知らぬはヒロインだけ

ネコフク

文字の大きさ
13 / 29

十二話(アリサ②)

しおりを挟む
 パーティー当日の格好は白いドレス。この世界のドレスって何か野暮ったいから私がデザインしてキープ君の家で作らせたもの。「色が~スカートの丈が~」とかぐちぐち言ってきたけど無視した。着たらほら、すっごい似合う。それに合わせて腕輪をジャラジャラ着ける。前世でも好きでいっぱい着けてたんだよね。イヤリングとネックレスも大ぶりのものをチョイス。宝石だとさすがに買ってもらえなかったからガラスだけど、そんなの見ただけじゃ分からないからいいよね。

 会場に入るとみんな一斉に見てくる。斬新なドレスを着た可愛い私に釘付けだし。女達なんて悔しそうな顔をしてる。あー気持ちいい。

 おっと、それよりもクエスフィールとミハエルを探さなくっちゃ。あっ、いた!2人共チョー格好良いんですけど!

 2人がいる所へ行こうとするとみんなが道を開けてくれる。ふふっ、注目の的で気持ちいいわ。

「クエスフィール様、ミハエル様お待たせしました!」


 ・・・・・・あれ?

 思ってたのと反応が違う。クエスフィールはシスティアの頭にキスしてるし、ミハエルはアラベラを抱き寄せ自分の体に胸を何度も押し当てガン見している。エロ王子かよ。

 見かねたのかアラベラが話しかけてくる。え、白は着ちゃダメ?足出しと腕輪は娼婦?大きな宝石はNG?知らない、そんな設定あったっけ?知らなかったって言っても聞き入れてもらえず、結局別室に連れて行かれ暗記するまで開放されなかった。

 こうなったらガンガン個別イベントを進めていこうと思ったらパーティー後から何故か攻略対象者に殆ど会えなくなった。会っても一歩引いた感じ。今まではベタベタしても鼻の下を伸ばしていたのにやんわりとたしなめられる。
 ただでさえ学年が違うと会う機会が無いのに、会ってもこれだとイベントを回収出来ない!

 結局何も出来なくてイライラをモブで解消する。モブとのセックスは気持ちいいからいいんだけど、やっぱりクエスフィールとミハエルとセックスしたい!






 次に来た共通イベントはダンジョン踏破。全学年参加で数人でパーティーを組んで攻略する好感度アゲアゲのイベント。

 ヒロインを守りながら進み、途中庇われるように抱きしめられたりおでこにキスされたりドアップなスチルが見られる最高のイベントなのよ!だからフリフリのボレロにミニスカートとニーハイで可愛く決めたのに何で⁉

 ガチダンジョン?ゲームではちょちょいとクリアできるダンジョンだったしパーティーも好きな人同士が組めたのに!

 どうせ簡単に使えるようになるからって授業サボって空部屋で組んずほぐれずしてたからか、超初心者グループに入れられた。文句を言ったら実力が無いしペラペラの装備では超初心者コースしか行けないって言われてしまった。

 助けを求めるように周囲を探したら・・・・・・いた!

 4人共ガチ装備じゃん!なんで⁉

 呆気に取られてたら周りが「さすがAランク」とか「レベル高い生徒に合わせてダンジョンを変更している」とか聞こえきたんだけど。だからそんな設定あったの⁉知らないんだけど⁉

 こうなったら実力行使だと走って向かったけど、間に合わなかった。

 間に合ったとしてもタグを持っていない人は行けない仕様になっていると後から聞いた。


 あんなにやり込んだのに知らない事ばかりなんたけどーーー⁉
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから

えとう蜜夏
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。 ※他サイトに自立も掲載しております 21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ  Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.  ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

婚約破棄、別れた二人の結末

四季
恋愛
学園一優秀と言われていたエレナ・アイベルン。 その婚約者であったアソンダソン。 婚約していた二人だが、正式に結ばれることはなく、まったく別の道を歩むこととなる……。

女騎士と文官男子は婚約して10年の月日が流れた

宮野 楓
恋愛
幼馴染のエリック・リウェンとの婚約が家同士に整えられて早10年。 リサは25の誕生日である日に誕生日プレゼントも届かず、婚約に終わりを告げる事決める。 だがエリックはリサの事を……

さよなら 大好きな人

小夏 礼
恋愛
女神の娘かもしれない紫の瞳を持つアーリアは、第2王子の婚約者だった。 政略結婚だが、それでもアーリアは第2王子のことが好きだった。 彼にふさわしい女性になるために努力するほど。 しかし、アーリアのそんな気持ちは、 ある日、第2王子によって踏み躙られることになる…… ※本編は悲恋です。 ※裏話や番外編を読むと本編のイメージが変わりますので、悲恋のままが良い方はご注意ください。 ※本編2(+0.5)、裏話1、番外編2の計5(+0.5)話です。

【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。

西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。 私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。 それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」 と宣言されるなんて・・・

【完結】あなたの『番』は埋葬されました。

月白ヤトヒコ
恋愛
道を歩いていたら、いきなり見知らぬ男にぐいっと強く腕を掴まれました。 「ああ、漸く見付けた。愛しい俺の番」 なにやら、どこぞの物語のようなことをのたまっています。正気で言っているのでしょうか? 「はあ? 勘違いではありませんか? 気のせいとか」 そうでなければ―――― 「違うっ!? 俺が番を間違うワケがない! 君から漂って来るいい匂いがその証拠だっ!」 男は、わたしの言葉を強く否定します。 「匂い、ですか……それこそ、勘違いでは? ほら、誰かからの移り香という可能性もあります」 否定はしたのですが、男はわたしのことを『番』だと言って聞きません。 「番という素晴らしい存在を感知できない憐れな種族。しかし、俺の番となったからには、そのような憐れさとは無縁だ。これから、たっぷり愛し合おう」 「お断りします」 この男の愛など、わたしは必要としていません。 そう断っても、彼は聞いてくれません。 だから――――実験を、してみることにしました。 一月後。もう一度彼と会うと、彼はわたしのことを『番』だとは認識していないようでした。 「貴様っ、俺の番であることを偽っていたのかっ!?」 そう怒声を上げる彼へ、わたしは告げました。 「あなたの『番』は埋葬されました」、と。 設定はふわっと。

見切りをつけたのは、私

ねこまんまときみどりのことり
恋愛
婚約者の私マイナリーより、義妹が好きだと言う婚約者ハーディー。陰で私の悪口さえ言う彼には、もう幻滅だ。  婚約者の生家、アルベローニ侯爵家は子爵位と男爵位も保有しているが、伯爵位が継げるならと、ハーディーが家に婿入りする話が進んでいた。 侯爵家は息子の爵位の為に、家(うち)は侯爵家の事業に絡む為にと互いに利がある政略だった。 二転三転しますが、最後はわりと幸せになっています。 (小説家になろうさんとカクヨムさんにも載せています)

【完結】地味な私と公爵様

ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。 端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。 そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。 ...正直私も信じていません。 ラエル様が、私を溺愛しているなんて。 きっと、きっと、夢に違いありません。 お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)

処理中です...