異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第220話 前日の準備 後編

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イールスとリシリアが屋敷に戻り、応接室に向かう
「メデル様、本日も御美しい姿を拝見できて嬉しく思います。メサリア様、帰りが遅くなり大変申し訳ありません」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「メリーサリアは、明日西門に向かわせます…イールス何か忘れてないですか?」
メデルがイールスを睨んでいる
「忘れ物ですか? 何か有ったかな… 無いと思いますが…」
イールスが考えながら言う
「やっぱり…イールス、馬車に持ってきました…あんなに置いていくな!! 作るだけ作って引き取りに来ないなんて何を考えている!!」
メデルが怒鳴り始めると、メサリアが笑っている

「買取り分だと思いますが…」
「イールス!! 買い取れないから持っていきなさい!! 既に上級ポーション1万本と中級ポーション1万本は受け取ってます!! 残りは持っていけ!! 自重はどうした!! 2人で何万本作った!! 材料も持ち込んでとんでもない事をするな!! 兎に角引き取れ!!」
メデルがキレて怒鳴っている
「持ち物が多くなるので、メデル様にあげます」
「はーーーーーイールスいい加減にしなさい!! どうして簡単にあげるなんて言う!! メサリアどうにかしなさい!! セーレン様も知らんぷり… バウルトリア師も手に負えないと言う始末…イールスに自重させれないなんてどうにかしなさい!! 兎に角買取り出来ないから、イールスの持ち物です!! 良いですね!! 」
メデルが怒鳴っている
「先程、食料を詰め込んだので、持ちきれないですが…」
イールスが嫌そうに言う
「馬車事持っていけ!! 兎に角持っていけ!! 置いていきます!! イールス自分で作りすぎたのですから、責任とれ!!」
メデルが叫んでいる
「メデルがキレましたのーーー イールスがポーション作りすぎましたのーーーー」
メサリアが笑顔で言う
「メサリア!! いい加減現実を見なさい!! 誰の所為でこんなに怒鳴っているのですか!! メサリアも責任とれーーーーーーー」
メデルがメサリアに怒鳴っている

イールスとリシリアが馬車に向かい、馬車の中を見ている
「イールス、瓶が勿体無いから、大瓶のまま持っていけ!! 職員達も大瓶200本分の瓶が集まらないと言ってます!! 上級万能薬に劣化エリクサーに上級ポーション…  」
メデルが説明している
「手分けしてしまうか…リシリア頼んだよ」
イールスが馬車から下ろして貰い、魔法の鞄にしまい始める

「なんとかしまえたけど… この辺りはもしもの時の為にヘルクドール様に保管して貰うかな?」
イールスがポーションを見て言う
「はい、兄様」
リシリアが笑顔で言う
「本当にしまった…魔法の鞄凄い…」
メデルが苦笑いしている
「倉庫にしまっておいてね」
イールスがセバスを呼んで貰い伝えると、セバスが人を集めて、運んでいく

メデルを見送ると、食堂に向かい、ヘルクドールとアーセリオドールとロイホールとメサリアとアーメリアとシズラーザに丁寧に挨拶してから食事を食べ始める
「イールス、ポーション本当に良いのか?」
アーセリオドールが苦笑いして聞く
「持ちきれないです。 前日に持ってこなくても良いのに」
「あの数物凄い価値だが…  」
ヘルクドールが苦笑いしている
「王家に売ってください…仕返しになりませんでした…」
イールスが笑顔で言う
「バウルトリア師から言われたのは…この事か… 国庫が空になり、ポーションが溢れていると… 作りすぎたのか?」
ヘルクドールが苦笑いして聞く
「前日に持ってくるなんて、嫌がらせに思えます。 荷物が多すぎます… バロンにも持たさないと…」
イールスが溜め息しながら呟く
「イールス、明日の出発は、屋敷を出る所までにするが…良いな」
ヘルクドールがイールスの様子を見て言う
「下賤な身の半人前の未熟者に見送りなんて必要ないです。 大変申し訳ないと思っています」
イールスが頭を下げて言う


翌朝、イールスとリシリアが準備をしている
「イールス様、無事のお帰りを待っています」
サメーリアが着替え終わったのを見て言うと、オリフィーネもイールスを見ている
「長く留守にするけど…オリフィーネちゃんを頼んだよ」
イールスがサメーリアを見て言う
「イールス様のお帰りまでオリフィーネちゃんの事は任せて下さい…」
サメーリアが少し涙目になっている

サメーリアが泣きそうだな…泣かせた方が良いのかな?

「サメーリア寂しいと思うけど待っていてね」
イールスが微笑みながらサメーリアの顔を見ている
「少し寂しいですが…イールス様宛の手紙が到着したら…恋文は保管しておきますね」
サメーリアが笑顔になり言う
「恋文なんて来ないから!!」
「そうですか? 昨夜メデル様より預かりました」
サメーリアが笑顔で手紙を差し出す
「え! 何故?」
「イールス様の驚いた顔嬉しく思います。中も確認しても宜しいですか?」
サメーリアが笑顔で言う
「サメーリア!! 確認するから開けないで」
イールスが慌てて受け取り中を確認している

「見せて貰えますか?」
サメーリアが笑顔で言う
「え! これは…」
イールスが慌てている
「メデル様より申し入れの事と伺っていますから」
「サメーリア!! 面白がったの?」
「イールス様の焦っている顔面白かったです。 早く帰ってきて下さいね…メサリア様に報告をしておきます」
サメーリアが笑顔で言う

兵士達が先に出ていくと、イールスとリシリアも馬車に乗ろうとしている
「イールス兄さん…帰ってきてね」
シスラーザが泣きそうな声で言う
「シスラーザ様、オリフィーネちゃんと仲良くして貰えますか? 」
イールスが笑顔でしゃがみシスラーザの顔を見ている
「フィーネちゃんと仲良しです…ありがとう…早く帰ってきて…」
シスラーザが涙目で言う
「必ず帰ってきます」
イールスが笑顔で言うと、メサリアが微笑みながらシスラーザを見ている

「イールス御兄様、御無事の御帰還待っております。 護衛の4人連れていかないで良いのですか?」
ロイホールが笑顔でイールスを見ている
「4人は元々セーレン様が同行するために付けて貰ったので、ロイホール様の護衛にするのが1番です」
イールスが笑顔で言う
「イールス、無事に帰ってくるのだぞ…出来れば最後ぐらい兄と呼んでくれないか?」
アーセリオドールが笑顔でイールスを見ている
「下賤な身の半人前の未熟者ですから、畏れ多いです。御遠慮申し上げたいと思います」
イールスが頭を下げて言うと、アーメリアとメサリアが笑っている
「最後まで変わらないか…」
「イールス、無茶はしないように…緊急の時はこのレズムード伯爵家の旗を使うように」
ヘルクドールが言うと、セバスが軍旗を差し出している
「畏れ多いです… 将軍旗も有りますので必要ないと思っております」
イールスが頭を下げている
「何か有った時の為だ!! 国王陛下や各家からも頼まれている… 今回は必ず持っていくように… 3伯爵家に2侯爵家に公爵家からの要請なんて断れない」
ヘルクドールが説明すると、イールスが仕方無さそうに受け取り、魔法の鞄にしまっている
「イールス、後で見送りに行きますね…アリシナちゃん達の別れの惜しむ姿を見ます」
メサリアが笑顔で言う
「メサリア…行くのか? 」
ヘルクドールが苦笑いしている
「当たり前です!! こんな大事な場面そう簡単に見られませんからーー あーーー何人から申し入れが有るか…楽しみですのーーーー」
メサリアが笑顔で叫ぶと、アーセリオドールが頭を抱えている。 執事と侍女達も嬉しそうに微笑んでいる
(メサリア、最後まで楽しそうに叫んでいるな… これ以上申し入れは勘弁して欲しい… イールス最後まで何をするか…頭が痛くなる)
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