異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第２３話 エリーゼマリーナとパーティー 中編

エリーゼマリーナ達と話していると、周囲から視線が集まっている
「エリーゼマリーナ様、申し訳ありませんが、少し所用に行ってきます」
イールスが言い、歩いていき、ロイホールも着いてくる

会場に戻ろうとすると、３人の男が待っている
「おい、お前！ エリーゼマリーナとどんな関係だ！！」
男が怒鳴り、睨んでいる
「パーティーで知り合って、好意にして貰っていましたが、何か御用でしょうか？」
「それだけか！！ エリーゼマリーナ様を狙っているじゃないのか！！」
「え？ 狙う？ 何でしょうか？ 友達ですが…」
苦笑いして言うと、男達が顔を見合わせている
「惚けるな！！」
男が近付きながら怒鳴ると、ロイホールが怯えている
「エリーゼマリーナ様のお知り合いなのでしょうか？」
「そうだ！！ 将来妻にする予定だ！！」
男が大声で言うと、後ろで睨んでいたエリーゼマリーナが近付いてくる
「何をなさっているのですか？ 誰が妻ですか？」
エリーゼマリーナ達が男達の後ろまで来て、睨んでいる
（何を言っているのですか？ それもイールス様を怒鳴るなんて、許しません！！ ）

「え！ エリーゼマリーナ様…えーと…」
男が慌ててキョロキョロしていると、２人の男は、呆然と見ている

「あ！ イールス様、お久し振りです」
アリシアとフレシカがやってくる
「アリシナ様、フレシカ様、本日もお元気そうで嬉しく思います」
笑顔で頭を下げると、男達がイールスを見ている
「アリシナ様、フレシカ様も御一緒しませんか？」
エリーゼマリーナが微笑みながら誘う
「エリーゼマリーナ様、お久し振りです」
アリシナが笑顔でイールスを見ている
「イールス様、こちらの方は？」
フレシカが男達を見ている
「無視して良いです。 ただのパーティー参加者です」
エリーゼマリーナが笑顔で言うと、男達を睨んでいる
「そうなのですか？ 先程、怒鳴り声が聞こえたと、話している人達がいましたが…まさかイールス様にちょっかいを？」
フレシカが男達を睨みながら言う
（イールス様を怒鳴るなんて、どうしようかしら？）

「フレシカ様もイールス様の勇姿をみたいのですね」
エリーゼマリーナが微笑みながら言い、男達を睨んでいる
（イールス様を怒鳴るなんて、許さないですよ）

「えーと、そのーー…」
男が後退りしながら動揺している

このままだと、恨まれるかな？

「エリーゼマリーナ様、あちらで先程の続きを話しましょう、アリシナ様も良いでしょうか？」
「はい！ イールス様」
アリシナが満面の笑顔でイールスを見ている
「イールス様に免じて、今日は許します。良いですね」
エリーゼマリーナが睨みながら言うと、歩いていく。男達は、安堵したような顔で、エリーゼマリーナの後ろ姿を見ている

「イールス様、ゲイゼーラの御父様から、正式に謝罪が有りました。もう、２度と近付かないと約束してくれました」
アリシナが笑顔でイールスを見詰めている
「それは良かったです。これで安心してパーティーを楽しめますね」
「はい！ フレシカ様とクレーシアがいつも一緒に居てくれます。 イールス様がパーティーに参加してないか、探していました…」
「イールス様が家の話をしないからですね」
エリーゼマリーナが微笑みながら言う
「冒険者になるつもりなので、家柄などどうでも良いのですが…」
「イールス様本当に冒険者に？」
アリシナが真剣にイールスを見詰めている
「はい、迷宮訓練もこの間行きました…代わりに王立学院の入学試験を受けるように、言われてしまいました…必要ないのに」
「え？ 王立学院に！！ 今から間に合うかしら…」
アリシナが驚いて考え込み始める
「イールス様、御父様に王立学院の試験を受けたいと言います」
フレシカが真剣に言う
「フレシカ、楽しみですね」
エリーゼマリーナが笑顔で言う
「お母様に言います…勉強も頑張らないと」
アリシナが真剣に言い、エリーゼマリーナが微笑みながらアリシナを見ている

「アリシナ、やっと見付けました」
クレーシアが小走りでやってくる
「クレーシア、もう良いのですか？」
「え？ アリシナ、エリーゼマリーナ様とお友達に？」
クレーシアが驚いている
「クレーシア様、本日もお変わり無く嬉しく思います」
「イールス様、この集まりは何故でしょう？」
クレーシアが、周囲の女性達を見ている
（各家の令嬢が１０人も…それも侯爵家のエリーゼマリーナ様まで…）
「え？ ゲイゼーラ様の所為ですが…エリーゼマリーナ様のお友達です」
「アリシナが楽しそうで良いのですが…ライバルになりそう…」
クレーシアが小声で呟くと、女性達がイールスを見ている

え？ 何？ 何かしたかな？ 目立つのは…どうしたら？

「クレーシア、今年王立学院の試験はまだ間に合いますか？ イールス様が受けるそうです」
アリシナが意を決して聞く
「え！イールス様が！！ 大変です！ 帰ったらすぐに準備しましょう」
クレーシアがイールスを見ながら言う
「はい！クレーシア」
アリシアが少し不安そうに言う

グラスが割れる音がすると、イールスは、振り向き、転んでいる少女を見つける。少女の側に女性が少女を見下ろしている
「ドレスが汚れたら、どうしてくれるのよ！ 謝ることもできなくて？………」
女性が見下しながら少女に言っている。少女はどうして良いか解らず、涙を浮かべている

「あの、どうかなさいましたか？」
イールスは、近付き女性に聞く
「え？ ぶつかって、グラスを落としただけですわ」
女性が少し驚きながら、イールスを睨みながら言う
「立てますでしょうか？ お怪我は無いですか？」
イールスが少女に手を差し出すと、少女が驚いてイールスを見ている。女性も驚きながら、イールスを見ている

少女の手をとり、少女が立ち上がろうとする
「イタっ！」
少女がバランスを崩すと、イールスが慌てて抱き支える
「足を痛めてしまいましたか？ 腕に掴まれますか？」
「え！ はい…」
少女が驚きながら、イールスの腕を掴みながら立ち上がる
「申し訳ありませんが、お詫びの前に怪我の治療を先にしてきても宜しいですか？」
女性を見ながら、頭を下げて言うと、周囲の人達が女性に視線が集まる
「え？ もう宜しくてよ…早く治療をしてきてください」
女性が慌てて言い、立ち去っていく

イールスは、少女をエスコートして、会場を出ると、侍女に少女を任せて、戻ってくる
「イールス様、優しすぎます」
アリシナが真剣に見詰めている
「アリシナを助けた時を思い出します」
クレーシアが微笑みながら、イールスを見ている
「イールス様は、本当に素晴らしい人です」
エリーゼマリーナが微笑みながら見ていると、周囲の令嬢達が口々に褒めている

暫くすると、少女が戻ってくる
「先程は、ありがとうございました」
少女がイールスの側に来ると、イールスに声を掛け、真剣にイールスを見ている
「ご挨拶が遅くなり、申し訳ありません。イールスと申します。以後お見知りおきして貰えたら、嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をすると、アリシア達も少女を見ている
「リーシアノリアです。宜しくお願いします」
「本日は御一人ですか？」
「向こうに姉がいます…まだ慣れてないので、友達もいません」
リーシアノリアが慌てて言い、遠くの人集りを見ている
「御一緒致しますか？」
リーシアノリアを見ながら言うと、ロイホールを見る
「はじめまして、ロイホールです。宜しくお願いします」
ロイホールが慌てて挨拶をして
「ロイホール様、宜しくお願いします」
リーシアノリアが驚きながら、イールスを見ている。アリシナ達と話し始めると、リーシアノリアとロイホールは一緒に聞いている