好きだから傍に居たい

麻沙綺

文字の大きさ
177 / 183

ランチの前に…亜耶

しおりを挟む


 ここに来るのは、三回目だ。
 一回目は由華さんと、二回目は陸上大会後。
 店の雰囲気も気に入ってるし、メニューが季節ごとに変わってる(定番の物も有るけど)。
 だから飽きる事無く来る事が出きる(まだ三回目だけど)。
 席は、遥さんにエスコートされながら一番奥の窓側に座った。

 早速メニューを開き見ていく。
 目移りしてしまいどうしようか悩んでると。
「亜耶、何にするか決まったか?」
 遥さんが聞いてきたので。
「カルボナーラとミートドリアで悩んでる。」
 即答すれば。
「どっちも頼めばいいだろ。半分ずつ食えばいい。」
 と返ってきた。
「それだと遥さんが食べたい物が食べれないでしょ?」
 と言い返せば。
「ん、俺も頼むから気にするな。」
 って。
 メニュー二つ頼んで、プラス1って、絶対残しちゃうよね。
 それは作った人に申し訳ないよ。
 と思ってると。
「頼むぞ。」 
 遥さんはそう言うと店員さん呼び。
「カルボナーラ一つ、ミートドリア一つ、チーズオムライス一つ。後、ミルクティーとホットコーヒー一つずつ。」
 とオーダーした。
 店員さんは確認のため繰り返してから去って行った。
「チーズオムライスなんてメニューに有りましたっけ?」
 私は、メニュー表を確認するが、何処にも記載されてない。
 無いメニュー頼んでも大丈夫なの?
 疑問に思いつつ遥さんを見れば、苦笑を浮かべ。
「メニューには無いけど、俺が何時も頼むヤツだ。」
 得意気に言うから、更に疑問が生まれる。
 そんな事出来るの?
 遥さんだから?
 謎が謎を生んでしまう状態の私。
 そんな時に。
「遥さんではないですか!」
 との声が掛かり、そちらに向くと美女がニコリと笑みを浮かべて此方にやって来た。
 私が視線で誰?と問いかけると。
「ユウキフーズの社長令嬢だ」
 小声で教えてくれた。
 ユウキフーズって、あの優しいご夫婦の娘さん?
 疑問系になってしまうのも仕方が無い。
「遥さん、宜しければあちらでご一緒にどうですか?」
 断られる事が無いと自信満々で言う彼女。 
 その傲慢の態度からあのご夫婦のご息女とは思えなかった。
 私の事は、眼中に無いみたいで、一身に遥さんを見つめている。その目には、熱が孕んでいる。
 だけど、遥さんは私の事を見る気もない彼女に腹を立てたのか、作り笑いを浮かべ。
「すまないが、妻も一緒なので遠慮しておきます。」
 と私が普段聞かない声音で言い放つ(遥さん、恐いです)。
 彼女はその言葉に向かい側に座っている私に目線を向けて、値踏みするように私を見て。
「妻って…、こんなお子さま相手するのも大変ですね。」
 蔑むような笑みを浮かべ述べる言葉は、私の心を抉る。
 どうせ、子供ですよ。
 と心の中でやさぐれて居ると。
「そんな事言っていいのか。亜耶は、鞠山家のお嬢さんだぞ。」
 遥さんが、憐れんだ目を彼女に向けながら言う。
 彼女はそんな遥さんの事を見て何も思わないのか、それとも気付いていないのか、分からないけど。
「何時も主人がお世話(?)になっております。遥の妻、亜耶です。旧姓は鞠山です。」
 と自己紹介する私。 
 なのに。
えんに山の円山さんでしょ?」
 と聞いてきたから。
「違います。手鞠のまりに山です。」
 と答えると微かに動揺し出す。
 それでもまだ結び付かないようだった。
 そこに。
「全会長の愛しい孫娘が亜耶だ。」
 と追い討ちを掛けるように遥さんが言えば、狼狽えだし。
「失礼しました。知らなかったとは言え、言ってはいけない事を口にしてしまいました。申し訳有りませんでした。」
 と頭を下げた。
 ゆかりさんあのひとと違って、過ちを直ぐに謝ってくれた事に許せてしまう。
 でも、これはどうしたらいいんだろう?
 遥さんを見れば、飽きれ顔をしていた。
「頭を上げて。分かったのなら、自分に席に戻るなり帰るなりしたら。」
 遥さんがそう告げるとガバッと頭を上げて。
「失礼しました。」
 脱兎のごとく席に戻っていったのだった。


 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる

鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳―― それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。 公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。 だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、 王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。 政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。 紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが―― 魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、 まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。 「……私が女王? 冗談じゃないわ」 回避策として動いたはずが、 誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。 しかも彼は、 幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた―― 年を取らぬ姿のままで。 永遠に老いない少女と、 彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。 王妃になどなる気はない。 けれど、逃げ続けることももうできない。 これは、 歴史の影に生きてきた少女が、 はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。 ざまぁも陰謀も押し付けない。 それでも―― この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。

貴方の側にずっと

麻実
恋愛
夫の不倫をきっかけに、妻は自分の気持ちと向き合うことになる。 本当に好きな人に逢えた時・・・

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

女性が少ない世界でVTuberやります!

dekoma26+ブル
恋愛
ある日朝起きてキッチンに行くとそこには知らない男性たちが! …え、お父さん⁉ なぜか突然女性の少ない世界に来てしまった少女がVTuberをしたり、学校に通ったりするお話。 ※初日一気に4話投稿してから恋愛大賞エントリーしたため文字数5万これから(´;ω;`)みんなも参加するときは注意してね! ※忘れてなければ毎週火曜・金曜日の夜に投稿予定。作者ブル

【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします

恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。 王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい? つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!? そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。 報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。 王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。 2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……) ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

生贄巫女はあやかし旦那様を溺愛します

桜桃-サクランボ-
恋愛
人身御供(ひとみごくう)は、人間を神への生贄とすること。 天魔神社の跡取り巫女の私、天魔華鈴(てんまかりん)は、今年の人身御供の生贄に選ばれた。 昔から続く儀式を、どうせ、いない神に対して行う。 私で最後、そうなるだろう。 親戚達も信じていない、神のために、私は命をささげる。 人身御供と言う口実で、厄介払いをされる。そのために。 親に捨てられ、親戚に捨てられて。 もう、誰も私を求めてはいない。 そう思っていたのに――…… 『ぬし、一つ、我の願いを叶えてはくれぬか?』 『え、九尾の狐の、願い?』 『そうだ。ぬし、我の嫁となれ』 もう、全てを諦めた私目の前に現れたのは、顔を黒く、四角い布で顔を隠した、一人の九尾の狐でした。 ※カクヨム・なろうでも公開中! ※表紙、挿絵:あニキさん

【完結】欲しがり義妹に王位を奪われ偽者花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとドキドキしていたらイケメン王に溺愛されてます。

美咲アリス
恋愛
【Amazonベストセラー入りしました(長編版)】「国王陛下!わたくしは偽者の花嫁です!どうぞわたくしを処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(にっこり)」意地悪な義母の策略で義妹の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王女のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯? 

恋が温まるまで

yuzu
恋愛
 失恋を引きずる32歳OLの美亜。 営業課のイケメン田上の別れ話をうっかり立ち聞きしてしまう。 自分とは人種が違うからと、避けようとする美亜に田上は好意を寄せて……。

処理中です...