うちの弟がかわいすぎてヤバい無理!

はちみつ電車

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たのしい誕生日

酔っ払っちゃった

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大輝くんが美しいお顔で微笑みをたたえ、私の手を両手で包む。

「彼女の誕生日だってホテル側に伝えたら、楽園と呼ばれる寝心地抜群のベッドのある部屋を用意してくれたんだ。最高の夜になるように、僕がんばるよ」

……ダメだ。
大輝くんは紳士に「最高の夜になるようにエスコートするよ」って言ってるのは分かってるのに、ベッドなんて言うものだから

「ベッドの上で僕がんばるよ」

に聞こえてしまう……。

やだ、私ってそんなムッツリさんだったの?
大輝くんはそんなこと言わない。言わないのに、私の頭がムッツリ変換してしまう。

でも、そもそも私の誕生日にプレゼントは僕だよってホテル予約はおかしくない?
私そんなに大輝くんの肉体を欲してると思われてたの?

100歩譲って、大輝くんの誕生日に
「プレゼントは君が欲しい」
ならまだ理解できなくはない。

てか、大輝くんの誕生日なら私ももしかしたらそういう流れあるかも? と察することもできたかもしれない。

ダメだ、私の誕生日にかこつけてお泊りに持ち込もうとしているとしか思えなくなってきた。
大輝くんはそんな人じゃない。優しくて面倒見が良くて、頼れる先輩。会社のみんなの憧れの人。

「僕、ずっと紗夜ちゃんと二人きりでゆっくりしたいって思ってたんだ。僕の望みを叶えて?」

私の誕生日に?

そう言えば、最初のデートから次はうちに行きたいとか、大輝くんはやたらと家に来たがってた気がする。
あ、魁十と同じ部屋かどうか確認されたこともあった。

ワインなんて飲み慣れないお酒を飲んだせいかな。

「僕、ずっと紗夜ちゃんとやりたいって思ってたんだ。やらせろ?」

って言われた気がしてしまう……。

どうした、私の頭?!
いつもならお酒飲んだらもっと頭フワフワしてるのに?!

こんなに大輝くんを疑ってばかりじゃ失礼すぎる。

「私、ワイン飲みすぎたみたい……」
「大丈夫だよ。僕が部屋までおぶってあげる」

笑顔で大輝くんが立ち上がる。

「ううん……ごめんなさい、飲みすぎたせいで、大輝くんの言ってることが全部体目当てに聞こえちゃうの」
「え?」
「私ワインって飲み慣れてないから頭がおかしくなっちゃって、やりたいからホテルに泊まりたいって言われてる気がしちゃって……ごめんなさい」
「そ……そんなことないよ? 僕は純粋に、紗夜ちゃんの誕生日が終わる11時59分まで一緒にいたいなって思っただけで」

そうすると終電がなくなっちゃうから、お泊りするしかないってだけ……?

「そうだよね。大輝くんが私の誕生日に便乗してやることやろうとするわけない」
「しないしない! 誤解だよ、紗夜ちゃん。お泊りって言っても、体に触るつもりなんてなかったし」
「良かった……変なこと言ってごめんなさい。私も大輝くんが最低なヤリモク野郎だなんて思ってない。大輝くんの誠実なところ、尊敬してる」

やっぱり飲みすぎてるな。
ヤリモク野郎だなんて、私どこでそんな言葉知ったんだろう。はしたない言葉を使ってしまって恥ずかしい……。

「あの……今日は家まで送るよ。紗夜ちゃん、飲みすぎちゃってるし」
「でも、お部屋のお金ってもう払ってるんだよね?」
「気にしないで、紗夜ちゃんの誕生日を祝えたから満足だよ」
「もったいないから、大輝くんだけでも泊まって」
「いや、こんな夜中にひとりで帰すなんて魁十くんに怒られちゃうよ」
「じゃあ魁十に迎えに来てもらえないか聞いてみる」

メッセージを送信すると、すぐさま既読になり「今どこ?」と返ってきた。

「魁十が迎えに来てくれるから、大輝くんは気にしないで。今日は本当にありがとう。こんな素敵なお誕生日は初めてだった」
「そ……そう。喜んでもらえて良かったよ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」

大輝くんの笑顔はレストランの豪華なシャンデリアにも負けない。

こんな素敵な人をムッツリな目で見てしまうなんて、私いっぺん死んだ方がいい。本当にごめんなさい。そして、ありがとう。

ちゃんと話して良かった。
あのまま何とかごまかして帰ったとしても、大輝くんへの疑惑が残ってしまっていたかもしれない。
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