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たのしい誕生日
初デートは真夏日
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夏の動物園は、人間だけでなく動物たちも暑そう。
百獣の王ライオンも、ただの猫みたいに寝そべっている。
大輝くんがごめん、って言うから見上げると、眉が下がり切っている。
ふふ、会社ではこんな顔絶対しないだろうなあ。
「時期を間違えたかな……」
「ぐだってる動物見るのも楽しいです」
「ほんと暑いね。紗夜ちゃん、アイスでも食べようか」
「はい」
自動販売機のアイスも好き。クッキーアンドクリーム。
売店にあるソフトクリームも好き。どっちにしよう……。
「そんなに悩むなら、両方買って半分ずつ食べよう?」
「名案ですね」
まずは私がクッキーアンドクリームを。
半分くらい食べたら、はい、どうぞ、と交換する。
「やっぱ内側から冷やすのはいいですね」
「魁十くんともよく半分こするの?」
「そうですね。魁十、食が細いから食べきれないこともよくあったし、今みたいにどっちかがひとつに決められない時とか」
「慣れてるんだね」
「はい」
暑いなりに動物園を楽しんだ。満足満足。
「私、そろそろ帰らないと。今日は魁十バイトないから晩ごはん作ってくれるって言ってたんで」
「え? 僕一緒に食べるつもりだったんだけど」
「ごめんなさい、先に言えば良かったですね」
動物園前駅に着いたら、大輝くんがポスターを指差した。
「アイスショーだって。今度はこれ見に行こうか?」
アイスショー?
スケートか。涼しそう。
オリンピック銅メダリストが初出演。
私は寝たけど、魁十は深夜までオリンピック見てたから知ってるかも。
「はい、切符」
「え?」
大輝くんが切符を差し出している。
ありがとう、と受け取ったけど、私の分も買ってくれたんだ? これお金払った方がいいのかな。
笑顔で大輝くんが私の手を握るから、お財布を出す雰囲気でもなくなる。
払わなくていいっぽい。
もしかして大輝くん、電車代出したかった?
行きは普通に自分で切符買っちゃったから、それを阻止するためにポスターを見せたのかも……。
やだ、なんか彼氏っぽい。
たかが数百円だけど、彼女に金は出させねえぜ、みたいな。
嬉しい……。
電車でも、私を席の端に座らせて、私の隣に大輝くんがピッタリと寄り添う。
空いてるからこんな密着しなくてもいいのに、他の男に触らせたくないとか思ってるのかな。
うわあ、めちゃくちゃ彼氏っぽい。
「暑かったけど、大丈夫だった?」
「はい! 楽しかったです!」
「良かった。デートなんて久しぶりすぎて」
「私もすっごく久しぶりでした」
大輝くんは全然違う所に住んでるのに、私の地元の駅まで送ってくれた。
優しい。嬉しいー。
「まだ帰ってほしくないな」
「私もです。でも、弟が待ってるんで帰ります」
「言い切ったね」
大輝くんが苦笑する。
あれ、なんか間違えたのかな。
「暑いし、来週は紗夜ちゃんの家にする? さすがに魁十くんと同じ部屋ではないでしょ?」
うちの家?
「母が夜勤明けでなければ.......うち、父が亡くなって母が家計を支えてくれてるから休みの日はゆっくり休んでほしいので」
驚いたかのように目が開いた大輝くんだけど、ニッコリ笑った。
「魁十くんだけじゃなくて、家族で助け合ってたんだね」
「.......美談のように言われると恥ずかしいんですけど」
「お母さんの予定が分かったら教えてね」
大輝くんの手があごに触れたと思ったら、クイッと顔を上げられてキスされた。
唇に食べ物でもないものが触れる違和感。
駅前で?
私の地元の駅前で、魁十やママが通りかかるかもしれないのに?
爽やかに笑って手を振る。
大輝くんがイケメンだからかな。スマートすぎて、なんだか現実味がない。ドラマでも見てるみたい。
百獣の王ライオンも、ただの猫みたいに寝そべっている。
大輝くんがごめん、って言うから見上げると、眉が下がり切っている。
ふふ、会社ではこんな顔絶対しないだろうなあ。
「時期を間違えたかな……」
「ぐだってる動物見るのも楽しいです」
「ほんと暑いね。紗夜ちゃん、アイスでも食べようか」
「はい」
自動販売機のアイスも好き。クッキーアンドクリーム。
売店にあるソフトクリームも好き。どっちにしよう……。
「そんなに悩むなら、両方買って半分ずつ食べよう?」
「名案ですね」
まずは私がクッキーアンドクリームを。
半分くらい食べたら、はい、どうぞ、と交換する。
「やっぱ内側から冷やすのはいいですね」
「魁十くんともよく半分こするの?」
「そうですね。魁十、食が細いから食べきれないこともよくあったし、今みたいにどっちかがひとつに決められない時とか」
「慣れてるんだね」
「はい」
暑いなりに動物園を楽しんだ。満足満足。
「私、そろそろ帰らないと。今日は魁十バイトないから晩ごはん作ってくれるって言ってたんで」
「え? 僕一緒に食べるつもりだったんだけど」
「ごめんなさい、先に言えば良かったですね」
動物園前駅に着いたら、大輝くんがポスターを指差した。
「アイスショーだって。今度はこれ見に行こうか?」
アイスショー?
スケートか。涼しそう。
オリンピック銅メダリストが初出演。
私は寝たけど、魁十は深夜までオリンピック見てたから知ってるかも。
「はい、切符」
「え?」
大輝くんが切符を差し出している。
ありがとう、と受け取ったけど、私の分も買ってくれたんだ? これお金払った方がいいのかな。
笑顔で大輝くんが私の手を握るから、お財布を出す雰囲気でもなくなる。
払わなくていいっぽい。
もしかして大輝くん、電車代出したかった?
行きは普通に自分で切符買っちゃったから、それを阻止するためにポスターを見せたのかも……。
やだ、なんか彼氏っぽい。
たかが数百円だけど、彼女に金は出させねえぜ、みたいな。
嬉しい……。
電車でも、私を席の端に座らせて、私の隣に大輝くんがピッタリと寄り添う。
空いてるからこんな密着しなくてもいいのに、他の男に触らせたくないとか思ってるのかな。
うわあ、めちゃくちゃ彼氏っぽい。
「暑かったけど、大丈夫だった?」
「はい! 楽しかったです!」
「良かった。デートなんて久しぶりすぎて」
「私もすっごく久しぶりでした」
大輝くんは全然違う所に住んでるのに、私の地元の駅まで送ってくれた。
優しい。嬉しいー。
「まだ帰ってほしくないな」
「私もです。でも、弟が待ってるんで帰ります」
「言い切ったね」
大輝くんが苦笑する。
あれ、なんか間違えたのかな。
「暑いし、来週は紗夜ちゃんの家にする? さすがに魁十くんと同じ部屋ではないでしょ?」
うちの家?
「母が夜勤明けでなければ.......うち、父が亡くなって母が家計を支えてくれてるから休みの日はゆっくり休んでほしいので」
驚いたかのように目が開いた大輝くんだけど、ニッコリ笑った。
「魁十くんだけじゃなくて、家族で助け合ってたんだね」
「.......美談のように言われると恥ずかしいんですけど」
「お母さんの予定が分かったら教えてね」
大輝くんの手があごに触れたと思ったら、クイッと顔を上げられてキスされた。
唇に食べ物でもないものが触れる違和感。
駅前で?
私の地元の駅前で、魁十やママが通りかかるかもしれないのに?
爽やかに笑って手を振る。
大輝くんがイケメンだからかな。スマートすぎて、なんだか現実味がない。ドラマでも見てるみたい。
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