76 / 294
第7章 どうやら四阿は八虐の謀大逆のようです。
偽者達の真の狙いは?
しおりを挟む
「あの……何かごめんな。そんな見た目にさせちゃって」
その頃、山上はF-215に謝罪をしていた。
思わず首を蹴り飛ばしてしまったのだ。
「いや気にするな。死にはしない。簡単に言えばパペットだ。俺たちはパペットなんだ」
蹴ってしまった首を山上は元の位置に乗っけてみる。
しかし、F-215の首はなかなかくっつかない。
「とっ……とにかく。副会長だっけ? あの…生徒会長がいなくなってるけどいいの?」
「ああ、どうせあの人は校内に逃げ遅れた人がいないか見回ってんだろう。あの人は自分より他人の心配をする人だからな」
山上にとって、生徒会長とは……大台ヶ原とはそんな男なのだ。
自分よりも他人の事を心配するような、例えバ会長でも…彼らの誇れる立派なリーダーなのだ。
「それより、いい加減に俺たちも終わらせようぜ。俺は生徒会長の事が心配になってきたよ」
そう言いながら、山上は紐を辺り一面に張り付ける。
「こんな小細工がいったい何の役に立つのでござるか。切り刻んでやろう」
F-215は日本刀を使って一瞬にして紐を切り刻む。
そして更に激しい攻防が始まる。
山上は紐を巧みに操り攻撃を仕掛けようとするが、F-215は攻撃される前に紐を切り刻んで逆に攻めてくる。
そして、4分ほど激しい命をかけた攻防が繰り広げられた後、
「では、次はどうする? 何か策でもあるの?」
突然、F-215は日本刀を鞘にしまった。
その行為はおそらく山上の手の内を一瞬にして切り裂くという挑戦を表しているのだろう。
山上が動いた瞬間に策を封じ、圧倒的な力の差を見せつけるためだ。
F-215は知っている。
自分の周りの同類達よりも人間を学んできたのだ。
実際に見たのは初めてだが、彼には同類達よりも知っているという自信があった。
F-215の知っているのはこの後の行動である。
高確率で人間は、策は無いと言う。
敵を欺くために、油断させるために策は無いと嘘をつく。
そして、油断させた所を策によって逆転するのだ。
しかし、目の前にいる山上はニタッと笑うと……。
「ああ、もちろん策はあるぞ。素晴らしいのがな」
山上はF-215の思っていた事とは逆の事を言った。
F-215は次の行動について考える。
山上が言った自信のある策について予想し、考えるのだ。
元々、F-215は物事を慎重に考えすぎる性格だった。
それは変身した後でも変わらない。
「策だと……。これまでの俺の実力はハッキリと分かっただろ?
切れ味もスピードも太刀筋も身に染みるほどに圧倒的な技術だと分かったでござろう? なのに何故、その自信はどこから来る?」
山上は少し間を空けて考えていた。
そして、彼の答えは……。
「うーん。俺はお前の首を一度落とした」
答えにはなっていなかった。
しかし、その回答が余計にF-215を悩ませる結果となる。
下手な理由ではあるが、もしかしたらもう一度首を狙って攻撃してくると言うことか。
いや、そう思わせてそれ以外のところを……。
F-215はしばらくの間考えたが、決心はついた。
「では、行くぞ。その首貰いにかかるでござる」
F-215は再び刀を抜き振り上げる。
だが、山上は逃げずにただこちらを見ている。
間合いは良し、あとは斬り下ろすのみ。
「デリャァァァァァァァァァ!!!!」
その瞬間、山上は笑った。
すべて終わったような。諦めた表情を浮かべて笑っている。
そして、血の吹き出るような音。
床には赤い液体がジワジワと広がっていった。
「ふん、お前も見事だったぞ」
F-215は血だらけの山上を見る。
山上も血だらけのF-215を見る。
そうして身体を紐で所々貫通させられたF-215は倒れた。
紐はあらゆる場所からF-215の身体を貫通して吊し上げたのだ。
身体を貫通させられた箇所は、頭や手や胴などだけでも九ヶ所。
いずれもまるで壁と壁に紐を通して身体を吊るされている。
山上は返り血を拭いながらF-215に話しかけた。
「お前の太刀筋見事だったぜ。偽者でもお前は本物レベルだった。性格も中身も別人だがな。それでもお前は凄かったぜ」
F-215は山上に笑いかけながら答える。
「お前こそ、この奇襲は見事だった。予想していなかった。まさか、先程斬った紐に紛れさせて壁に潜ませていたとは……。
そろそろ俺の命が尽きる。最後に一つ良いことを教えてやろう。この市にある山の廃ビルには近付くな。じゃあな…」
そう言うとF-215はドロドロに崩れていった。
「じゃあな。F-215」
山上もF-215に対して別れを言うとその場を後にした。
────────────────────────
「あら? 案外早いものだったのね」
その時 突然、後ろから女性の声がする。
山上が素早く後ろを振り返るとそれにあわせて後頭部に蹴りをいれられる。
「ガハッ!?」
山上はその場に倒れてしまった。
山上は薄れゆく意識の中で女性に尋ねる。
「何者だ。全く気配を感じなかったが……。それにそこにいる奴は……まさか」
女性の後ろで二人の男女が捕らえられていた。
「ーーーーーーーー!!!」
そのうち一人はガムテープで口を覆われて助けを求めても、しゃべれない生徒会長。
「あら、知り合いだったの? じゃあ、こっちの起きないお嬢ちゃんも知り合いかしら?」
女性の指差した先にいたのは何事も無いように寝ている黒の姿であった。
こいつは何で起きないのだろう。
「あっ、そうだ。質問に答えてあげれてなかったよね。
私は魔王軍幹部の八虐の一人、謀大逆の『四阿(あずまや)』よ。君まだ意識はあるわよね。
なら聞いて、この二人は人質。
返してほしければ鍵穴のシミを持った者を私のもとに連れてきなさい。場所はあの二人から聞いたとは思うわ。
それじゃあ、じゃあね。お姉ちゃん期待してるわ」
そう言うと四阿は二人を連れて窓から飛び降り、逃げていった。
「まっ、待っ!?」
山上は今にも消えそうな意識のまま、追いかけようとするが、そのうち目の前が真っ暗になっていった。
その頃、山上はF-215に謝罪をしていた。
思わず首を蹴り飛ばしてしまったのだ。
「いや気にするな。死にはしない。簡単に言えばパペットだ。俺たちはパペットなんだ」
蹴ってしまった首を山上は元の位置に乗っけてみる。
しかし、F-215の首はなかなかくっつかない。
「とっ……とにかく。副会長だっけ? あの…生徒会長がいなくなってるけどいいの?」
「ああ、どうせあの人は校内に逃げ遅れた人がいないか見回ってんだろう。あの人は自分より他人の心配をする人だからな」
山上にとって、生徒会長とは……大台ヶ原とはそんな男なのだ。
自分よりも他人の事を心配するような、例えバ会長でも…彼らの誇れる立派なリーダーなのだ。
「それより、いい加減に俺たちも終わらせようぜ。俺は生徒会長の事が心配になってきたよ」
そう言いながら、山上は紐を辺り一面に張り付ける。
「こんな小細工がいったい何の役に立つのでござるか。切り刻んでやろう」
F-215は日本刀を使って一瞬にして紐を切り刻む。
そして更に激しい攻防が始まる。
山上は紐を巧みに操り攻撃を仕掛けようとするが、F-215は攻撃される前に紐を切り刻んで逆に攻めてくる。
そして、4分ほど激しい命をかけた攻防が繰り広げられた後、
「では、次はどうする? 何か策でもあるの?」
突然、F-215は日本刀を鞘にしまった。
その行為はおそらく山上の手の内を一瞬にして切り裂くという挑戦を表しているのだろう。
山上が動いた瞬間に策を封じ、圧倒的な力の差を見せつけるためだ。
F-215は知っている。
自分の周りの同類達よりも人間を学んできたのだ。
実際に見たのは初めてだが、彼には同類達よりも知っているという自信があった。
F-215の知っているのはこの後の行動である。
高確率で人間は、策は無いと言う。
敵を欺くために、油断させるために策は無いと嘘をつく。
そして、油断させた所を策によって逆転するのだ。
しかし、目の前にいる山上はニタッと笑うと……。
「ああ、もちろん策はあるぞ。素晴らしいのがな」
山上はF-215の思っていた事とは逆の事を言った。
F-215は次の行動について考える。
山上が言った自信のある策について予想し、考えるのだ。
元々、F-215は物事を慎重に考えすぎる性格だった。
それは変身した後でも変わらない。
「策だと……。これまでの俺の実力はハッキリと分かっただろ?
切れ味もスピードも太刀筋も身に染みるほどに圧倒的な技術だと分かったでござろう? なのに何故、その自信はどこから来る?」
山上は少し間を空けて考えていた。
そして、彼の答えは……。
「うーん。俺はお前の首を一度落とした」
答えにはなっていなかった。
しかし、その回答が余計にF-215を悩ませる結果となる。
下手な理由ではあるが、もしかしたらもう一度首を狙って攻撃してくると言うことか。
いや、そう思わせてそれ以外のところを……。
F-215はしばらくの間考えたが、決心はついた。
「では、行くぞ。その首貰いにかかるでござる」
F-215は再び刀を抜き振り上げる。
だが、山上は逃げずにただこちらを見ている。
間合いは良し、あとは斬り下ろすのみ。
「デリャァァァァァァァァァ!!!!」
その瞬間、山上は笑った。
すべて終わったような。諦めた表情を浮かべて笑っている。
そして、血の吹き出るような音。
床には赤い液体がジワジワと広がっていった。
「ふん、お前も見事だったぞ」
F-215は血だらけの山上を見る。
山上も血だらけのF-215を見る。
そうして身体を紐で所々貫通させられたF-215は倒れた。
紐はあらゆる場所からF-215の身体を貫通して吊し上げたのだ。
身体を貫通させられた箇所は、頭や手や胴などだけでも九ヶ所。
いずれもまるで壁と壁に紐を通して身体を吊るされている。
山上は返り血を拭いながらF-215に話しかけた。
「お前の太刀筋見事だったぜ。偽者でもお前は本物レベルだった。性格も中身も別人だがな。それでもお前は凄かったぜ」
F-215は山上に笑いかけながら答える。
「お前こそ、この奇襲は見事だった。予想していなかった。まさか、先程斬った紐に紛れさせて壁に潜ませていたとは……。
そろそろ俺の命が尽きる。最後に一つ良いことを教えてやろう。この市にある山の廃ビルには近付くな。じゃあな…」
そう言うとF-215はドロドロに崩れていった。
「じゃあな。F-215」
山上もF-215に対して別れを言うとその場を後にした。
────────────────────────
「あら? 案外早いものだったのね」
その時 突然、後ろから女性の声がする。
山上が素早く後ろを振り返るとそれにあわせて後頭部に蹴りをいれられる。
「ガハッ!?」
山上はその場に倒れてしまった。
山上は薄れゆく意識の中で女性に尋ねる。
「何者だ。全く気配を感じなかったが……。それにそこにいる奴は……まさか」
女性の後ろで二人の男女が捕らえられていた。
「ーーーーーーーー!!!」
そのうち一人はガムテープで口を覆われて助けを求めても、しゃべれない生徒会長。
「あら、知り合いだったの? じゃあ、こっちの起きないお嬢ちゃんも知り合いかしら?」
女性の指差した先にいたのは何事も無いように寝ている黒の姿であった。
こいつは何で起きないのだろう。
「あっ、そうだ。質問に答えてあげれてなかったよね。
私は魔王軍幹部の八虐の一人、謀大逆の『四阿(あずまや)』よ。君まだ意識はあるわよね。
なら聞いて、この二人は人質。
返してほしければ鍵穴のシミを持った者を私のもとに連れてきなさい。場所はあの二人から聞いたとは思うわ。
それじゃあ、じゃあね。お姉ちゃん期待してるわ」
そう言うと四阿は二人を連れて窓から飛び降り、逃げていった。
「まっ、待っ!?」
山上は今にも消えそうな意識のまま、追いかけようとするが、そのうち目の前が真っ暗になっていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
Radiantmagic-煌炎の勇者-
橘/たちばな
ファンタジー
全てを創世せし神によって造られた、様々な種族が生息する世界──その名はレディアダント。
世界は神の子孫代々によって守られ、幾多の脅威に挑みし者達は人々の間では英雄として語り継がれ、勇者とも呼ばれていた。
そして勇者の一人であり、大魔導師となる者によって建国されたレイニーラ王国。民は魔法を英雄の力として崇め、王国に住む少年グライン・エアフレイドは大魔導師に憧れていた。魔法学校を卒業したグラインは王国を守る魔法戦士兵団の入団を志願し、入団テストを受ける事になる。
一つの試練から始まる物語は、やがて大きな戦いへと発展するようになる──。
※RPG感のある王道路線型の光と闇のファンタジーです。ストーリー内容、戦闘描写において流血表現、残酷表現が含まれる場合もあり。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
朝敵、まかり通る
伊賀谷
歴史・時代
これが令和の忍法帖!
時は幕末。
薩摩藩が江戸に総攻撃をするべく進軍を開始した。
江戸が焦土と化すまであと十日。
江戸を救うために、徳川慶喜の名代として山岡鉄太郎が駿府へと向かう。
守るは、清水次郎長の子分たち。
迎え撃つは、薩摩藩が放った鬼の裔と呼ばれる八瀬鬼童衆。
ここに五対五の時代伝奇バトルが開幕する。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる