105 / 145
高校生編と再婚約の条件
仕事の前に…遥
しおりを挟むどうしよう。
今日、亜耶の学校の球技大会(何で知ってるかって、伯父から連絡があったから)。
見たい!
だが仕事放棄して行くわけにはいか無いし。
俺が、頭を抱え込んでると。
「どうした、遥? 何悶えてるんだ?」
雅斗が怪訝な顔をして俺を見る。
「あー…。」
これ言ったら、飽きられるか……。
「全く。お前が考え込んでる時は、亜耶の事だろうが。」
言う前から飽きられてる。
「あのさぁ、亜耶の学校に行きたいなぁ……なんて。」
俺が正直に口にすると。
「だと思った。球技大会が気になるのか?」
苦笑しながら言う。
アハハ……、ばれてるよ。
「ハァー。わかったよ。付き合ってやるから、その代わり、そのまま外回りだからな。」
そう言ったかと思うと、鞄を掴んで立ち上がる。
「サンキュー。」
俺も鞄をもって、後に続いた。
「で、どこで聞き付けたんだ。」
社用車に乗り込むと雅斗が口を開いた。
俺は、運転席に雅斗は、後部座席に……。
「う~ん、理事長?」
昨日の夜突然伯父からの電話で知ったんだ。
「何で、疑問符。しかも伯父さんからか……。」
苦笑を漏らしながら、納得してる。
雅斗には言ってあるから、覚えていたんだろう。
「じゃあ、俺は車で待ってるから、亜耶に会ったら戻ってこいよ。」
雅斗の優しさに感謝しながら、車を走らせた。
学校の門を潜り、駐車場に車を停め、降りるとグランドに向かう。
そういや、亜耶、どっちに出るんだ?
俺の時と変わっていないのなら、女子はバレーかテニスだ。
去年までテニスをやっていた亜耶の事だ、テニスの方だろうなと辺りをつけて、テニスコートの方へ足を向けた。
生徒達の後ろからコートを覗き込む。
今、ここにいるとは限らないけど……。
「あの子、可愛いよな。何年生なんだ?」
と何人かがその言葉に頷いてるのが伺える。
あの子って?
周りが、ザワついてる。
あっちこっちで声が上がってる。
まぁいいや。
俺は、自分の目的を果たすべきコートを見る。
居た。
亜耶が、素振りしてる。
うん。相変わらず可愛い。
コートの方に近付きながら、こっち向かないかなァ。って思っていると亜耶の視線が、こっちに向いた。
ヤバ、俺の思念が通じたのか。
亜耶が、こっちを見て驚いた顔をしたかと思ったら、満面の笑顔を向けてきた。
あっ、もうそんな顔見せるな。俺の方が、浮かれるだろうが……。
「あの子、こっち向いて笑った。俺にだろうか?」
「イヤ。オレだって」
周りが騒ぎだす。
勘違い男が多すぎる。
悪いな、餓鬼ども。亜耶が笑顔を向けたのは俺にだよ。
何て、優越感に浸っては居たが、仕事中だ、早く行かないと雅斗に怒られる。
俺は、咄嗟に腕時計をしてる腕を持ち上げて。
『ありがとう。ガンバれ!』
亜耶に解るようにゆっくりと簡潔的に口を動かして言う。
亜耶の満面の笑顔がさらに増して、周りを沸かせる。
うん、亜耶の笑顔で疲れが飛んでさらにやる気が出た。
さて、仕事に戻るか。
待たせてる雅斗には、自販機でコーヒーでも買って戻れば、取り敢えず大丈夫だろう。
俺は、中庭に設置されてる自販機で雅斗が、好んで飲んでいるコーヒーを買い車に戻った。
「ありがとうな、雅斗。」
俺は、運転席に乗り込むとコーヒーを差し出しながら、お礼を言った。
「亜耶に会えたか?」
雅斗が苦笑混じりで問てきた。
「直接は無理だったけど、何とかお礼は言えた。」
「そっか。この後の仕事は、遥が頑張れよ。」
雅斗が、無茶ぶりをする。
「やれる範囲でなら、頑張るぞ。」
俺が言うとさらに苦笑を浮かべていた。
0
あなたにおすすめの小説
先生
藤谷 郁
恋愛
薫は28歳の会社員。
町の絵画教室で、穏やかで優しい先生と出会い、恋をした。
ひとまわりも年上の島先生。独身で、恋人もいないと噂されている。
だけど薫は恋愛初心者。
どうすればいいのかわからなくて……
※他サイトに掲載した過去作品を転載(全年齢向けに改稿)
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
お嬢様は地味活中につき恋愛はご遠慮します
縁 遊
恋愛
幼い頃から可愛いあまりに知らない人に誘拐されるということを何回も経験してきた主人公。
大人になった今ではいかに地味に目立たず生活するかに命をかけているという変わり者。
だけど、そんな彼女を気にかける男性が出てきて…。
そんなマイペースお嬢様とそのお嬢様に振り回される男性達とのラブコメディーです。
☆最初の方は恋愛要素が少なめです。
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
お嬢様は新婚につき誘惑はご遠慮します
縁 遊
恋愛
初恋の人との恋を実らせて結婚したお嬢様の高宮 菫(たかみや すみれ)。
新婚の菫奥様には悩みがいっぱい。
旦那様には溺愛されてどう対応して良いかも分からないし、結婚してから地味な化粧を止めたらいろんな人から誘われる様になってしまって…こちらも対応に困ってしまう。
天然で憎めないお嬢様(新婚奥様)の何気ない日常のお話です。
溺愛いえ…激甘にする予定です。
苦手な方はご遠慮下さい。
作品は不定期更新になります。
これは『お嬢様は地味活中につき恋愛はご遠慮します』の続編です。
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる