【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野

文字の大きさ
13 / 224
学園1年生編

10

しおりを挟む

 おー。ここに服屋あったんだ!僕は何度も町に来ているとはいえ、同じルートしか通らない。
 なのでちょっと別の路地に入ったりすると、景色が全然違って面白いな~。


「セリさ…セリ。どこに行きた、い?」

「ん~~~…」

 子供でも雇ってもらえる場所。と言っていいものか?まず自分の足で見て回り、雇用状況とか知ろう。
 この国は、法律で子供は働けないとかないからね。僕くらいの歳でも店番なら出来るかな?

 子供の労働といえば。バジルはお使いとかでよく町に来るよね、顔知られてるんじゃない?顔見知りに隣の子供は誰?とか言われたらどうしよう。

「大丈夫ですよ、僕の個人情報までは知らないんですから。
 今日は休みで、弟と一緒と言えば誰も不審に思いません。…あ」

 こら、敬語!!彼の頬をぐぐーっと引っ張りお仕置きだ。よく伸びるわ、癖になりそう。


「とりあえず、色んな店を回りたい。片っ端から行こう!」

「わかった…」


 まずはそこ、本屋からだ!!!



「お、エロ本だ」
「セリ!!きっ君にはまだ早いっ!!」
「兄さんにも早いよ…」

「ここは…傘屋さん?」
「そうだよ。僕もよくお使いで来るんだ」
「へえ~…」

「あ、いい匂い~」
「そこのパン屋だね。入ってみる?」
「うん!…あ、あのレジの子。僕らと同じくらいだね」
「個人経営の店だから、多分娘さんじゃないかな」
「なるほど…」


 
 ※※※



 ふう。結構な数のお店を回り、ちょい休憩。
 広場にあるベンチに座り、さっき買ったパンを食べる。その間も道行く人々の観察をしているのだが…。


「……どうだった?町は」

「うん…格差が、すごいね」

 いつものルートは、綺麗な場所しか見てなかった。綺麗な町並み、人々の笑顔、豊かな生活…。でもそれは、ほんの一部だったんだな。
 あちこちに浮浪者と思われる人が物乞いをしていて、昼間から露出の激しい女性が道行く男性に声をかける。
 笑顔で働く人もいれば、奴隷のように扱き使われている人もいた。
 格差ってのは、どうしようもない。だが…

「…うん。セリ、あれ見て」

 バジルがこっそり指差す先には…子供が2人。まだ10にも満たない頃だろう、僕達の…恐らくパンをじっと見ている。
 だが僕と目が合うと、ぴゃーっと逃げて行った。


「ストリートチルドレンだ。僕も昔…ああだった。
 父親は最初からいなくて、母親は僕を奴隷のように扱った。最終的には家から追い出されて…数ヶ月彷徨った。
 結果的には今の生活に満足しているけど、あの時は本当に…いっそ死んでしまおうかと思っていたんだ」

「そっか…ねえ、兄さん。この町…もしかして孤児院が無いの…?」

「………うん。そうなんだ」

 だからストリートチルドレンがいるんじゃないか。なんで…?そういえば父上は、僕にそういった資料は見せようとしなかったな…。

 孤児院だって…以前ああいった浮浪児を見かけた時。父上はロッティに「彼らはちゃんと帰る場所がある」って教えてた。
 僕はそれが孤児院の事だと思ってたし、里親制度があるのは資料で見た。ただ…制度が適用されているかは、知らなかったな…。

 領主の勉強だ。なんて言っておいて…僕は何を学んでいた?税とか重要なものは、一切触らせてもらえなかったし。
 というか、「これはこの者に任せるように」「お前はこれには触れるな、〇〇に渡せ」「全て彼の意見を通すように」ばっかりじゃなかった?

 どうせ自分は駒なんだからって、以前の僕は諦めて…言いなりになってたよな。


 でも父上って、領民から慕われてるって。理想的な領主だって聞いてたけど。


 …誰から聞いた?僕。



『いやあ、本当に素晴らしい御父上でいらっしゃる!』


『貴方のお父様の行いは、全て正しくあらせられる。どうぞセレスタン様も、立派に後を継いでいただきたい』


『領民は皆、御父上を慕っているのですよ』



 どいつもこいつも…厭らしい笑みを浮かべる大人達じゃなかったか?
 幼い僕に刷り込むように。父上は素晴らしい、同じように統治すれば間違いないと。

 何度も何度も…商会長やら、役場のトップ、そういう奴らの意見しか…僕は知らなかったな…?

 つまり、僕は洗脳されてた?それが優花とセレスタンが混ざって人格が新たになった事で、リセットされた?確かに僕の、周囲を見る目は変わったと思うけど。



 もしも…今僕が考えている通り、父上が本当はクソ領主で。僕を操り人形にしようと考えているなら……随分と……


「舐めた真似をしてくれる……」



「…セリ?大丈夫か?」

「……!ごめん、ちょっと考え事してた」

「そうか…(なんだか今…坊ちゃんからお嬢様に似た気配を感じたけど…いやまさか、この天使の坊ちゃんが殺気など…)」


 今は考えても仕方ない。
 僕は自分の為に、職場を探し…………。



 ………………………。




「…………兄さん。今日見たお店、何人か子供も働いてたよね?」

「うん」

「……皆、そこの家の子だよね?」

「…うん」

「そうじゃない子は…雇ってもらえないのかなあ…?」

「……同じ条件、時給なら…子供より大人を雇うからね」


 …つまり。高校生の時給みたいに、子供は少し時給少な目にすればいいんじゃん?
 でも…僕にそんな権限は無い。


「……坊ちゃんは、この状況を憂いてくださっているのですよね。貴方が領主となられれば…きっと、ラサーニュ領は豊かとなるでしょう。
 ですからあと数年…数年の辛抱です」


 バジルが僕に期待してくれているのが分かる。でも…その期待に応え…られ…。


 
 なんで僕、家を出たいんだっけ?
 いずれ追い出されるから?なんで?
 ロッティに辛く当たって、恐らくロッティ大好きな父上に勘当される?
 僕がそれでいいと思っていた理由は、平民として自由に暮らしたいから。



 ……ハッ…!




「ははっ、僕って、ほんと自分勝手で嫌んなる」

「…セリ?」


 僕は、ゆっくりと立ち上がる。バジルはそんな僕を不思議そうに見つめている。


 ああ、やってやろうじゃないか領地改善!!

 僕はそんなに頭も良くないし、足りない物ばかり。だが今の立場で、全てを改善出来ると断言するほど愚かでもない。

 僕は、自分に出来る事をする。
 エリゼが人には向き不向きがあると教えてくれた。
 出来ない事は人に頼る。それを恥とは思わない。


 自分の手のひらを見つめる。

 どうして僕は忘れていたんだろう。
 遠くまで見渡せる目がある。
 人々の声が聞こえる耳がある。
 僕の身体のどこにも管はなく、縛るものは何も無い。
 歩行器や車椅子に頼らずとも、自由に動く手足がある。

 手をぎゅっと握り締め、前を向く。



「行くよ、バジル。まずは情報収集及び孤児院の設立。そこをスタート地点とする!」

「…!!はい、坊ちゃん…!」


 ごめんね、バジル。きっと君は今まで堪えてきたんだろう。
 領地の実態を知りながらも、彼は口出し出来る立場にないし。
 だからこそ、僕が成長する事を望んでいたんだろう。

 僕は、その期待を踏み躙ろうとしていたが。

 もしかしたらいずれ強制力が働いて、僕が勘当される未来が変わらずやってくるかもしれない。
 …それでもいい、それまで僕は自分の責務を果たすのみ。



 あーあ。何も知らずに過ごして、平民になってとっとと他の領地に逃げれば良かった。
 そういう思考に至るから、僕って卑怯者なんだろな。


 でも今は、知っちゃったから。
 無知だった頃には戻れない。





 さて、と。腕を組み考える。
 僕が動かせる人員はいない。バジルだけでは通常業務もあるから、情報収集は捗らない。なら…。


「ふむ…先に孤児院の問題から取り掛かろうか」

「それなのですが坊ちゃん。…来ていただきたい場所があります」

 え?
 バジルは僕の手を握り、歩き始めた。流れる景色を眺めつつ、バジルに連れられるがままにどんどん歩く。
 細い路地裏をすいすい進み、建物の隙間を縫い着いた場所は…


「何、ここ?教会…?」

「ここは…以前孤児院だった場所です。先代伯爵が閉鎖したと聞いていますが」


 なんか…ここだけ世界が違うような気がする。こんな所知らなかった…。

 ぽっかりと大きく開けた空間。陽当たりもよく、風が穏やかに流れている。
 そこには建物が1つ、教会が端のほうにポツンと建っている。あれが孤児院…?


「先代…お祖父様か。その頃から腐ってたって事かな…」

「恐らくは…。今あそこは朽ちてしまっていますが、先程のような子供達が住み着いているのです。
 僕も一時期身を置いていたのですが、ひもじさに耐え切れず飛び出したのです…」

 ふうん…。……意を決して、足を踏み入れた。
 ガラスが床に散乱し、素足だと怪我をしてしまう。だが至る所に血の痕がある、見ると新しそうなのまで…確かに、人がいるな。
 バジルは僕の側にぴたっと張り付き警戒している。

 もっと中を探索したいけれど、いつ床が抜けて天井が落ちてくるか分からない。
 その前に…

「さて、ご挨拶したいな。ねえ、出て来てくれる?」


「……………」


 僕の声に応じ、現れたのは4人の子供。子供と言っても…多分僕よりは上。ただしガリガリに痩せ細っているから、正確な年齢は分からない。
 男3人に女1人か、きっと子供達のリーダーなんだろう。まだまだ隠れているはず。
 4人は一様に、木の棒など武器を持っている。


「………なんだ、お前ら。新入りじゃねえよな」

 一番背の高い少年が、掠れた声で問いかけてきた。さて、なんと答えるべきか。
 今すぐ彼らを助けるのは不可能だから。

「……下見かな。ここには何人いるの?」


「………………」


 警戒するよね、そりゃ。
 彼らからの返答は諦め、一旦引こうと踵を返したら…


「…なんか、食いもん置いていけ」

 …おお、速いじゃん。小柄な少年が、素早く近付き僕にガラス片を突きつける。

「ほいっ」

「えっ?」

 ビシっと手を叩き、ガラス片を落とした。
 これでも鍛えていますから。ヒョロヒョロの君達に負けないよーだ。
 少年は仲間の元に急いで下がり、僕達を睨み付ける。
 そして「お前らは人攫いか?」ですって。失礼しちゃうわ。

「違うわい。もう一度聞く、今何人いるの?今すぐ…衰弱しきっている子はいる?赤ん坊は?」


 なるべく優しく問いかけているけど、やっぱ返事は無い。
 仲間意識は強いみたいだね、それはよし!


 今度こそ外に出ようとしたが、流石に止められはしなかった。
 これだけ収穫があれば十分だ、急いで帰ろう。

 
 まず建物の確保。人員。援助。課題は山積みだ。
 僕の権力なんて微々たるものだけど、片っ端から試していこう。

 あの広い空間、畑に出来ないかな。枯れてるけど井戸もあったし、水源が近くにあるはず。
 それに生活用品だって欲しい。…本当に山積みだ!!!



「坊ちゃん」

「んー?」

 歩きながらあーだこーだ考えていたら、バジルが急に立ち止まった。


「……ありがとうございます…」

「…うん。でも僕だけじゃ何も出来ないの。…一緒に、頑張ってくれる?」

「はい!」


 彼は泣きそうな笑顔で返事をした。
 その返事に恥じぬよう、僕も頑張ろう!

 そだ、明日エリゼと遊ぶ約束だったな。申し訳ないけど断…いや、ちょっと彼の意見も聞かせてもらおうっと。
 それに、僕はもう父上の元で学ぶことなど何も無い。どうせ嘘ばっかり教えられるんだから、そんなもんバックれてやるわ!!
 空いた時間分を孤児院問題に費やそう。


 それに…もしかしたらいずれ、孤児院の院長に就職出来るかも?
 キツいだろうけどやり甲斐もありそうだし、よし!!


「よし!!僕は将来…院長になる!!」

「後継ぎは!?」


 あ、やべ。声に出しちゃってたわ。

しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています

六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった! 『推しのバッドエンドを阻止したい』 そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。 推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?! ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱ ◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!  皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*) (外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)

二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました

三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。 優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。 優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。 そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。 絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。 そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!

白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、 《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。 しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、 義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった! バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、 前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??  異世界転生:恋愛 ※魔法無し  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜

みかん桜
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。 ここは、乙女ゲームが舞台の小説の世界だった。 悪役令嬢が主役で、破滅を回避して幸せを掴む——そんな物語。 私はその主人公の姉。しかもゲームの妹が、悪役令嬢になった原因の1つが姉である私だったはず。 とはいえ私はただのモブ。 この世界のルールから逸脱せず、無難に生きていこうと決意したのに……なぜか第一王子に執着されている。 ……そういえば、元々『姉の婚約者を奪った』って設定だったような……? ※2025年5月に副題を追加しました。

処理中です...