好きだから傍に居たい

麻沙綺

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疑惑①…梨花

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 何だか、最近の亜耶は、ソワソワしてる。
 何かあったのかなって思いながら、本人になかなか聞けずにいた。

 そして、新人の先生が来た。
 物凄いイケメンの先生で、周りもキャーキャー言ってる。しかも、来た早々うちのクラスの副担任だって言うんだから、滅茶苦茶嬉しいじゃん。
 ……で、自己紹介の時、やっぱり気になるのが彼女の有無。
「結婚は、最近したんだ。とっても可愛い嫁さんだよ。」
 と照れずに淡々と答える先生。
 その目線が、何処かに向かっていた。
 それを追えば、亜耶の方を見ていた。
 亜耶を見れば、少し顔が赤いような気もする。
 ちょ、ちょっと待って……。
 私は、内心慌て出した。
 亜耶の彼は、渡辺悠磨くんで、先生な筈無い。
 別れたとは、亜耶から聞いてないし……。
 何時か、話してくれるかな?

 一限目が終わり、龍哉と亜耶が二人で教室を出て行った。
 そういや、さっき担任に呼ばれていたっけ。
 暫くすると、龍哉だけが戻ってきた。
「ねぇ、龍哉。亜耶は?」
 私が、聞くと。
「ん? ちょっと、他の用事が出来たから別行動になった。」
 言葉を濁す龍哉。
 亜耶に、何かあった?
 あんな優等生が、問題起こすような事が?
 直ぐにチャイムが鳴ったから、自分の席に着いたけど、亜耶がまだ戻ってきてない。
 何で?
 自習だから、周りは煩いけど、誰も亜耶が居ないことに気付いてない(龍哉は、知ってるんだと思うけど)。
「梨花、どうしたの?」
 ユキが聞いてきた。
「ん? 亜耶がまだ戻ってきてないなって思って。」
 私の言葉にユキも亜耶の席を見る。
「ほんとだ。何かあったのかな?」
 ユキが、心配そうに言う。
 龍哉が、何か知ってそうだけど、聞いてみようかな。
 そう思って、席を立とうとしたら、前の入り口から亜耶が入ってきた。
 しかも堂々と。
 遅刻しておいて、そんなに堂々と出来るものなの?
 何て思っていたら。
「龍哉くん。」
 龍哉を呼び出したかと思ったら、何やら黒板に書き出した亜耶。
 あぁ、体育祭の選手決めか。
 龍哉と亜耶が何やら話し込んで、二人の名前がリレー枠に書かれてある。
  んじゃあ、私もリレーに出よう。
「亜耶。私もリレーに入れておいて。」
 そう言えば。
「どっちの?」
 と聞いてきたから。
「両方でいいよ。」
 と返事を返した。
 まぁ、競技に出るよりは、リレーの方が好きだし……。
 それよりも、高橋先生と亜耶の関係が気になって仕方がない。
 そういえば、最近亜耶の左薬指に指輪が嵌められてるのも何か意味があるのかなぁ?
 何て考えてれば、選手決めが終わっていた。
 亜耶は、黒板を消したかと思えば、新たに"文化祭の出し物について"と書き出した。
 それに併せるかのように次々と意見が出てくる。
 皆凄いなー。
 良く出てくるよ。
 感心してれば、龍哉の打ち止めの声。
 黒板を見れば、楽しそうなものがあった。
 へぇー、射的か……。
 楽しそう。
 そう思って見ていたら、射的の下に&輪投げって追加されてる。
 えっ、輪投げって……。
 何、亜耶、どっからそんな発想が出てきたの?
 これだったら、誰でも手軽に楽しめるよ。
 私は、迷わずに射的&輪投げに手を挙げた。
 そして、文化祭の出し物は、射的&輪投げに決まった。
 その直後、龍哉は亜耶に何か伝えてから、教室を出て行った。
 亜耶が、紙に何かを書いてるが、廊下を見て何かに気付いて、紙を持って出ていく。
 ちょっと気になって、廊下を見た。
 廊下には、高橋先生が居て、何やら亜耶が相談してる。
 なーんだ。ただの相談か……。
 って思った時だった。

 高橋先生が、亜耶を抱き締めたのだ。

 えっ……。

 見間違いじゃないかと思い何度も目を擦る。
 でも、今目の前で繰り広げられてるのは、先生が亜耶を愛しそうに見つめて、抱き締めてる姿だ。
 亜耶も嫌がってる風ではない。
 う、うそでしょ……。
 絶句した。
 でも、前に聞いたことがあるような……。
 あれって、先生の事だったんだ。
 だったら、何で教えてくれなかったんだろう?
 そんな事が頭に浮かぶ。

 今、目の前にいる亜耶がとても幸せそうに見える。
 先生と居る時が、一番自然体に見えるのは、何でだろう?

 あぁ、だから亜耶は、同年代の男子に興味持てなかったんだ。
 この時、妙に納得がいった。


 その後も、亜耶からの報告もないまま、何時話してくれるのかと待ったけど、言ってくる気配がない。

 何で言ってくれないんだろう?
 私、余り気が長い方じゃないんだけど……。
 私は、亜耶にとって親友に値しないのかなぁ?
 私は、亜耶の事親友だって思ってるのに……。












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