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56.カブトル
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ずっとレベルMAXのアレックスさん。でも機嫌が悪いと言うより不安そうだ。
「春香。今から話す話しはショックか大きいだろうが、今後の春香の為と何故自分を見失う程でミハイルが激昂したのか知って欲しい。犯人が春香に盛ろうとした薬についてだ」
『あの禁止されている媚薬ですか?』
「そうだ。あの媚薬がどの様に使われて来て、そして禁止される様になったかだ。レイシャルだけでなくどこの国でも理解できる年になれば必ず学ぶ事だ」
殿下は私の様子を見ながら話し出す。
まずは薬が出来た経緯について。
昔は男尊女卑で女性に人権は無く結婚相手は父親が決め、選ぶ権利は無かった。貴族なら政略結婚で平民なら生まれると直ぐに許嫁を決められた。男性は女性は世継ぎを産む存在にしか思っておらず、そんな婚姻に情はない。女性は心身ともに男性を受け入れれ無い女性が多かった。それ故に中々出生率が上がらない状況が続いた。
そんな時にとある国の王が出生率を上げる為に国内の優秀な薬師と医師を集め、女性が男性を受け入れて易くする為の薬の開発を依頼したのが始まり。それがエスカレートして行き男性の欲が重視される様になった。そうして最終女性の意思を無視し子を身籠るまで発情し続ける薬となった。
流石にここまで来ると全ての女性から非難が上がり、世界中でこの媚薬を禁止を呼びかける運動が始まる。そして各国で協定を結ばれ”製造、所持、使用”の3禁が定められた。
この薬の主成分はカブトルという花の根から抽出され、どんな製造方法でも出来た上がった薬はカブトル特有の紫色の薬となる。だから紫色の薬はこの媚薬だと思っていい。
“だからのあの時薬を見た全員が禁止媚薬だと分かったんだ”
「この媚薬を学ぶ時に服用した女性の症状を書かれた冊子を必ず読む。大半の者は絶句し暫く落ち込んむ。辛かったら読まなくていいが一応持って来た」
殿下が渡した冊子を受け取る。冊子に手に躊躇していたらアレックスさんが
「春香嬢。俺がこれを読んだのは10歳。自分が男である事を恥て媚薬を作り出し先人を憎んだよ。そんな薬が貴女に使われようとしていたなんて…。だからミハイル殿の行動は理解できるし、その場に殿下や俺…いや春香を愛する者がその場に居たら、ミハイル殿と同じ事をしただろう」
これからの為とミハイルさんの気持ちを知る為に読まないといけない。そして恐る恐る読み始めたが…
『・・・』
自然と涙が出てきた。なんて酷い扱いだ。女性はもはや人扱いされておらず、この時代の女性は子を産む道具だった。特に酷い症例として子供が中々授からない女性の話は最後まで読む事ができなかった。その女性は子を授かりにくい体質のようで、発情しままが長く続き最後は精神に異常をきたし悲惨な亡くなり方をしている。
殿下か隣に移動してくると無意識にお尻をずらし間を空けてしまった。殿下は優しく微笑み
「春香。抱き締めていいかい?」
頷くとゆっくり殿下の腕が背中にまわった時、無意識に体が強ばる。分かっていたかの様にゆっくり抱き締める殿下。
「これを読んだ女性の大半が男性に恐怖を感じる。当たり前だ先祖はそれだけ酷い事をして来たのだから。だが信じて欲しい。今は過去の過ちを学び女性を大切にする様に教育されている。だから王子である私も女性の了承なく触れる事も婚約も出来ないんだ。残念ながら稀に愚かな者がいるが…その様な者は必ず罰する故安心してくれ」
頷くと小さ声で”いい子だ”と呟き頭を撫でてくれる。
少し落ちいて来てアレックスさんを見たら心配そうに見ていて、安心させたくて指でOKを作る。するとアレックスさんは小さく笑った。
「こんな酷い薬を愛する人に使おうとしたの者がいたら激昂するに決まっている。だかその行為が愛する女性に恐怖を与え、恐れられてしまったミハイルに同情するよ。そんなミハイルは同じ加護持ちで唯一私が敵わない奴だ。はっきり言って好かん! 恐らく同族嫌悪というやつだ。だが気持ちは人一倍分かる…
直ぐには無理でもミハイルと向き合って欲しい」
殿下の言葉が心に響く…がこの恐怖心はそう簡単に払拭できそうにない。でも!
『殿下…ありがとうございます。どれだけ時間がかかるかわかりませんが、乗り越えたいと思います。殿下申し訳ないのですが、今の言葉と”いつもありがとう”をアレックスさんに伝えて下さい』
殿下は表情を明るくし少し戯けて
「分かったよ。でも最後のはちょっと言いたく無いし嫌だなぁ… あれ?春香怒ってるのか⁈可愛いだけで怖く無いぞ」
殿下は楽しそうに笑い私も笑う。するとやっとアレックスさんの眉間の皺がやっと無くなった。
やっと緊張から解放されたらアレックスさんがベルを鳴らし侍女さんを呼び何かを伝える。それを気にも止めず暫く3人で話をしていたら、侍女さんがフルーツがたくさん乗ったケーキを運んできた。いっぱい泣いた私の為にアレックスさんが頼んでくれたようだ。相変わらず気遣いの男性だ。
頭をいっぱい使ったから嬉しく、有難く甘いケーキをいただく。すると殿下が私の手を取り
「ずっと屋敷にも籠って居たのだろう?明日はデートしよう」
『いいんですか?嬉しい!』
明日殿下がどこかに連れて行ってくれる。ここコールマン領に来てグリフの森以外行った事が無い。
嬉しくて顔が綻び気分が急上昇する。行き先は何度聞いても教えてくれず、現地に着いてのお楽しみになっている。
嬉しくてワクワクが止まらない!私のワクワクが伝染したみたいで、殿下もアレックスさんも優しい表情をしている。こんな日が続けばいいと思いながら、殿下とアレックスさんとの会話を楽しんだ午後だった。
「春香。今から話す話しはショックか大きいだろうが、今後の春香の為と何故自分を見失う程でミハイルが激昂したのか知って欲しい。犯人が春香に盛ろうとした薬についてだ」
『あの禁止されている媚薬ですか?』
「そうだ。あの媚薬がどの様に使われて来て、そして禁止される様になったかだ。レイシャルだけでなくどこの国でも理解できる年になれば必ず学ぶ事だ」
殿下は私の様子を見ながら話し出す。
まずは薬が出来た経緯について。
昔は男尊女卑で女性に人権は無く結婚相手は父親が決め、選ぶ権利は無かった。貴族なら政略結婚で平民なら生まれると直ぐに許嫁を決められた。男性は女性は世継ぎを産む存在にしか思っておらず、そんな婚姻に情はない。女性は心身ともに男性を受け入れれ無い女性が多かった。それ故に中々出生率が上がらない状況が続いた。
そんな時にとある国の王が出生率を上げる為に国内の優秀な薬師と医師を集め、女性が男性を受け入れて易くする為の薬の開発を依頼したのが始まり。それがエスカレートして行き男性の欲が重視される様になった。そうして最終女性の意思を無視し子を身籠るまで発情し続ける薬となった。
流石にここまで来ると全ての女性から非難が上がり、世界中でこの媚薬を禁止を呼びかける運動が始まる。そして各国で協定を結ばれ”製造、所持、使用”の3禁が定められた。
この薬の主成分はカブトルという花の根から抽出され、どんな製造方法でも出来た上がった薬はカブトル特有の紫色の薬となる。だから紫色の薬はこの媚薬だと思っていい。
“だからのあの時薬を見た全員が禁止媚薬だと分かったんだ”
「この媚薬を学ぶ時に服用した女性の症状を書かれた冊子を必ず読む。大半の者は絶句し暫く落ち込んむ。辛かったら読まなくていいが一応持って来た」
殿下が渡した冊子を受け取る。冊子に手に躊躇していたらアレックスさんが
「春香嬢。俺がこれを読んだのは10歳。自分が男である事を恥て媚薬を作り出し先人を憎んだよ。そんな薬が貴女に使われようとしていたなんて…。だからミハイル殿の行動は理解できるし、その場に殿下や俺…いや春香を愛する者がその場に居たら、ミハイル殿と同じ事をしただろう」
これからの為とミハイルさんの気持ちを知る為に読まないといけない。そして恐る恐る読み始めたが…
『・・・』
自然と涙が出てきた。なんて酷い扱いだ。女性はもはや人扱いされておらず、この時代の女性は子を産む道具だった。特に酷い症例として子供が中々授からない女性の話は最後まで読む事ができなかった。その女性は子を授かりにくい体質のようで、発情しままが長く続き最後は精神に異常をきたし悲惨な亡くなり方をしている。
殿下か隣に移動してくると無意識にお尻をずらし間を空けてしまった。殿下は優しく微笑み
「春香。抱き締めていいかい?」
頷くとゆっくり殿下の腕が背中にまわった時、無意識に体が強ばる。分かっていたかの様にゆっくり抱き締める殿下。
「これを読んだ女性の大半が男性に恐怖を感じる。当たり前だ先祖はそれだけ酷い事をして来たのだから。だが信じて欲しい。今は過去の過ちを学び女性を大切にする様に教育されている。だから王子である私も女性の了承なく触れる事も婚約も出来ないんだ。残念ながら稀に愚かな者がいるが…その様な者は必ず罰する故安心してくれ」
頷くと小さ声で”いい子だ”と呟き頭を撫でてくれる。
少し落ちいて来てアレックスさんを見たら心配そうに見ていて、安心させたくて指でOKを作る。するとアレックスさんは小さく笑った。
「こんな酷い薬を愛する人に使おうとしたの者がいたら激昂するに決まっている。だかその行為が愛する女性に恐怖を与え、恐れられてしまったミハイルに同情するよ。そんなミハイルは同じ加護持ちで唯一私が敵わない奴だ。はっきり言って好かん! 恐らく同族嫌悪というやつだ。だが気持ちは人一倍分かる…
直ぐには無理でもミハイルと向き合って欲しい」
殿下の言葉が心に響く…がこの恐怖心はそう簡単に払拭できそうにない。でも!
『殿下…ありがとうございます。どれだけ時間がかかるかわかりませんが、乗り越えたいと思います。殿下申し訳ないのですが、今の言葉と”いつもありがとう”をアレックスさんに伝えて下さい』
殿下は表情を明るくし少し戯けて
「分かったよ。でも最後のはちょっと言いたく無いし嫌だなぁ… あれ?春香怒ってるのか⁈可愛いだけで怖く無いぞ」
殿下は楽しそうに笑い私も笑う。するとやっとアレックスさんの眉間の皺がやっと無くなった。
やっと緊張から解放されたらアレックスさんがベルを鳴らし侍女さんを呼び何かを伝える。それを気にも止めず暫く3人で話をしていたら、侍女さんがフルーツがたくさん乗ったケーキを運んできた。いっぱい泣いた私の為にアレックスさんが頼んでくれたようだ。相変わらず気遣いの男性だ。
頭をいっぱい使ったから嬉しく、有難く甘いケーキをいただく。すると殿下が私の手を取り
「ずっと屋敷にも籠って居たのだろう?明日はデートしよう」
『いいんですか?嬉しい!』
明日殿下がどこかに連れて行ってくれる。ここコールマン領に来てグリフの森以外行った事が無い。
嬉しくて顔が綻び気分が急上昇する。行き先は何度聞いても教えてくれず、現地に着いてのお楽しみになっている。
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