うちの弟がかわいすぎてヤバい無理!

はちみつ電車

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思春期が終わり

私の結論

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魁十が用意してくれたお昼を食べ終え、ソファへ戻りリモコンを手に持つ。
次は何見ようかな~。
普段はスマホだけど、テレビの大画面で見ると動画が更におもしろい。

ペコン、とスマホが鳴った。

『体調不良でお休みって聞いて心配で。大丈夫?』

大輝くんか……どうせそれも本心じゃないんでしょう。
うわべばっかり。

大丈夫、とシンプルな返信。
さてと、次はどれを――またペコン、と鳴る。

『終わったらお見舞いに行くよ。何か食べたい物とかある?』

お見舞い?
どうせ家に来たいだけで、ワンチャン狙ってるんでしょ?

まあ、今日は魁十バイトないから、仕事が終わってからの時間なら確実に家にいる。

『うちの駅前のケーキ屋さんのプリンがいい』

高いけど、お金ちょうだいって言えばもらえるんだから問題ないでしょ。
お金渡したり気安く体の関係を持つ女性の方にも問題あるよね。
大輝くんが悪いのは大前提として。

動画見てゲームしてたらいつの間にやらもう夕方5時を過ぎている。
最高に無駄で有意義な休みを過ごした。

「ただいま」
「おかえり! 私新しい技覚えたよ。勝負!」
「おー。こてんぱんに負かしてやるよ」

魁十と並んでソファに座ってゲームに熱中する。
いろんな技を使えるようになると、序盤より楽しい。
そして、宣言通りこてんぱん……。

「悔しい! カイ強すぎるんだよ」
「手ぇ抜いてほしい?」
「んー、それはいい。手抜きされて勝っても嬉しくない」
「だと思った。全力で行きます!」
「あー、やっぱ少しは手を抜いてもらいたいかも」

ペコン、と音がする。
あ、大輝くん来たんだ。

ピンポン鳴らさずにメッセージで言ってくるって何なんだろ。

「大輝くんがお見舞いに来てくれた。熱出したって会社には言ったから」
「嘘つかないと休めないもんなの?」
「当日休みはやっぱり、体調不良でもないと休みにくくて」
「そっか。俺ここにいるから何かあったら呼んで」
「分かった」

ドアを開けたら、大輝くんがケーキ屋さんのかわいい袋とカゴに入った小さなお花を持っている。

「体調どう?」
「まあまあ」
「明日には来れそう?」
「うん」

大きい方の袋だ。
プリン5個は買ってくれたんだ。昨日の女性のお金で。

「ねえ、今度さ、夢の国に行かない? お金は僕が持つから」
「僕が?」
「気にしないでいいよ。臨時収入があって」

臨時収入って言っちゃうんだ。
もういろいろビックリしちゃうな。

「夢の国は……弟が就職したら初給料で連れて行ってくれる約束だから、それまでのお楽しみにしておきたくて」
「そう……残念だな。紗夜ちゃんと行きたかった」
「日帰りで行けるものなの?」
「いや、ちょっと厳しいから園内ホテルに泊まるつもりだったよ」

やっぱり泊りか。
絶対夢の国より夜を楽しむつもりじゃん。

無理……。
大輝くんに体を触られると思ったら、虫唾が走る。
たくさん、いろんな女の人を触ってきた手で触ってほしくない。

このまま大輝くんをかわし続けるのは難しい。
もう私に大輝くんへの好きって気持ちは微塵もない。

結論は、出てる。

「紗夜?」
「……別れたい……」

リビングに戻っても無言の私に魁十が立ち上がった。
魁十の胸にポスッとおでこを当てる。

「紗夜が決めていいんだよ。負けんな」

魁十……。

「ところで俺、夢の国連れてく約束なんかしたっけ」
「それは……嘘も方便と言いますか」
「嘘つき」
「だって」
「連れてくよ。今約束した」

あの魁十が私のために……嬉しい。
お姉ちゃん感動。

子供の頃みたいに、小指に小指を絡ませる。

「針千本飲ーます!」
「ガキかよ」
「カイが先に指出したじゃない」
「紗夜だろ」



翌朝、珍しく玄関まで見送りに来てくれた魁十が笑って「負けんな」って、また言った。
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