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15.誕生日と予定外
シトカさんからのお願い
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幸せな誕生日を終え、そろそろ次の町に移動しようか考えていた2人は今日も冒険者ギルドに顔を出していた。
「【黒猫】さん、お願いがあるけど、ちょっとお話をいいかな?」
最近ギルドにいなかったシトカさんが話しかけてきた。
「お久しぶりですシトカさん。最近見かけなかったけど、元気でした?」
そうラウールが返事をして、シトカの顔を見ると、少しやつれていた。
「元気と言えな元気なんだけど、ちょっと訳があって。ギルマスは出てこれませんが、私からのお願いを聞いてもらえません?」
「どうしたの? 何か依頼? 僕とサクラはそろそろ旅に出ようと思っているから、長くかかるものでなければいいけど・・・。」
そう言われたシトカさんは表情を曇らせた。
「長いのは無理か・・・。でも【黒猫】が入ったら早く終わるかもしれないから・・・。」
何か込み入った話なのか、話し合いができるように、一室に移動した。
そしてシトカさんから聞かされた話がこれである。
誰も受けてくれなかったゴブリンが増えている事の調査を、結局はギルドで行うことになった。その中でもシトカさんは調査が上手いギルド職員だったようだ。そしてシトカさんが調べた感じでは、ゴブリンの上位種が誕生しているのは確実なようだ。その為、ゴブリンの勢力に押され、弱い魔物が今までより街道近くに出現しているようだった。
中にはオークと鉢合わせた馬車もあり、今回出現している上位種は、かなりの高ランクとみられる。そして、オークが外に追いやられるほどと言うのは、集団の数も、百単位か千に届くかもしれないという事だ。
ゴブリンとはいえ魔物。通常の人間は大人が数人がかりで1匹を討伐する魔物。それが千いたとすると、上位種がいなくともかなりの高ランクの冒険者を招集しなければならない。
そして、出来るだけ広範囲の殲滅攻撃ができる冒険者を集めることで、冒険者や街の人々の被害を抑えたいようだ。まだ小さな町や村にも被害がない今の時点で、ゴブリンの拠点を殲滅する作戦を立てていると言う。
ギルマスのウールは今、そちらにかかりきりだと言う。
「ん~、殲滅作戦ですか・・・。参加したいですけど、目立つのは嫌ですね・・・。さすがに、この殲滅作戦で広範囲殲滅魔法を使用すると、目立ちますよね。サクラも目立たせたくないので・・・。」
「通用では目立つね・・・。それでも【黒猫】には参加してもらいたいんだけど、無理かな?」
「無理ではないけど、何か対策はないのかな? 人に被害がないようにしたいのはやまやまだけど、目立つか目立たないかなんだよね・・・。冒険者の集団になるでしょ? サクラだけでなくて、僕も嫌なんだよ、目立つのは・・・。」
そう言われるとシトカも考えた。
そしてラウールも、誰かが犠牲になることは嫌なので考えた。
サクラもその話を聞いて考えている。
・・・・・
・・・・
何かを考えながら、サクラが口を開いた
「ねえシトカさん? 今回の作戦の参加者はだいぶ決まっているの?」
「ある程度の人選は済んでいます。参加が決まった冒険者もいます。」
「その中の一番強い人はどのランク?」
「Sランクパーティーが2つあります。」
「Sランクパーティーって、ゴブリンの集団にはどれくらいの戦力になるの?」
ちょっと考えてからシトカが、
「通常ゴブリンが千匹だったら、2パーティーで半分以上は殲滅できると思います。その後も勢いをつけて、残りのゴブリンにも攻撃を加えることが出来ると思います。ただ、他の冒険者にも被害は大きいと思います、数の暴力は強さ以上に危険ですから・・・。」
「そう・・・、勇者は今回は参加しないの?」
「今回は勇者様は残念ながら参戦できません。情報を上げましたが、防衛であれば参戦するという事です。」
「じゃあ、今回予想されるゴブリンの上位種はどれくらい強いの?」
「おそらくゴブリンキングかゴブリンロードがいると思っています。キングはAランク、ロードはSランクです。ただ、ロード種は、その個体の経験により強さに変動があるので・・・。これはダンジョンでなく野生なので・・・。だから野生は早めに討伐したいのです。経験するほど強くなり、時に進化するので・・・。」
・・・・・・
・・・・
「わかったわ、参戦しましょうラウール。」
「それでいいのサクラ。目立ってしまうよ。」
「今回は仕方がないわ。ただ、この討伐依頼が終わったらもう出発してもいい?」
「それはいいけど・・・、目立たない方法も考えておこうよ。」
「そうね・・・・。シトカさん、作戦はいつになるの?」
「もう少し作戦を練り、戦力も集めるので、もう1週間程度は必要です。」
「そう、わかった。じゃあサクラと僕、【黒猫】は参戦します。作戦日や、集合する日があれば教えてね。」
「ありがとうございます!! 心強いです。勇者様は表立って言いませんが、お2人を尊敬しているみたいですよ?」
そういってシトカさんと別れた。
シトカさんはまじめな話になって、口調も丁寧になっていた。さすが冒険者ギルドの受付!
ラウール達は当日にどうやって目立たないか?
そうやって犠牲を少なくするかを考えていた。
「【黒猫】さん、お願いがあるけど、ちょっとお話をいいかな?」
最近ギルドにいなかったシトカさんが話しかけてきた。
「お久しぶりですシトカさん。最近見かけなかったけど、元気でした?」
そうラウールが返事をして、シトカの顔を見ると、少しやつれていた。
「元気と言えな元気なんだけど、ちょっと訳があって。ギルマスは出てこれませんが、私からのお願いを聞いてもらえません?」
「どうしたの? 何か依頼? 僕とサクラはそろそろ旅に出ようと思っているから、長くかかるものでなければいいけど・・・。」
そう言われたシトカさんは表情を曇らせた。
「長いのは無理か・・・。でも【黒猫】が入ったら早く終わるかもしれないから・・・。」
何か込み入った話なのか、話し合いができるように、一室に移動した。
そしてシトカさんから聞かされた話がこれである。
誰も受けてくれなかったゴブリンが増えている事の調査を、結局はギルドで行うことになった。その中でもシトカさんは調査が上手いギルド職員だったようだ。そしてシトカさんが調べた感じでは、ゴブリンの上位種が誕生しているのは確実なようだ。その為、ゴブリンの勢力に押され、弱い魔物が今までより街道近くに出現しているようだった。
中にはオークと鉢合わせた馬車もあり、今回出現している上位種は、かなりの高ランクとみられる。そして、オークが外に追いやられるほどと言うのは、集団の数も、百単位か千に届くかもしれないという事だ。
ゴブリンとはいえ魔物。通常の人間は大人が数人がかりで1匹を討伐する魔物。それが千いたとすると、上位種がいなくともかなりの高ランクの冒険者を招集しなければならない。
そして、出来るだけ広範囲の殲滅攻撃ができる冒険者を集めることで、冒険者や街の人々の被害を抑えたいようだ。まだ小さな町や村にも被害がない今の時点で、ゴブリンの拠点を殲滅する作戦を立てていると言う。
ギルマスのウールは今、そちらにかかりきりだと言う。
「ん~、殲滅作戦ですか・・・。参加したいですけど、目立つのは嫌ですね・・・。さすがに、この殲滅作戦で広範囲殲滅魔法を使用すると、目立ちますよね。サクラも目立たせたくないので・・・。」
「通用では目立つね・・・。それでも【黒猫】には参加してもらいたいんだけど、無理かな?」
「無理ではないけど、何か対策はないのかな? 人に被害がないようにしたいのはやまやまだけど、目立つか目立たないかなんだよね・・・。冒険者の集団になるでしょ? サクラだけでなくて、僕も嫌なんだよ、目立つのは・・・。」
そう言われるとシトカも考えた。
そしてラウールも、誰かが犠牲になることは嫌なので考えた。
サクラもその話を聞いて考えている。
・・・・・
・・・・
何かを考えながら、サクラが口を開いた
「ねえシトカさん? 今回の作戦の参加者はだいぶ決まっているの?」
「ある程度の人選は済んでいます。参加が決まった冒険者もいます。」
「その中の一番強い人はどのランク?」
「Sランクパーティーが2つあります。」
「Sランクパーティーって、ゴブリンの集団にはどれくらいの戦力になるの?」
ちょっと考えてからシトカが、
「通常ゴブリンが千匹だったら、2パーティーで半分以上は殲滅できると思います。その後も勢いをつけて、残りのゴブリンにも攻撃を加えることが出来ると思います。ただ、他の冒険者にも被害は大きいと思います、数の暴力は強さ以上に危険ですから・・・。」
「そう・・・、勇者は今回は参加しないの?」
「今回は勇者様は残念ながら参戦できません。情報を上げましたが、防衛であれば参戦するという事です。」
「じゃあ、今回予想されるゴブリンの上位種はどれくらい強いの?」
「おそらくゴブリンキングかゴブリンロードがいると思っています。キングはAランク、ロードはSランクです。ただ、ロード種は、その個体の経験により強さに変動があるので・・・。これはダンジョンでなく野生なので・・・。だから野生は早めに討伐したいのです。経験するほど強くなり、時に進化するので・・・。」
・・・・・・
・・・・
「わかったわ、参戦しましょうラウール。」
「それでいいのサクラ。目立ってしまうよ。」
「今回は仕方がないわ。ただ、この討伐依頼が終わったらもう出発してもいい?」
「それはいいけど・・・、目立たない方法も考えておこうよ。」
「そうね・・・・。シトカさん、作戦はいつになるの?」
「もう少し作戦を練り、戦力も集めるので、もう1週間程度は必要です。」
「そう、わかった。じゃあサクラと僕、【黒猫】は参戦します。作戦日や、集合する日があれば教えてね。」
「ありがとうございます!! 心強いです。勇者様は表立って言いませんが、お2人を尊敬しているみたいですよ?」
そういってシトカさんと別れた。
シトカさんはまじめな話になって、口調も丁寧になっていた。さすが冒険者ギルドの受付!
ラウール達は当日にどうやって目立たないか?
そうやって犠牲を少なくするかを考えていた。
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