から蜜と、シューラが蜜壺に注いだ証が交わる音が絶え間なく聞こえた。
夜が明けると、疲れ切って気絶するように眠りについた彼女を抱きしめながらシューラはやっと眠りについたのだった。
数時間後には起きなくてはいけないが、ひどく満たされた気持ちのまま眠り、本当ならもう少し寝かせたいと思うが、彼女の大きな目が自分を見つめる紅瞳と気怠げで甘い声で言う、いってらっしゃい、を、仕事で忙殺されるこれからを乗り越えるために見たいシューラだったのだ。
机に向かってせっせと溜まった書類を捌いていた。日に焼けた肌、真っ黒な髪と常時睨んでいるかのように誤解される鋭い眼差しは、泣く子も黙る怖さを持つ。もう生まれた時から住んでいる城で今さら彼を怖がる人はいないが、ある条件の時だけ不機嫌になる彼を怖がる人々はいる。だが、どんな時も王子を怖がらない…というか面白がって見る男がいる。
それは―――
「エシーは、もういるのか?」
あと少しで終わると思われる時に、書類を捌いていた手を休め、同じ執務室にいる護衛のマルに声を掛けた。
「はい、先ほどご子息とのひと時を過ごされたエステル第一王太子妃殿下が、主寝室へと向かわれたとの報告を受けました」
マルの淡々と話す声は何の感情も感じない冷たさを感じるが、口元が緩んでいて、面白そうに王太子を見ていた。同じ城内にいるのに、妻であるエステル王太子妃――エシーの行動が逐一報告されるのは異常だと、この幼馴染はいつも言う。しかも息子は可愛がるが、妻の愛情を一身に受ける息子に嫉妬をする時もあるから余計に面白い、とマルは今日はたどんなバカな事が起こるのか毎日が楽しくてしょうがない。
「……そうか、これが終わったらもう下がれ」
「かしこまりました」
ニヤニヤとする幼馴染の護衛に、何を考えているのか分かってしまった王太子は、居た堪れなくなり手元の書類に視線を落としながら自分に言い聞かせるように言った。
***************
「エステル王太子妃殿下、他にお疲れのところはごさいませんか?」
「いいえ、もう大丈夫だから下がっていいわ、お疲れ様」
夫婦のための私室でソファーに座り、お風呂上がりのマッサージを受けていた私、エステルは王太子妃専属で配属された侍女のミズナを下がらせた。
同じ部屋にいる飲み物の準備をしていたランや、主寝室の部屋の最終チェックをしていた侍女長のベラにも下がってもらうと、この部屋に残ったのは私と私の護衛でもある女性のヤミだけとなった。
「…もう来るかしら…まだ早いわよね?」
「いいえ…今頃はこちらに向かわれているのかと」
茶色い短髪の彼女は一見して男性に見えるけど、話してみると気さくで忠誠心が厚い、女性としては珍しい私の護衛だ。王妃の護衛は男性なのに、私の護衛は女性なのは何故なのかという疑問は、私が婚約してしばらくしてから一緒にいるから、もうどうでもいい事のひとつになっている。
この部屋に誰が来るかの話に、名前を出さなくても分かってしまうのは、もう2年も一緒にいるから意思疎通がちゃんと出来ているからじゃなくて…私の取り巻く環境が少しだけ特殊なのだ。
金色の長い髪は美しく手入れされ、夜でも室内の照明でもキラキラと輝いている。昨年子供を産んだとは思えないほどほっそりとした身体と長い手脚は、この城で働く使用人達の憧れの的だ。ここの使用人達がすごいのか…人からの自分に向けられる視線に鈍感なエステルは、そんな風に思われているなどつゆ知らず、普段接している人達に嫌われていないならいいやと、少しだけポジティブに生きている。そんな彼女を誰よりも慈しみ、時には暴走してしまう唯一の存在が昨年生まれた息子ではなくて――この国の第一王太子で私の夫でもあるシューラなのだ。いつもお風呂に入って一息ついた後を見計らったかのように執務を終わらせてやってくる夫が、今来るのではないかと私は思っていたんだが…ヤミもそう思っているらしい。最も私の護衛を務めるヤミは、これから誰が来るのかとか事前に知らされているのかもしれないけど、私にも知らされる事はない。もうこんな時間に、王太子であるシューラならともかく、私を訪れてくる人なんていないのだ。
基本的には王太子妃といっても、そんなにやる事がない。朝早くに職務に向かう――行く先は同じ城内だ――シューラを送り出して、またひと眠りした後は食事をして、生まれたばかりの息子のそばで過ごす。貴族を招いてのお茶会もあったりするが、防犯の観点から私から貴族の家へと向かうことはないし、国王陛下と王妃様と息子を交えてお茶会をすることもあるけど…それは毎日じゃない。大体夕方になると部屋に戻ってお風呂に入ったりしてしばらくすると、シューラが帰ってくる日々を過ごす。
舞踏会とかある時はまた違うスケジュールになるが…退屈かと言われたらそうじゃない。シューラに月のモノがくる日以外は、ほぼ毎日愛されるけど――寵愛を受ける私を見て早くも貴族達からは2人目もとの声も上がっていると聞いているが…そんな気配は見えない。それもそうだ、私は避妊薬を飲んでいるからまだ子を成せない。
まだ息子が生まれたばかり――というのもあるけど、遅い初恋を実らせた私達は2人の時間を過ごすのを優先しているからだ。幼い頃にあった王子様との顔合わせでは、王家のしきたりによって影武者であるマルとしか会っていなかったが、シューラは私を陰から見ていたって言っていた。一目惚れと言ってくれ、私もまだ王子の正体を明かせなかったシューラと会った時に彼に一目で恋に落ちた。護衛だと思っていた彼と結ばれて、こうして子供も出来た事で2人の仲を公の場で発表できた事が幸運すぎると、毎日が幸せいっぱいでたまに不安になってしまうくらいだ。
「…エシー?どうかしたか?」
ぼんやりと色々考え事をしていて、帰ってきたシューラに気が付かなかったら、具合でも悪いのかと、過保護な夫は私の心配をする。何でもない、と立ち上がろうとして、彼の大きな手が制すると、そのまま私を横抱きに持ち上げてしまう。
「ヤミ、もう下がれ」
「…はっ、かしこまりました、では明日の朝に…おやすみなさいませ、王太子妃殿下」
「うん、おやすみヤミ」
ヤミへと指示を出した後は、彼はヤミの返事を聞かずに歩き始めてしまった。私はシューラに抱きつきながらも、頭を下げているヤミに挨拶をすると主寝室の扉がパタンと閉まった。
***************
「今日は何をしていた?」
ベッドの中央にそっと置かれて、額に口づけを落とされながら、今日あったことを聞かれる。これはこれからたっぷりと愛されて、彼に言いたい事やして欲しい事が明日には疲れてしまって言えなくなる合図の言葉。
「今日は…っ、庭園を散歩して…っぁ、王妃とお茶を…んっ」
「そうか、それで?」
「それ…っで…んっ」
ちゃんとシューラに言おうとすると、彼は私の顔にキスの雨を降らせた後に首筋に顔を埋めた。ペロリと首筋を舐められ、強く吸われた後にチクッとした痛みを上書きするように甘噛みをされる。そのまま彼の大きな手が私の身体のラインをなぞると、着ていたバスローブの紐を解いてしまう。快感により上がっていく息を殺し、何とかシューラに今日の出来事を伝えようとするけど中々上手くいかない。私の身体を撫でる彼の腕を掴むと、シューラの顔が私の首筋から離れた。
「どうした?」
「ちゃんと触ってシューラっ、んんっ!」
普段ならバスローブ越しで身体中を撫でられても擽ったいだけなのに、上半身――といってもまだ首筋――を執拗に舐められたら、そんな触り方じゃ焦れてしまう。
私が願いを込めて言うと、彼は私の口を塞ぎ舌を絡められる。バスローブを剥ぎ取られて、薄手の夜着姿になるとベッドへと仰向けになった。シンプルなバスローブと麻のズボンを履いた彼はベッドに上がる時に、バスローブを脱いでしまう。
私の足の間に膝をつくと、ゆっくりと私に覆い被さり、私の肩の横に左手を付けた。私は腕を上げてシューラの首のうしろに回すと、彼は身体を屈めて私の唇を奪った。
「シューラッ、ぁ」
淡い口づけから舌の絡まる口づけ、お互いの舌をちゅうと吸い付き戯れる口づけに、口いっぱいに広がる彼の唾液を飲み込む口づけ。口づけというのは唇を合わせれば、口づけは口づけだ、と思っていたのに、シューラに与えられる口づけはそうではないとはっきり教えてくれた。かと言って他の誰かと試したいとは思わないけれども。素肌に触れる面積が多くなると、彼の体温の高い熱い身体が私の身体へ体温を移していくみたいに熱くなる。私とキスをしながら、私の着ている夜着を器用に脱がせていくシューラ。お尻を上げると下着まで脱がされ、あっという間に生まれた時の何にも身につけていない姿となる。
「は…あっ、っ」
足を広げてシューラの腰に足を巻き付けると、彼はその間にズボンを自分の足で下ろしていく。両手を掴まれ、万歳するようにベッドへと沈められると、彼は私の腕や脇にもねっとりと舌を這わせる。まるでここから動かすなとでも言われているようで、私は手の指先に当たった枕の端を掴んだ。
彼の腰に巻きつけた足に力を入れて緩く腰を動かすと、彼がズボンを脱いだ下の昂りは、すでにギンギンに固くなっていた。お互いの性器を擦り付けあっていると、
「早く一つになりたい…エシー座ってくれないか」
掠れて苦しそうな声を上げるシューラの言葉に、私は無言で従った。
「ん、ぁっ、んぅっ…っ、ん」
「口が止まってるぞ、エシー」
「だって…ッ…ぁぁあっ!」
私はシューラの顔の横に膝をつけ上に乗り、昂りを前に手と口を使っていた。秘部も何もかもシューラに丸見えの姿で、最初は恥ずかしくて死にそうだったけど、彼が私の蜜壺に舌が触れると恥ずかしさよりも快感が勝った。シューラが私の蜜壺から溢れる蜜を啜り、ピリッとした快感が頭をよぎり、握っていた手に力が入って昂りを強く握ってしまう。すると、手の中にあるシューラの昂りがぴくと動いて、先端からツユが溢れる。快感の余韻のぼぅっとする頭で、シューラの昂りの先端に舌を這わせて口の中へ入れたら、大きすぎる先端は私の口を大きく広げるだけでそれ以上は入らなかった。しょうがないので、赤子のようにちゅうちゅうと吸い付き、先端に舌を這わせると、シューラの両足が僅かに動いた。
「ぐっ…っ」
シューラは短い低い声を洩らすと、私の腰を抱きしめて私の下半身に顔を埋めた。先ほどよりも彼の息も舌遣いも感じて、より快感が増していく。もう身体を支えられないほどに力が弱くなったのは快感に抗えられなくなっているからだ。シューラの胸板よりも下のおへそよりも上のお腹に上半身を預けると、柔らかな乳房がむちゅっ、と形が変わる。手の中にある昂りが固くなった気がして、誘われるようにまた舌を出して昂りに舌を這わすと、次第に彼の昂りが私が舌を這わすたびにどくどくと脈を打っているかのような気がした。
力が抜けるという事は、彼の身体に自分の身体が乗っかってしまうという事で、彼の顔の上にある私の下半身が彼の顔の上に乗るのだ。
「あっ、ぁあっ!」
気持ちいいっ、とシューラの昂りを握り、彼の昂りに熱い吐息をかける。自分の意思とは違って揺れる腰は、浅ましくシューラにココを舐めて欲しいと強請っているみたいだ。彼の唇が私の蜜を吸い、舌で丹念に蜜口をほぐして、粒を舌で転がす。じゅるっ、と蜜を啜る音がして、頭の中で何も考えられなくなって真っ白になっていく。
「エシーッ、そろそろっ」
私の腰を掴んだまま起き上がったシューラがベッドの上に座り、固くなった昂りを私の蜜口に当てると、彼の上へと座るように誘導した。
「んっんぅっ、あっ、は…ぁっ」
荒い息を吐きながら、彼の上へと座ると、背中にシューラの胸板が当たる。ベッドのスプリングを利用して、下から突き上げられると、私の身体が上下に揺れた。二つの乳房が上下に揺れ、肩に顎を乗せたシューラが手を伸ばして、二つの乳房を揉み始めた。肩を甘噛みされ、ギシッと軋むベッドの音と甘い息が2人を包む。落ちないように、私の右の乳房を揉むシューラの手の甲に自分の手を重ねると、彼の手が私の乳房から離れて私の足をM字に開脚させた。下から突き上げられながら、繋がった箇所にシューラの右手が伸び、その手の甲に重ねていた手が一緒に移動された。
「あっ、あっ、しゅ、らっ…ぁっ、ん、んっ!ぁあっ!」
「ぐっ、っ、つ」
シューラは下生えを触って蜜口にある粒を弄ると、強烈な快感で絶頂へと達してしまう。ぎゅぅぅっと繋がった箇所を強めに締め付けながら、息をするのを忘れてぱくぱくと口だけが動いてしまう。低い呻き声が私の耳のそばで聞こえ、次第に蜜壺の中に熱い証を注がれたのに気がついた。
「…はっ…ぁっ、シューラッ、んっ、ぅ」
肩で大きく息をして、振り返ると荒々しく口を塞がれ舌が絡まる濃厚な口づけをする。
キスをしながら、そっとベッドに仰向けに寝かされると、今度はシューラに覆い被されて緩い抽送が始まった。ぐちゅぐちゅと結合部から蜜と、シューラが蜜壺に注いだ証が交わる音が絶え間なく聞こえた。
夜が明けると、疲れ切って気絶するように眠りについた彼女を抱きしめながらシューラはやっと眠りについたのだった。
数時間後には起きなくてはいけないが、ひどく満たされた気持ちのまま眠り、本当ならもう少し寝かせたいと思うが、彼女の大きな目が自分を見つめる紅瞳と気怠げで甘い声で言う、いってらっしゃい、を、仕事で忙殺されるこれからを乗り越えるために見たいシューラだったのだ。
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