外れスキルと馬鹿にされた【経験値固定】は実はチートスキルだった件

霜月雹花

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第二章

第95話 【勉強合宿・1】

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 祖父と孫の仲違い事件から数日後、予定していた勉強合宿の日となった。
 許可を貰った翌日にリサ達に手紙を送り、一旦皆で集まりそれぞれの予定を話し合って日程を決めた。
 やはり一番忙しいのはレオルドで、皆で色々と話し合って予定の調整等を各家で行って貰い、五日間の勉強合宿を行える事になった。

「ねえ、アルフ君。あの話し合いの場に王子様が居た事が未だに信じられないんだけど、本当に合宿に王子様も参加するの?」

「うん。レオルドも皆と仲良くなりたいみたいで誘ったんだけど、やっぱり駄目だった?」

「いや! 駄目じゃないけど言葉遣いとか、丁寧な喋り方知らないから何か失礼な事を言って罰せられたらどうしようかなって……」

「レオルドはそこまで神経質じゃないよ。人として駄目な行為をしない限りは、レオルドは普通の男の子だよ」

 そもそも、この国の王族は堅苦しさとは無縁の人達だ。
 公の場ではそれなりの態度を示してるが、それ以外だと陛下はエルドさんを友人だと言い偶に手紙を送る仲だと俺は知ってる。
 そしてレオルドも王子なのに、平民となった俺と普通に会話をしている。

「王子様と仲良く出来るか不安かも……」

「僕も、そもそも貴族とすら話した事がないからね僕達は……」

「二人が緊張する理由も分かるから、取り合えず最初の内は俺が間に入るよ。それに無理に仲良くなれとは言わないから、無理そうならそれはそれでレオルドも諦めると思うから」

 そうリサ達に言い、それから少ししてレオルドが商会へとやって来た。
 レオルドが到着後、城から従者が一人だけ着いて来る事になったとレオルドは言うと、その従者の方を俺達に紹介する流れとなった。

「僕の従者のデイル。歳は僕達と一緒の16歳で同い歳だよ」

「初めまして、デイル・フォン・アルシスと申します。……アルフ、久しぶりだね」

「ッ! やっぱりデイルは俺が知ってるデイルだったか! 凄く大きくなってて、気付かなかったよ」

 俺達と同い歳のデイルは、身長が約190㎝程あり筋肉も凄く、服が上半身は筋肉でパツパツとしている。
 貴族の頃、レオルドと会う際にデイルも一緒にその場に居て、俺の貴族からの数少ない友達の一人だ。

「あの時から凄く変わったね。確かに身長は大きかったけど、前まではそこまで筋肉質じゃなかったよね?」

「スキルを授かった後、より訓練に集中してたらいつの間にかにね。でも、それを言うとアルフもかなり筋肉付いたね。昔はもっと細かったのに」

「俺も商会に来てたら、ほぼ毎日訓練してるんだ」

「アルフ、デイル。二人だけの世界に入るならもう少し後にして欲しいかな」

 俺とデイルが久しぶりの再会で話に夢中になっていると、そうレオルドが言って俺達は二人で話すを止めた。

「ごめん。久しぶりの再会で忘れてた」

「僕は良いけど、アルフの友達が困ってたからね」

 そうレオルドが言うと、リサ達がハッとした顔で慌てて「ご、ごめんなさい」とレオルドに謝罪をした。

「いや、良いんだよ。緊張するのは当たり前だからね。でもこの数日間で仲良くなれたら、僕は嬉しいかな?」

「「が、頑張ります!」」

 リサとレインは同時にそう言った後、俺達はまずリサ達がそれぞれ使う部屋に案内をした。
 案内を終えた後、一旦それぞれの部屋で荷物を置いて勉強部屋に集合する事にした。
 クラリスとアリスはこの時間を使って手洗いに行き、一人で待っていると勉強部屋に最初に来たのはデイルだった。

「ルクリア商会は凄いと、昔から分かってたけど寮でこれだけの設備を揃えるとは凄いね……アルフはこんな良い所で生活してるの?」

「うん。でも、良い所で生活って言うとデイルもレオルドの従者だから、あの王城で暮らしてるんだからいい場所で言うと、そっちもそうじゃないの?」

「それはそうだけど、ほらやっぱりアルフは知ってると思うけど僕の家との差がありすぎて、未だに慣れない所が多いんだよね……」

 アルシス家は子爵家と爵位はそこまで高くないが、一つ他の貴族家と違う点は騎士を多く輩出してる家という事だろう。
 デイルはその家の四男で、レオルドと同学年。
 生まれた時から【剣術】と【身体強化】のスキルを持っていた事から、レオルドの従者に選ばれた人物だ。

「慣れないって、もう城で暮らし始めて何年になるんだよ」

「何年住んでも慣れないのは慣れないよ。知らない貴族の当主が来たりした時とか、本当に大変なんだからね?」

 騎士を多く輩出してるアルシス家だが、別に貧乏な家とかでは無く。
 多くの騎士の訓練を請け負ったりしている為、逆に資産で言うと子爵だがそれなりに持っている方だ。
 しかし、何故デイルが家との差があって慣れないと言っているのか?
 それはアルシス家が着飾った生活が合わず、質素な暮らしをする家系だからだ。

「確か、デイルの前にもアルシス家は王族の従者をしていた人が居たんでしょ? その人は生活に慣れてたの?」

「ううん。結局、王城の生活は慣れないからって城の敷地内にある訓練場の休憩室を一室部屋に変えて暮らしてたらしいよ。今は人が多くなって、そんな所を部屋に変えられないから僕は我慢して暮らしてるけど、慣れるのはまだまだ先かも……」

 そんなデイルの苦労話を聞いていると、アリス達が戻って来た。
 そして、それから少しして順番にレオン達も部屋に戻って来て全員集まった。
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