176 / 294
第11章 どうやら殺人鬼はスポンジマンのようです。
残酷
しおりを挟む
しばらくして、靄が消え始め隙間から水晶玉の奥が見えるようになった。
そこに映っていたのはどこかの薄暗い部屋。
その部屋に人の姿はないが、並べられた皿の上の料理から湯気が上がっているのでどこかに行っているようだ。
どこにでもある普通の人の住んでいる部屋なのだが。
その部屋の中央には赤く染まった球体が置いてある。
「なぁ、簀巻。お前この付喪神の正体を探るつもりが、別の気になる人の部屋でも映してるんじゃないよな」
もしもその通りなら即刻警察に付き出せるレベルの盗撮者だが、
「おかしい。僕は今、確かにあの付喪神の過去を映しているんだけど。時間が違うのかな?」
簀巻が困った顔をしているので、盗撮しているのでは無いようだ。
すると、妙義が何かに気がついた様子で水晶玉を眺めていた。
「なぁ、みんな。
これって逆再生しているんだよな?
あの机の下を見てみろ。
何かが動いているんだ」
妙義に言われた場所を見てみると、確かに小さな何かが蠢いている。
まるで何かの破片の様な物体。
真っ赤に染まってはいるが、小さな物体が部屋の中央に向かって蠢いているのだ。
「ねぇ、明山。これって何かしらね」
「分からない。しかし、あの付喪神の過去を映しているなら、何であいつが現れないんだろうな」
それから3分間待っても、付喪神の姿は現れない。
ただ小さな赤い破片の数が増えて、それらがみんな中央に向かって蠢いているだけ。
この光景はいったい何を表しているのだろう。
その時、大量の赤い破片の中の一部を見ていた英彦の顔色が急に悪くなっていた。
「ヒィッ……!?」
まるで怖いものでも見たかのように冷や汗を流している。
英彦は付喪神に関する何かを見つけたのだろうか。
「どうしたのよ?」
黒が心配そうに英彦に話しかける。
すると、英彦はある一部の破片を指差しながら……。
「あの赤い破片、指輪が付いているんです。」
「「「「なっ…………!!?」」」」
全員が英彦の指差す先を見る。
そこに映っていたのは、指輪がくっついた赤い破片。
「そっ……そういえば、この破片の数が増えているな」
先程よりも沢山の赤い破片が部屋の中央に向かって蠢いている。
そして、その破片は部屋の中央にある赤く染まった球体に集まっているのだ。
この時点で全員がこの光景は只事ではないという事を理解していた。
「なぁ、簀巻。もう少し早送りにできるか?」
「あっああ、構わない」
そう言って簀巻は水晶玉に映っている逆再生のスピードを上げた。
すると、水晶玉に映し出された光景にも変化が起き始める。
部屋のさまざまな所から現れた赤い破片はその後も増え始めて、すべてが部屋の中央の赤く染まった球体に向かって蠢いているのだ。
そして、まるでジグソーパズルの様にジワリジワリと形を作ろうとしている。
「ねぇ、これって」
「ああ、まさかこれが」
「おいおい、これは嘘だろ?」
「あああ、これ以上はもう見たくない」
「信じられない」
その光景は俺達全員の心に後悔と恐怖を刻み込んだ。
まず、赤い破片が集まって出来たのは足。
そして、赤く染まった球体の周りを囲むように、下半身が築かれていき……。
続いて上半身。
腕、手、首、
そして、どこからか白い二つの丸いものが向かってきて……。
首の上に築かれていったモノの中に入る。
また、どこからか細長い糸のようなモノが大量に中央に向かって飛んできて、築かれていったモノにくっついていった。
そう、出来上がったのは人間。
たぶん、内部から破裂して粉々に吹っ飛んだのだろう。
あの赤く染まった球体に全身の血などの水分を吸収されて……。
その殺害方法はとても人間のする行為ではなかった。
そして、その次の瞬間、そこにいたのはあの付喪神であった。
逆再生なので、後ろ向きに歩いているように見える。
しかし、どうやらその被害者と付喪神に面識はないようだった。
奴がこの部屋に現れた時に、被害者は慌てる素振りも見せなかったのである。
被害者には何の罪も起こしていないように見える。
つまり無差別殺人。
それが最も恐ろしいのだ。
「なぁ、これより先はどうする?」
誰も恐怖で動けなくなった状態で、簀巻が聞いてきた。
「これより先だってどうせ同じような光景が映るだけだ。
これで確定したな。この国を脅かしている殺人鬼。変死体を残していく犯人。何年も何年も何人も何人も殺害していた犯人」
俺はそう言いながら、拳を強く握りしめた。
まさか、これほどまで残酷な殺害方法で人を殺めていたとは思ってもいなかったのである。
きっと何らかの方法でジワジワと身体中の水分を奪い、あの球体に吸わせていたのだ。
そして、それが膨張して……。
「みんな、これ以上はやめよう。別の日にまた改めて」
すると、周りの雰囲気を感じ取って簀巻が全員を寝室へと急がせた。
もちろん、誰もその判断に反論するものはいない。
そうして、全員が寝室へと入っていくのを見て、簀巻は水晶玉の能力を解除した。
そこに映っていたのはどこかの薄暗い部屋。
その部屋に人の姿はないが、並べられた皿の上の料理から湯気が上がっているのでどこかに行っているようだ。
どこにでもある普通の人の住んでいる部屋なのだが。
その部屋の中央には赤く染まった球体が置いてある。
「なぁ、簀巻。お前この付喪神の正体を探るつもりが、別の気になる人の部屋でも映してるんじゃないよな」
もしもその通りなら即刻警察に付き出せるレベルの盗撮者だが、
「おかしい。僕は今、確かにあの付喪神の過去を映しているんだけど。時間が違うのかな?」
簀巻が困った顔をしているので、盗撮しているのでは無いようだ。
すると、妙義が何かに気がついた様子で水晶玉を眺めていた。
「なぁ、みんな。
これって逆再生しているんだよな?
あの机の下を見てみろ。
何かが動いているんだ」
妙義に言われた場所を見てみると、確かに小さな何かが蠢いている。
まるで何かの破片の様な物体。
真っ赤に染まってはいるが、小さな物体が部屋の中央に向かって蠢いているのだ。
「ねぇ、明山。これって何かしらね」
「分からない。しかし、あの付喪神の過去を映しているなら、何であいつが現れないんだろうな」
それから3分間待っても、付喪神の姿は現れない。
ただ小さな赤い破片の数が増えて、それらがみんな中央に向かって蠢いているだけ。
この光景はいったい何を表しているのだろう。
その時、大量の赤い破片の中の一部を見ていた英彦の顔色が急に悪くなっていた。
「ヒィッ……!?」
まるで怖いものでも見たかのように冷や汗を流している。
英彦は付喪神に関する何かを見つけたのだろうか。
「どうしたのよ?」
黒が心配そうに英彦に話しかける。
すると、英彦はある一部の破片を指差しながら……。
「あの赤い破片、指輪が付いているんです。」
「「「「なっ…………!!?」」」」
全員が英彦の指差す先を見る。
そこに映っていたのは、指輪がくっついた赤い破片。
「そっ……そういえば、この破片の数が増えているな」
先程よりも沢山の赤い破片が部屋の中央に向かって蠢いている。
そして、その破片は部屋の中央にある赤く染まった球体に集まっているのだ。
この時点で全員がこの光景は只事ではないという事を理解していた。
「なぁ、簀巻。もう少し早送りにできるか?」
「あっああ、構わない」
そう言って簀巻は水晶玉に映っている逆再生のスピードを上げた。
すると、水晶玉に映し出された光景にも変化が起き始める。
部屋のさまざまな所から現れた赤い破片はその後も増え始めて、すべてが部屋の中央の赤く染まった球体に向かって蠢いているのだ。
そして、まるでジグソーパズルの様にジワリジワリと形を作ろうとしている。
「ねぇ、これって」
「ああ、まさかこれが」
「おいおい、これは嘘だろ?」
「あああ、これ以上はもう見たくない」
「信じられない」
その光景は俺達全員の心に後悔と恐怖を刻み込んだ。
まず、赤い破片が集まって出来たのは足。
そして、赤く染まった球体の周りを囲むように、下半身が築かれていき……。
続いて上半身。
腕、手、首、
そして、どこからか白い二つの丸いものが向かってきて……。
首の上に築かれていったモノの中に入る。
また、どこからか細長い糸のようなモノが大量に中央に向かって飛んできて、築かれていったモノにくっついていった。
そう、出来上がったのは人間。
たぶん、内部から破裂して粉々に吹っ飛んだのだろう。
あの赤く染まった球体に全身の血などの水分を吸収されて……。
その殺害方法はとても人間のする行為ではなかった。
そして、その次の瞬間、そこにいたのはあの付喪神であった。
逆再生なので、後ろ向きに歩いているように見える。
しかし、どうやらその被害者と付喪神に面識はないようだった。
奴がこの部屋に現れた時に、被害者は慌てる素振りも見せなかったのである。
被害者には何の罪も起こしていないように見える。
つまり無差別殺人。
それが最も恐ろしいのだ。
「なぁ、これより先はどうする?」
誰も恐怖で動けなくなった状態で、簀巻が聞いてきた。
「これより先だってどうせ同じような光景が映るだけだ。
これで確定したな。この国を脅かしている殺人鬼。変死体を残していく犯人。何年も何年も何人も何人も殺害していた犯人」
俺はそう言いながら、拳を強く握りしめた。
まさか、これほどまで残酷な殺害方法で人を殺めていたとは思ってもいなかったのである。
きっと何らかの方法でジワジワと身体中の水分を奪い、あの球体に吸わせていたのだ。
そして、それが膨張して……。
「みんな、これ以上はやめよう。別の日にまた改めて」
すると、周りの雰囲気を感じ取って簀巻が全員を寝室へと急がせた。
もちろん、誰もその判断に反論するものはいない。
そうして、全員が寝室へと入っていくのを見て、簀巻は水晶玉の能力を解除した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
Radiantmagic-煌炎の勇者-
橘/たちばな
ファンタジー
全てを創世せし神によって造られた、様々な種族が生息する世界──その名はレディアダント。
世界は神の子孫代々によって守られ、幾多の脅威に挑みし者達は人々の間では英雄として語り継がれ、勇者とも呼ばれていた。
そして勇者の一人であり、大魔導師となる者によって建国されたレイニーラ王国。民は魔法を英雄の力として崇め、王国に住む少年グライン・エアフレイドは大魔導師に憧れていた。魔法学校を卒業したグラインは王国を守る魔法戦士兵団の入団を志願し、入団テストを受ける事になる。
一つの試練から始まる物語は、やがて大きな戦いへと発展するようになる──。
※RPG感のある王道路線型の光と闇のファンタジーです。ストーリー内容、戦闘描写において流血表現、残酷表現が含まれる場合もあり。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
朝敵、まかり通る
伊賀谷
歴史・時代
これが令和の忍法帖!
時は幕末。
薩摩藩が江戸に総攻撃をするべく進軍を開始した。
江戸が焦土と化すまであと十日。
江戸を救うために、徳川慶喜の名代として山岡鉄太郎が駿府へと向かう。
守るは、清水次郎長の子分たち。
迎え撃つは、薩摩藩が放った鬼の裔と呼ばれる八瀬鬼童衆。
ここに五対五の時代伝奇バトルが開幕する。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる