好きだから傍に居たい

麻沙綺

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ビックリ…泉

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 今日、登校したら、いきなり全校集会だなんて、何かあったとしか思えない。

 体育館に集合した後、壇上の上に理事長と謎のイケメン。

 えっ何?

 この世にあんなカッコいい人が居るの。
 自分の目を疑いながら、赤面してしまう。
 そういや、亜耶のお兄さんもカッコよかったけど、また違った感じのイケメンだ。
 その人は、理事長に紹介されると堂々と立って、真顔で周りを見渡した。
 そして、真顔から少し顔の表情が崩れた後。

『えー。本日から、こちらにお世話になります。高橋遥と言います。教科は、化学です。宜しくお願いします。』
 と、聞き取りやすい声音で挨拶した。
 遥って……、まさかね。


 そして、教室に戻り一時限目の授業。
 もちろん、さっき体育館で壇上に上がった、高橋先生。
 間近で見ても、カッコいい。
 惚れちゃいそうだよ(一番は、悠磨くんだけど)。
 そう思った。

 クラスの女の子達も、目がハートになってる。

「高橋先生って、彼女居るんですか?」
 って質問が飛んでる。
 あたしも気になるから、耳を傾けていた。
「彼女? うーん、嫁さん居るぞ。メチャ、可愛いんだよ。俺の一言一言に一喜一憂してくれる優しい嫁がな。」
 彼女の事を思ってるのか、優しい顔をする先生。
 大切な人なんだなって、思えた。
「遥先生って呼んでもいいですか?」
 うん、あたしもそう呼びたいです。
「それなぁ、やめてくれ。嫁が嫌がるから。」
 断固拒否モードの先生。
 嫁が嫌がる?
 それって、この学校に嫁さんが居るってこと?

 隣の悠磨くんを見ると、眉間にシワを寄せてる。
 何故か、湯川が苦笑してる。
 不思議に思ってると。
「亜耶の婚約者……。今は、旦那って言った方がいいか。」
 悠磨くんが、淡々と告げてきた。
「えっ!」
 ビックリしすぎて、大きな声になった。
「どうした小林。何か、質問か?」
 高橋先生が聞いてきた。
「何でもありません。」
 あたしは、そう答える。
 えっ、もう名前覚えたんですか?
「そっか。わからなければ、質問してこいよ。」
 笑顔で言う高橋先生に。
「はい。」
 返事で答えた。

 だけど、その笑顔が張り付けた笑顔に見えるのは、何故だろう?
 あたしの横では、悠磨くんと湯川が雑談してる。
「そこの二人。お喋りしてて大丈夫なのか? まぁ、大丈夫だから、喋ってるんだろうけど……。という事で、これ解いて。」
 意地悪な笑みを浮かべて、高橋先生が言う。
 不服そうな顔をする二人。
「二人とも前に出て解くんだ。」
 その言葉に二人は前に出て行く。

 問題を解きながら、チラリと三人の様子を伺うと、湯川と高橋先生が楽しそうに会話していて、時折亜耶の名前が聞こえてくる。

 湯川と高橋先生そんなに仲がいいの?

 何て思いながら、問題を解く。
 悠磨くんは、さっさと問題を解いて戻ってきた。
 流石だ。
「ねぇ、悠磨くん。さっきの本当なの?」
 あたしは、戻ってきた悠磨くんに聞く。
「亜耶の旦那ってことは、本当だそうだ。オレは、良く事情は知らないけど……。」
 悠磨くんが、言葉尻を濁す。
「悠磨。それ、おおぴろに言うなよ。亜耶が困る事にからな。」
 高橋先生が、悠磨くんを呼び捨てにした。
 悠磨くんと先生って、知り合いなの?
「それから、小林もな。」
 先生が、釘を刺してきた。
 ってことは、本当に亜耶の旦那様なんだ。

 あたしは、その言葉にコクリと頷いた。

「湯川、まだか?」
 高橋先生は、湯川の席に座りながら、茶々を入れる。
 
 そして、悠磨くんに何やら耳打ちをしてる。
「……わかりました。」
 悠磨くんが了承してるところを見ると、何かの約束ごとなんだろうと思った。


 キーンコーンカーンコーン。
 授業が終わるチャイムが鳴り響く。
「これわからなかった奴、明日までに解いておくように。」
 高橋先生は、それだけ言って教室を出ていった。
「ねぇ、悠磨くん。さっき先生に何て言われたの?」
 あたしは、気になってそう声を掛けた。
「ん? 亜耶に伝言を頼まれただけ。」
 淡々と言ってのける悠磨くん。
 伝言って……。
 何で、悠磨くんに?
「遥さんの左手薬指の結婚指輪見たか? シンプルでカッコよかった。」
 湯川が興奮したように言う。
 遥さんって、そんな呼び方したらダメなんじゃ……。

 まだ、周りに気付かれてないからいいものの、ばれたら知らないよ。
 でも、指輪は気になる。どんなのだろう?
「亜耶と対なんだよね。見せてもらいに行こうかな。」
 あたしがそう言って、席を立とうとしたら。
「やめておいた方がいいと思うぞ。それこそ、あの人の逆鱗に触れそうだ。」
 湯川が脅してきた。
 どう言う事だろう?
 首を傾げるあたし。
「そういう俺もしてるんだよね。だけど、遥さんのは世界に一点物の指輪だと思う。」
 羨ましそうに言う湯川。
 それは、仕方の無いことだと思う。
 あっちは社会人なんだから、差が出て当たり前だと思うが……。
 って言うか、さっきから湯川が"遥さん"って言ってるの他のクラスの子が不振がってる事に気付いていないこいつ。


 気付けば、湯川を睨み付けていた。







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