175 / 294
第11章 どうやら殺人鬼はスポンジマンのようです。
犯人を捜索しよう
しおりを挟む
「ちょっと、これは今晩の夕食じゃないか?」
「うるさいわね。つまみ食いくらいしても良いでしょ? ケチィィ!!」
「いやいやいや、一品消し去ってんじゃん。何がつまみ食いだよ」
夕飯時、明山宅ではまたもや簀巻と黒が争っているらしい。
外まで聞こえる口喧嘩。
今日は1日さんざんな目にあって疲れているというのに……。
家に帰っても疲れる羽目になるのだろうか。
「ただいま…………」
ドアを開けて中に入っても二人は俺に気づかないのか、良い争いを続けていた。
「また、別の一品作らないといけなくなっただろうが!!」
「つまみ食いは犯罪なの? 万死に値するの?
あの時はつまみ食いを許してくれたじゃない。
なのに何で怒るのよ!!」
「なんだ? じゃあ、黒帝家ではつまみ食いを完食として教わっていたのか?」
「食べちゃったものは仕方がないでしょ。だって、お腹減ってたんだもん。トイレ掃除、洗濯疲れたし……。つまみ食いくらいしたくなるでしょ?
それに料理が美味しすぎるのが悪いのよ」
褒めているのか、言い争っているのか、こいつらはいつも争っている。
はたして、仲が良いのか悪いのか。
だが、俺はそんな光景をカフェで見慣れてしまっているのだ。
「なぁ、お前が料理担当か? 簀巻。
ならついでにもう1人分作ってやってくれないかな?」
「お客さんですか?」
英彦が椅子に座りながら、俺が帰ってきた事に気づいたようだ。
そして、それにつられて黒も簀巻も俺の帰宅に気がついたようだ。
「今夜だけな……」
そう言って俺はドアを全開する。
すると、そこにいたのは、長い金髪の女性。
「すまんな。本当にいいのか?」
「妙義じゃない!!」
黒は喜んで妙義の元へと向かい、腕を掴んで彼女を室内へとあげた。
こいつは本当に妙義が好きだな。
無理を言って彼女を連れてきて良かったかもしれない。
おそらくあの親父は「本当に付き合っていたのか」なんて勘違いするだろうな。
説明が面倒だ。
なんて、考えていると机には既に夕食が並び始めた。
「ごめんよ。妙義さん。
もう少ししたら一人分作れるからさ」
「いえいえ、気にしないで。私を待っていたらせっかくの簀巻の夕食が冷めてしまう。みんなは先に食べていて。
あっ、簀巻、私にも手伝うことはあるか?」
そう言って二人は台所へと行ってしまった。
そして、みんなが夕食を食べ終わった後、
「なぁ、簀巻~。ちょっと気になることがあってさ。
お前の能力の力を借りたいんだけど?」
俺が簀巻にそう話しかけると、妙義は何かを察したような表情をしてきた。
「ははぁ、私の親父のことだな?
大丈夫だ。私がちゃんと女友達の所に泊まると言っておいたからな。」
確かにそっちも気になってはいたが、簀巻に頼みたいのはそっちではない。
「ちげぇよ。あの餡蜜屋の店主を襲った付喪神についてだ」
すると、二人の若者が餡蜜の部分に首を突っ込んできた。
「えっ!?
明山、餡蜜食べたの?
いいなーいいなー」
「あっ、簀巻さん。デザートあります?
明山さんの話を聞いてたら小腹が空いちゃって……」
どうしよう外野がうるさい。
その二人を黙らせる為に簀巻はデザートを差し出した。
二人はそれをまるで子供のように食べ始める。
それほど、そのデザートが美味しいのだろうか。
後で、貰っておこう。
そんな事を考えていると、簀巻はニヤニヤとした表情を浮かべて俺に囁いてきた。
「そうだな。気になる奴の何もかもを知りたいってのは、流石になぁ」
「おい、今から表に出ろや簀巻」
簀巻に殴りかかろうとするのをデザートを完食した英彦が、必死に止めてくる。
なぜだ。なぜ英彦は俺の邪魔をするんだろう。
俺にはその理由が分からない。
すると、その3人の様子をデザートを完食し終わって、長々と見ていた黒が急に口を開いた。
「ねぇ、ちょっと興味が湧いてきたから、早く見せてよ簀巻。茶番はもういいからさ」
その発言により、喧嘩は一時的に中断してしまった。
黒の発言によって話がもとに戻されたのだ。
「まっ、待って。なぁ明山。
まずはお前の記憶の中から」
すると、簀巻は机の上にひとつの大きな水晶玉を置いた。
その後、彼はまるで占い師の様に水晶玉を擦り始める。
どう見ても胡散臭い占い師にしか見えないのだが、俺は黙ってその行動を見ている事にした。
「あっ、何か映り始めたわ」
黒が興味深そうに、水晶玉を指差してはしゃいでいる。
水晶玉の中では靄のようなモノが現れ始めた。
そして、その靄の間に出来た隙間を覗いてみると……。
「あっ、俺と妙義が映ってる」
そこには付喪神と戦っている俺と妙義の姿が映されていた。
「こいつが付喪神ですか?
人にしか見えないですけど」
英彦の言う通りだ。
確かにこの水晶玉の角度から見れば、服を着たただの人間に見える。
「なぁ、簀巻。これ角度の変更とか出来ないのか?」
「悪い。今の僕にはこのくらいしか出来ないんだ」
ちゃんと角度を直して欲しかったが、本人の力不足では仕方がない。
「いいか? 今からこいつの正体を逆再生するよ」
簀巻がそう言うと、水晶玉に再び靄がかかりはじめた。
「うるさいわね。つまみ食いくらいしても良いでしょ? ケチィィ!!」
「いやいやいや、一品消し去ってんじゃん。何がつまみ食いだよ」
夕飯時、明山宅ではまたもや簀巻と黒が争っているらしい。
外まで聞こえる口喧嘩。
今日は1日さんざんな目にあって疲れているというのに……。
家に帰っても疲れる羽目になるのだろうか。
「ただいま…………」
ドアを開けて中に入っても二人は俺に気づかないのか、良い争いを続けていた。
「また、別の一品作らないといけなくなっただろうが!!」
「つまみ食いは犯罪なの? 万死に値するの?
あの時はつまみ食いを許してくれたじゃない。
なのに何で怒るのよ!!」
「なんだ? じゃあ、黒帝家ではつまみ食いを完食として教わっていたのか?」
「食べちゃったものは仕方がないでしょ。だって、お腹減ってたんだもん。トイレ掃除、洗濯疲れたし……。つまみ食いくらいしたくなるでしょ?
それに料理が美味しすぎるのが悪いのよ」
褒めているのか、言い争っているのか、こいつらはいつも争っている。
はたして、仲が良いのか悪いのか。
だが、俺はそんな光景をカフェで見慣れてしまっているのだ。
「なぁ、お前が料理担当か? 簀巻。
ならついでにもう1人分作ってやってくれないかな?」
「お客さんですか?」
英彦が椅子に座りながら、俺が帰ってきた事に気づいたようだ。
そして、それにつられて黒も簀巻も俺の帰宅に気がついたようだ。
「今夜だけな……」
そう言って俺はドアを全開する。
すると、そこにいたのは、長い金髪の女性。
「すまんな。本当にいいのか?」
「妙義じゃない!!」
黒は喜んで妙義の元へと向かい、腕を掴んで彼女を室内へとあげた。
こいつは本当に妙義が好きだな。
無理を言って彼女を連れてきて良かったかもしれない。
おそらくあの親父は「本当に付き合っていたのか」なんて勘違いするだろうな。
説明が面倒だ。
なんて、考えていると机には既に夕食が並び始めた。
「ごめんよ。妙義さん。
もう少ししたら一人分作れるからさ」
「いえいえ、気にしないで。私を待っていたらせっかくの簀巻の夕食が冷めてしまう。みんなは先に食べていて。
あっ、簀巻、私にも手伝うことはあるか?」
そう言って二人は台所へと行ってしまった。
そして、みんなが夕食を食べ終わった後、
「なぁ、簀巻~。ちょっと気になることがあってさ。
お前の能力の力を借りたいんだけど?」
俺が簀巻にそう話しかけると、妙義は何かを察したような表情をしてきた。
「ははぁ、私の親父のことだな?
大丈夫だ。私がちゃんと女友達の所に泊まると言っておいたからな。」
確かにそっちも気になってはいたが、簀巻に頼みたいのはそっちではない。
「ちげぇよ。あの餡蜜屋の店主を襲った付喪神についてだ」
すると、二人の若者が餡蜜の部分に首を突っ込んできた。
「えっ!?
明山、餡蜜食べたの?
いいなーいいなー」
「あっ、簀巻さん。デザートあります?
明山さんの話を聞いてたら小腹が空いちゃって……」
どうしよう外野がうるさい。
その二人を黙らせる為に簀巻はデザートを差し出した。
二人はそれをまるで子供のように食べ始める。
それほど、そのデザートが美味しいのだろうか。
後で、貰っておこう。
そんな事を考えていると、簀巻はニヤニヤとした表情を浮かべて俺に囁いてきた。
「そうだな。気になる奴の何もかもを知りたいってのは、流石になぁ」
「おい、今から表に出ろや簀巻」
簀巻に殴りかかろうとするのをデザートを完食した英彦が、必死に止めてくる。
なぜだ。なぜ英彦は俺の邪魔をするんだろう。
俺にはその理由が分からない。
すると、その3人の様子をデザートを完食し終わって、長々と見ていた黒が急に口を開いた。
「ねぇ、ちょっと興味が湧いてきたから、早く見せてよ簀巻。茶番はもういいからさ」
その発言により、喧嘩は一時的に中断してしまった。
黒の発言によって話がもとに戻されたのだ。
「まっ、待って。なぁ明山。
まずはお前の記憶の中から」
すると、簀巻は机の上にひとつの大きな水晶玉を置いた。
その後、彼はまるで占い師の様に水晶玉を擦り始める。
どう見ても胡散臭い占い師にしか見えないのだが、俺は黙ってその行動を見ている事にした。
「あっ、何か映り始めたわ」
黒が興味深そうに、水晶玉を指差してはしゃいでいる。
水晶玉の中では靄のようなモノが現れ始めた。
そして、その靄の間に出来た隙間を覗いてみると……。
「あっ、俺と妙義が映ってる」
そこには付喪神と戦っている俺と妙義の姿が映されていた。
「こいつが付喪神ですか?
人にしか見えないですけど」
英彦の言う通りだ。
確かにこの水晶玉の角度から見れば、服を着たただの人間に見える。
「なぁ、簀巻。これ角度の変更とか出来ないのか?」
「悪い。今の僕にはこのくらいしか出来ないんだ」
ちゃんと角度を直して欲しかったが、本人の力不足では仕方がない。
「いいか? 今からこいつの正体を逆再生するよ」
簀巻がそう言うと、水晶玉に再び靄がかかりはじめた。
0
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる