妹のことが好き過ぎて婚約破棄をしたいそうですが、後悔しても知りませんよ?

カミツドリ

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2話 第二王子からの呼び出し

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「フリージア! 大丈夫だったのか!?」

「お父様……!? は、はい……大丈夫です……」


 私は馬車で屋敷へと帰ってから、お父様の顔を見ると涙が溢れてしまった……。ボルドー様に婚約破棄をされたという悲しみが思いのほか大きかったようだ。いえ、彼に振られた悲しみというよりも、イルハート家に対してマイナスの評価が生まれないかの方が心配だったけれど……。


 そんな私をお父様は優しく抱きしめてくれた。


「お父様……申し訳ありませんでした……! ううう……!」

「何も心配することはない、フリージア。お前は何も悪くないのだからな……しかし、まさかボルドー王子殿下が妹のササリアのことを気に入るとはな……」


 お父様は意外そうな表情をしていたけれど、私はそうは思わなかった。ササリアは私から見ても美人だしスタイルも抜群だ。それに加えて冷静沈着な聡明さも兼ね備えていることを考えれば……仕方ないことなのかもしれない。しかし、一つだけ気がかりなことがあるけれど。

「お父様、ササリアはどういう気持ちで、ボルドー様の求婚を承諾したのでしょうか?」

「ふむ、そうだな……私でもその辺りは分からないが……」

「そうですか……」


 ササリアは私の質問に対して「ボルドー様のご命令」と言っていた。それを鑑みるなら……彼女はイルハート家や私の為にボルドー様の求愛を受け入れたのかもしれない。

 彼女は昔から冷静、クールという言葉が似合う賢い妹だった……そんな彼女が、本心からボルドー様の求愛に応えるとは考えにくい。私の単なる自惚れだったら凄く恥ずかしいのだけれど……私とササリアは昔から仲が良かったと思うから猶更だ。そうなると、ササリアの目的は……なんとなくだけど、先が見えて来た気がする。

「フリージア、今日はゆっくりと休みなさい。大きな悲しみが生まれたのだ……何も考えない方が身体に良いだろう」

「ありがとうございます、お父様。それでは……お言葉に甘えさせていただきます……」


 私はそれ以上考えるのは止めることにした。予想でこれ以上考えても意味はないし、本日は悲しみが大きいからだ。私はすぐに私室へと入ることにした。



----------------------------



 それから数日が経過───。


「ササリアからの連絡はあれからないわね……イルハートの屋敷に戻っているわけでもないし」

「お嬢様、別荘地などにもササリア様が戻っているという情報はございません」

「そうなんだ、ありがとう」


 専属メイドであるアリアが教えてくれた。ということは、ササリアはまだウィクリフ王国の中心地であるゴンドノビッチ宮殿内に居るということか……なんだか心配になってくるわね。


「フリージア、入っても大丈夫か……?」

「お父様? はい、大丈夫です」


 その時、お父様が私の部屋に入って来た。なんだか少し、急いでいるようだけれど、何かあったのかしら?


「フリージア! ジスパ・ウィクリフ第二王子殿下からのお呼び出しがあった! 至急、ゴンドノビッチ宮殿に来て欲しいとのことだ!」

「ジスパ第二王子殿下から……?」


 想像以上に高い位のお方からのお呼び出しだ……何度かパーティーでお会いはしているけれど。一体、何のご用件なのかしら……?
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