聖獣に転生した僕は推しの悪役令嬢を幸せに導く〜ヒロインなんてやっつけちゃうもんね〜

ネコフク

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10、ぽーん

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 結局チョロ王子をどうするかの策なんか今の僕たちには捻り出せず。

 まあ王子もまだ5才、おいおいに考えようという先延ばしを選択した。

 ヒロインの魔力属性も不明。ただ気になるから王太子妃エトランジュに話しておくわとママンが言ってたので、そのうち進展があるかもしれない。







『さあ今日は遠くの森に行くぞ』

 いつも聖獣御殿やその周辺で魔力操作や使い方を習っていた僕とにいちゃんにパパンが『真面目にやっているからご褒美だ』と王都の外れにある森にピクニックに行くことを提案してくれた。

 王宮から出たことがない僕たちはぴょんぴょん跳ねて大喜び。まあにいちゃんと違って僕はポテポテとしか跳べないけど。

 ぐぬぬ・・・・・・早く大きくなりたい。

 ピクニックって言っても森の中にある小さな泉に行くだけ。でも初めてのお出かけ(?)だから凄く楽しみなのだ。

『しっかり掴まっているんだぞ』

 パパンの背中にはにいちゃんが。僕はママンの上にがっしりとへばりつく。ママンの毛ふかふかで気持ち良いなぁ。

『では行くぞ』

 そう言って走り出すと王宮の壁を重量無視して駆け上がり屋根に飛び移る。

『うおぉぉぉすげえ!』

『はにょ~』

 王宮の屋根の上から見えるのは日本とは違うヨーロッパのような石造りの街並み。所々にある大きな屋敷は貴族の家なのかな?王都の広さももしかしたら東京都くらいあるのかもしれない。
 見慣れない景色にやっぱり異世界転生したんだなぁとしみじみ。

『息子達よ、今見ている景色の左側にある森が目的地だ。少し飛ばして走るからしっかり掴まってなさい』

『うふふ~久々の全力疾走たぎるわぁ♪』

 ママンのセリフに不穏な響きを感じながらも僕はドキドキわくわくしていたらいきなり王宮の屋根からぽーんと飛び地面に着地、そのままスピードを上げ走り難なく城壁を越え王都へ向かう。

『わはははすげえ!景色が流れていく!』

『はにょーーー!!』

 パパンとママンが屋根からぽーんとしたトコから急激な降下、ハイスピード走って飛ぶ様はジェットコースター!
 にいちゃんは喜んでいるけど僕は掴まるのが精一杯で景色を見る余裕はない。

『ホホホホホホ』

 よほど嬉しいのかパパンの後ろをママンが上機嫌に笑いながら駆けている。前世でも散歩すると毎回全力疾走しようとする犬がいたけど、ママンはその犬と同じ匂いがするよ。

『は、にょ、は、にょ、は、にょ』

 事前に隠匿魔法を使い街中を抜けて森に行くと聞いてた通り王都に入っても誰も僕たちの事に気づいていない。まあ気づかれちゃったら大騒ぎになるしね。

『は、にょ、は、にょ、は、にょ』

 それはいいとしてママンスピード出し過ぎじゃないですかねぇ。背中に伝わる振動がちっさいボディには過分で舌を噛まないよう口を閉じようとしても振動で勝手に声が出るんですけど!

 しかもなびくママンの背中の毛が僕の鼻をコチョコチョしてくすぐったい。あ、ダメ出そう。

『はぶっ!・・・・・・はにょ?はにょ~~~!!』

 ママンの毛にくすぐられくしゃみをした途端、体が宙に。くしゃみをして少し力が抜けたのが悪かったみたい。ママンの力強い走りに僕のちっちゃな体はいとも簡単に弾かれた形で宙に浮いてしまった。

 走りに夢中なママンはそれに気づかず、パパンも風を切る音で小さな僕の声は届いていない。

 放り出された僕は放物線を描くようにぼてっと地面に落ち、何度かバウンドして転がり止まる。結構派手に転がり落ちたのに頑丈な体とモコモコボディで痛みはない。

『はにょぅ・・・・・・』

 ママンの背中から落ちた衝撃より見渡すと既に走り去って気配すら感じられない両親にボーゼンとする。

 周りを見渡しても王宮内しか知らない僕には見覚えも何もない。

『はにょ~ここどこ?』
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