好きだから傍に居たい

麻沙綺

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居心地の良い場所…遥

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 一端家に戻って来た。
 自分の部屋に行く前にキッチンに行き冷蔵庫の中を見た。
 結構入ってるな。
 封が開いてないペットボトル飲料はそのままで良いだろうが、開いている他のモノは流しで捨てるか。
 冷凍が利く食材は、冷凍室に入れてっと、入れれないモノはどうするかなぁ。
 何て考えながら、自室に行き着替えとノートパソコンを鞄とスーツケースに入れていく。 
 必要なモノを仕舞い終えた時にプルルと携帯が鳴り、画面を見ればお義母さんからだった。
 電話に出ると。
『遥さん、お昼どうします?』
 との問い合わせで、行く時間伝えてなかったか。
「お昼は外で食べてから行きます。」
 と答えた。
『分かったわ。雅斗も来るって行ってたから、夕飯はみんなで食べましょう。』
 お義母さんが言う。
 あっ、そうだ。
「お義母さん。家に有る食材持って行っても良いですか?」
『良いわよ。もったいないから持って来て。』
 快い返事が返って来て安堵す。
「夕方前にはそちらに着くようにしますね。」
 俺が言うと。
『気を付けて。待ってるわ。』
 お義母さんはそう言い残し電話を切った。

 良し、取り敢えずこの荷物は玄関に持って行って、それから、保冷用の袋に保冷剤を入れて食材を詰め込んで……。

 良し、これで心配はいらないだろう。
 戻って来て、冷蔵庫の中が悲惨なのは悲しいもんな。

 帰って来て直ぐに準備に取りかかったから、少し喉が渇いたな。
 亜耶の方もそろそろ準備終わらせてる頃合いだろう。
 亜耶の部屋に行きドアをノックして。
「亜耶、準備できた?」
 ドア越しに声をかける。
 配慮しての事だが。
「うん、出来たよ。」
 と返事が返ってきた。
「中に入るぞ。」
 俺はそう声を掛けてから中に入り、部屋に準備されていたスーツケースと通学に使っている鞄を指して。
「この二つか?」
 聞いた。
「うん。」
 亜耶の頷きを見て。
「運ぶな。少し休憩してから出るからな。」
 俺は部屋に有る二つの荷物を手にして部屋を出て玄関に向かう。
 玄関に有る荷物を見て、以外に少ないか、と思わずにいられなかった。

 キッチンに行けば、亜耶が冷蔵庫の中を見ていた。
「何やってるんだ?」
 背後から声をかければ、肩を揺らして此方を振り向く亜耶。
「冷蔵庫の中が空っぽ。」
 と口にする。
「あぁ、それなら俺が片付けた。」
 その言葉に驚いた顔をして俺を見てくる。
 まぁ、あれでけ入ってたのが、開封前の飲料しか残ってないんだから、驚くよな。
「冷凍かけれる物は冷凍にして、出来ないのは保冷袋に入れて持って行く事にしたんだよ。お義母さんに相談したら、持ってきて良いって言ってくれたからさ。飲み物は流石に無理だから、流しに捨てたな。」
 俺が説明すれば納得いったのか、ホッとした顔をする亜耶。
「ほら、ソファーに座ってな。今、紅茶淹れてやるから。」
 俺は、そう言って亜耶をリビングに追いやった。

 亜耶が好きなミルクティーは作ってやれないが、さっぱりするアイスティーなら作ってやれる。
 俺は、ケトルに水を入れて火にかけて湯を沸かす。その間にグラスを二つだし、ティーポットに茶葉を入れて湯が沸くのを待つ。
 チラリとリビングに目を向ければ、気が抜けてる亜耶の姿が目に入った。
 何をするでもなく、ただ呆然としている。
 どうしたんだ?
 気になるが、その前に紅茶を淹れなければ……。
 タイミング良くお湯が沸き、ティーポットに注ぎ蒸らしている間にグラスに氷を入れる。
 濃いめに蒸らしたものをグラスに注いで、ガムシロップを入れて混ぜたものを手にして、亜耶の所へ行く。

「亜耶、どうしたんだ?」
 声をかけると。
「あのね。ここが私が帰る場所なんだって改めて思ったの。」
 と言い出した。
 俺はそんな言葉が返って来るとは思わず、驚きと嬉しさで笑みを浮かべていた。
「あぁ、そうだ。亜耶が帰って来る場所はここだ。俺と住むな。何でそう思ったんだ?」
 俺は、手にしていたグラスを亜耶に渡すと一口飲んでから。
「ソファーに座った時にね、ホッとしたの。したら自分の居場所はここだって認識したの。」
 亜耶の返答に俺はとても嬉しく思った。
 一時期は、嫌煙されてたのだが、今はそんな事微塵も感じない。
 寧ろ好かれている、頼られている事に喜びさえ感じている。
「そうか、ここは亜耶にとって居心地が良い場所になってるんだな。まぁ、俺も何だがな。」
 亜耶の隣に座り頭を撫でる。

 亜耶が居心地の良い場所は、俺にとっても居心地に良い場所だ。
 思いが同じなら、この空間を保てるように俺も努めるようにしよう。
 そう思いながらグラスに口を付けた。





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