聖獣に転生した僕は推しの悪役令嬢を幸せに導く〜ヒロインなんてやっつけちゃうもんね〜

ネコフク

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11、ヒロインとの遭遇

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 困った。

 めっさ困った。

 隠匿魔法は僕単体にはかけられてないから黒いモコモコボディは丸見えになっている。しかし運よく人がいない場所に落ちたからセーフ。いやママンから落ちた時点でセーフじゃないけとね!(投げやり)

『はにょ~』

 ふむぅ、どうしたものか。とりあえず両親が走って行った方向へ向かってみようと、慣性の法則で転がった土だらけの体をブルブルと震わせ土を払う。

『よし、行くぞ』

 フンスと気合いを入れとてとてと歩き出す。

 とてとてとて

 とてとてとて

 とてとてとて

『・・・・・・』

 足 が 短 く て 距 離 を 稼 げ な い !

 なんてことでしょう。5cmもないあんよでは追いつくどころかざっくりしか知らない目的地に何日かかるのか。

 チミっ子ボディが憎い。

 習った身体強化魔法で脚力を上げて走ればそれなりに・・・・・・いけるのか?このあんよで。

「あーあそこになんかいるー」

『ほぇあ?』

 これからどうしようかとゆっくり悩んでいたのが悪かった。男の子と女の子の二人組に見つかってかけ寄られてしまい反射的に飛び退く。

「なんか怖がってるみたいだよ」

「ふーん。黒い犬って珍しいね」

 (聖獣だけどね)

 服装がアル◯スの少女に出てくるハ◯ジや◯ーターのような格好だから市井の子なんだろうな。やめなよーと男の子が止めても持ってる木の枝で僕を女の子がつつこうとしてくる。やべぇなこの女の子。

「汚れてるけど可愛くない?あたしに似合いそう」

『はにょ、はにょ~!』

 あたしに似合いそうって何だよとキッと睨んで驚く。

 女の子がヒロインピンク頭でした!

 何で分かったかって?髪色がピンクなのはヒロインしかいない設定だったからだよ。それを知ってて自分は特別って思っているタイプだった。

そもそもゲームのヒロインが自分は特別な人間だって自覚している設定はダメでしょ。だからヒロインに萌えないし内容もクソ認定されちゃうんだよ。

「でもこの子高そうな首輪してるからお貴族様の飼い犬かもよ」

「はあ?あたしに似合うんだからあたしのものでしょ!」

 王子と同い年だから5才の女の子があたしに似合いそう=あたしのもの!というジャイアニズムを発動してるけど、僕はピンク頭のものじゃないからね!

 しいて言えばアリアーナのもの(予定)だからっ。

「この子を連れてればもっとみんながあたしに注目するわ」

 はにょー!僕はアクセサリーじゃないっつーの!そういえばあのゲームヒロイン自分が目立つような選択肢が多かったなぁ。

『はにょ~!』

「あっ、逃げた!ミゲル捕まえて!」

「わ、わかった」

 ピンク頭お前が捕まえようとしないのかい!

 さすがヒロイン自分で動かず人を顎で使うとは。あの男の子も大変だな。捕まる気はさらさらないけど。

 足に身体強化の魔法をかけ転がりそうになりながら逃げる僕を男の子が追いかけてくる。あまり早く走れないけど子供よりは早く走れているのが幸いだ。

 右に左に建物の角を曲がりそこにできていた影にとぷんと入り込み息を潜める。

 (忍法影隠れ・・・・・・なんつって)

「あれ?いない」

 男の子がキョロキョロして僕を探すけど僕は影の中、見つかりません。《影隠れ》は闇属性の魔法の一つで影の中に体を沈める魔法。熟練度が上がれば影から影へ移動する《影渡り》が使えるようになるよ。曇りや夜は影が出ないから使えないけどね。

「ねえ犬は?」

「うーんどっか行っちゃった」

「もう使えないわね!」

「ごめん・・・・・・」

 後から歩いて来たヒロインは僕に逃げられたと知ると持ってる枝で男の子を叩いている。

 えー・・・・・・ヒロインってこんなに暴力的だっけ?こっわ、ヒロインこっわ。

 あんなのに王子達恋に落ちたの?やべーです。にいちゃんゲーム通りになったら王国の危機だよ。

 影の中ではにょはにょと恐れおののいていたら諦めたらしく男の子を引き連れヒロインはいなくなった。

 胸を撫で下ろし影から出て辺りを見回すと、慌てて逃げたのが仇となりここがどこなのか全く分からなくなってしまった。

 うん、いわゆる迷子だね。

 おにょれヒロインめ~!
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