どうやら主人公は付喪人のようです。 ~付喪神の力で闘う異世界カフェ生活?~【完結済み】

満部凸張(まんぶ凸ぱ)(谷瓜丸

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第6章 どうやらフィツロイは八虐の不孝のようです。

英彦の禁断の魔法。その名はラグナロク

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 先程から下の階から激しい轟音が聞こえているが、英彦を信じているので助けには行かない。

「しかし、この廊下こんなに長かったっけ。はぁ……はぁ……!!」

走っても走っても一階へ降りる階段にたどり着けない。
それに先程までフィツロイから逃げていたので疲れもたまってきている。

「ちょっと、はぁ、休憩するか」

恐らくまだ半分ほどしか進めていない。
俺は無事に眼鏡を手に入れられるか不安になってきた。



 場所は再び英彦のいる場所へ。
炎弾がフィツロイの体に向かって放たれる。
だが、炎弾はフィツロイに当たる直前で完全に消え去った。
今度は英彦が消し去ったのではない。自然に消えていくのだ。
何度も何度も火弾を放つが、フィツロイには当たらない。

「くそっ!!
『インフェルノランナウェー』」

もう一度英彦が技を放つが、火炎弾はフィツロイには当たらない。

「またですか? でも今度は避けませんよ。どんな技かは先程、理解しましたので」

強者の余裕。
フィツロイは激しく迫りくる炎へ向かって歩いてくる。
激しい炎はフィツロイを包み焼く前に消えていく。

「そんな……」

英彦は落胆している。元より勝算は無かったのだろう。
相手は魔王軍幹部の一人。
まだ英彦には力の差がありすぎる敵。
もし彼女が標的以外を殺しても何とも思わない性格であったなら英彦は数秒で殺されているはずだ。

「こうなったらあれを使うしかない……」

その時、何を思ったか。
英彦は窓ガラスを割り外に出た。

「ああ……。窓ガラスが……窓ガラスが……」

その光景を見たフィツロイはまた半泣き状態になっている。どうやら肉体的ダメージは与えられないものの、精神的ダメージとしては効いているようだった。

 「英彦さん、なんで窓ガラスなんて割って外に出たんですか? まさか逃げるつもりじゃないですよね」

外に出た英彦を不審に思い、フィツロイも外へ。
英彦がたどり着いた場所は学校のグラウンドほどの広場であった。
その場所で英彦は立ち止まり、フィツロイを待っていたのだ。

「誘い出てきてくれてありがとうございます。フィツロイさん」

やっとこさ英彦に追い付いたフィツロイ。

「いえいえ、別にいいんですよ。
明山さんだって黒さんや、英彦さんを置いて帰るなんてことはしないでしょうし……。
ここから逃げることはできませんしね。
それよりどうしてこんな所に? 」

フィツロイは辺りを見渡すが罠などもなく。正直何をするのか気になっている様子であった。
英彦はフィツロイを睨み付けながら言う。

「僕には足止めすらできませんでした。正直魔王軍幹部の実力がいまだに分かってません。なので、今の僕の最終奥義で少しでも体力を減らそうと考えたんですよ」

「なるほど、だから狭い廊下ではなく外へ。この広場に来たんですね」

フィツロイは疑問が解決して嬉しそうにしている。

「どうぞ。英彦さん。やっちゃってください」

フィツロイはそう言うと、立ち止まったまま両手を横に開いた。
そして、彼女は期待を込めたような目をして、いまかいまかと英彦の攻撃を待っている。



 英彦が片手を前に出してその後、呪文のような物を唱え始める。
呪文の一つ一つは中二病の人が言うような言葉で文章が作られているが、笑い事ではない。
辺りの空気が震え、雲は激しく上空で埋めいている。
俺も思わず窓の外を隠れながら見つめていた。
英彦の呪文を唱える声がだんだん大きくなっていく。
そんな大声で呪文を唱えたら明らかに近くに住んでいる人がいたら、
どこかで中二病の人が呪文を唱えてるな。「うるさいなー」などと言われてもおかしくないほどである。
だが、その大声になり始めてからフィツロイの足元に魔方陣のような物ができ始めている。
その魔方陣は段々大きくなっており、その方向はきちんとフィツロイを向いている。
すると、英彦は今までで一番大きな声で技名を言い放った。


「『ラグナロクーーー』」


本当に世界を燃やし尽くしそうな炎が上空からフィツロイに向かって放たれた。





    黒煙が広がり、外の景色を隠した。
地面は焼け焦げて、草一つない。
風が荒れ狂って黒煙を遠くへと運んでいる。
黒煙は次第に晴れていき、窓からでもその後の事態がはっきりと見え始めた。
俺は窓からこの結末を見ようとすると……。
フィツロイのいた場所にはその威力をはっきりと理解できるほど、地面が削り取られていた。
だが、その場所に二人の姿は見えない。
遠くへと飛ばされたのか。
それとも、焼け焦げて灰と化したか。

「英彦~英彦~?」

俺は何度も何度も名前を呼んだ。
だが、結局返事は返ってこなかった。
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