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73.明け方の散歩
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「気持ちいい…」
甲板に出て夜が明ける海を見ている。遠くが明るくなりオレンジ色と濃紺のコントラストがキレイな空。まだ少し星も見える。
出港前にひと悶着あり心労から熱を出し丸2日寝込んだ。やっと昨晩熱も下がり動けるまでになった。ずっと部屋だったので気分転換に船内をウロウロしていたら甲板に出た。早朝で誰にも合わなかったが、もし会っていたら速攻で騎士さんに連絡が行き部屋に連れ戻され、絶賛過保護中のアレックスさんに怒られるだろう。
「もうすぐヴェルディアか…予定より遅れているらしいから、着いた早々予定が詰まっているって… 嫌だなぁ…それより部屋までどうやって帰ろう⁈」
そう、意気揚々と散策したのはいいが部屋の場所が分からない。船内の通路は狭く似通った景色ですっかり迷子だ。
帰りもって侍女さんか従僕さんを捕まえてこっそり案内してもらおう。そろそろ夜明けだけだから誰か起きてくるだろう。そんな事を考えながらぼんやり海を見ていたら…
「春香?」
『げっ!見つかった』
振返ると部屋着の上にガウンを纏ったローランド殿下が立っていた。出来るだけ平然を装い
「おはようございます。いい朝ですね。お散歩ですか?」
「おはよう。胸騒ぎがしてなぜかここが気になって来てみたら…春香お付きの者は?」
「えっと…」
殿下の問いに答えれず汗が滲み出る。すると眉を顰めた殿下は
「いくら王家の船の中とはいえ、何があるか分からない。春香は自分の事を平民だと思っているが、私が求婚した時点で王家の者と同じ扱いになる。春香に付いている侍女や護衛の騎士に咎めが行くと思わなかったのか⁈」
「!!」
殿下に窘めたれハッとする。何も考えず行動する事で皆に迷惑をかけるんだと反省。でもそんな簡単に平民感覚は抜けないよ。
「ごめんなさい。ずっと部屋だったから外の空気が吸いたくて…早朝だし侍女さんや騎士さんに悪いと思って」
「春香が謙虚のは重々分かっているが彼らは仕事なのだ。プライドを持って職務に付いている。頼らない方が彼らに悪いぞ」
「はぃ…」
殿下に怒られてテンションダダ下がりで俯いていると温かくなる。顔を上げると殿下が自分のガウンをかけてくれた。
「熱が下がったとはいえ朝は冷える。またぶり返すといけない」
「でも殿下が…」
「私はそんなに軟では無いよ」
そう言って抱きしめて額に口付けた。
「あの…お願いがあります」
「春香のおねだりは何でも聞こう」
「お世話してくれている皆さんにバレない様に部屋に戻りたいのですが…」
「ならば私が送ろう」
殿下に案内してもらい自室の前まで来た時に異変に気付く。部屋の前が騒がしくアレックスさんの声が目立つ。
『あっちゃ…間に合わなかったよ』
「気付いたのは何時だ!」
「あの…アレク⁈…私はここです」
みんな一斉に振り返り驚いて後ずさりしたら殿下に抱き留められた。
「春香!無事か!殿下と一緒だったのか⁈」
「ごめんなさい。外の風に当たりたくて一人で散歩していました。船の中だから安全だと思って… そしたら完全に迷子になり殿下が見つけてくれました」
皆安堵したようだがアレックスさんはまだ険しい顔をしている。絶対まだ怒っているよ。だってレベル5だよ。
「春香は早朝だから皆に迷惑をかけない様にと思った様だ。悪気はないのだ。これからは皆に頼る様に言い聞かせてある」
「アレク…私が悪いの!皆さんを責めないで…」
「おや?いつから春香はアレクの事を愛称呼びする様になったんだい?」
「えっと…」
アレックスさんはレベル0になり柔らかく微笑み、殿下は微笑んでいるが目が笑っていない。この状況から誰か助けて… するとメリージェーンさんが来てくれて
「皆さん。ヴェルディア到着が近づいています。そろそろご準備された方が…それに春香様は病み上がりです。いつもでこの寒い廊下に立たせておくつもりですか?」
「「!!」」
メリージェーンのお陰で解散になり部屋に戻る事が出来た。部屋に戻るとメリージェーンさんに気を使わない様にここでも注意を受け、侍女さんが早朝から湯浴を促される。朝食もやっと元の量を食べれるようになって来た。それでも少ない様で周りに心配される。
侍女さんに手伝ってもらい丈は踝までだがプリンセスラインの若葉色のドレスを着て部屋で待っていると殿下が部屋に来た。
「春香。準備はいいかい?もう港が見えて来たよ。間もなく到着する。あぁ…そのドレスはよく似合う。温暖なレイシャル王国に比べヴェルディアは寒い。コートと帽子、手袋を用意させた。着用したら乗船口にメリージェーン嬢とジョシュとおいで」
「はい」
殿下が持ってきたくれたコート等を身に着け準備万端。騎士服の上からロングコートは羽織ったジョシュさんとメリージェーンさんはかっこいい。制服フェチでは無かったが騎士服は所属によって違うけどどれもかっこいい。というか着る人がかっこいいから当たり前なのだ。
ジョシュさんにエスコートされ乗車口に着いた。殿下はこれまた煌びやかな正装をしていて福眼だ。
タラップから下を見るとハチミツ壺を持っていない大きい熊さんが…
「殿下!ジャン陛下が!私目がおかしくなってます?」
「いや、春香が来るから陛下自らお出迎えだ。他の国の王族が来てもそんな事はしないだろう。それだけ春香に感謝しているという事だ」
「恐れ多いです。侍女さん達に紛れて別で出ていいですか⁈」
「春香…公式の場だ。今日は我慢しなさい」
「はぁ…い」
殿下のエスコートで船を降りジャン陛下の前まで行き先ずはローランド殿下がご挨拶される。
『大きい…』
ジャン陛下御一行が来た時に皆さん大きいと思ったけど、出迎えてくれた皆さん陛下には負けず劣らず大きい!2m近くあり巨人の国に迷い込んだ様だ。
そんな事を考えていたら殿下の挨拶が終わった様で、ジャン陛下が目の前に来て手を取り口付ける。
陛下は少し痩せた様だ。レイシャルから戻り怒涛の日々だったんだろう
「我が戴冠式に参加下さり感謝する。滞在中はゆっくりしてくれ。春香嬢、病はもういいのか⁈」
「ご心配おかけしました。まだ長くは無理ですが生活に支障の無い程に」
「良かった…我々の事情に巻き込んでしまって気にしていたのだ」
「でもヴェルディアのお役に立てて良かったです
」
殿下は優しくハグして耳元で
「ヴェルディアの膿みは出し切った。貴女を傷付けた者達は粛清する。詳しくは後ほど」
「はい」
形式的な挨拶も終わりヴェルディア城に移動する。
やはりヴェルディアは寒い。高校の修学旅行で行った冬の北海道位寒い。しかし馬車の中は暖かくコートを脱ぎ身軽になる。ここでミハイルさんから頼まれた、海難事故の情報開示を求める話をする。
「あぁ…シュナイダー公爵からも陳情が上がり、正式に要請するつもりだ。春香か願えば開示してくれるだろう」
「陛下とお話をする機会が有ったら、私から直接話をしても問題ありませんか?」
「恐らく春香と陛下は公式な場で一対一で会う事は無いだろう。親しい知人として会食やお茶の席にならあり得る。だとしたら雑談の一環で話しても差支えはない」
良かった。ミハイルさんのお願いはクリアできそうだ。安心していたら殿下が隣に移動して来て手を握り
「春香。陛下の戴冠式には各国の王族や代表が集まる。それ故に戴冠式参列だけでは無く外交の場となる。戴冠式と晩餐会の出席は外せん。今回のヴェルディアの王の交代はレイシャルつまり春香が絡んでいるのは各国が認識している。どの国でも王が代わる時は色々事情を孕み円満な国は少ない。そんな中でも今回のヴェルディア特異だ。血が流れず対外的にも平和に解決している」
「いい事じゃーないですか!揉めると結局民が巻き込まれるから」
殿下は眉尻を下げて困った顔をして私の頬に口付け
「そうでは無いのだ。各国の代表は春香の知識に興味を持っている。春香が異世界人であるこっも知れ渡っているから尚更だ。レイシャル王国次期王である私が求婚しているので、口説いて来る命知らずはいないと思うが、親しくなろうと近づく者が出て来るだろう。他国の問題に関与しない方がいい。今回のヴェルディアは期せずして結果を出し恩を売りレイシャルに有益を齎したが、必ずそうなるとは限らない。不幸を齎らす事もあるのだ」
「外交や政治は私には分からないので、他国の方々と余り接点を持たない方が良いって事ですね!」
殿下は嬉しそうに微笑み。
「春香は理解が早くて助かるよ。でも私の想いは中々理解してくれないのは何故だろうね⁈」
殿下は腰に手を廻し引き寄せる。
「ナンノコトカサッパリ…」
「今から分かるまで愛を囁こうか⁈」
「えっと…ご遠慮したいかなぁ…」
着いた港からヴェルディア城は1時間半位かかるらしく長い防戦が続く事となった。
甲板に出て夜が明ける海を見ている。遠くが明るくなりオレンジ色と濃紺のコントラストがキレイな空。まだ少し星も見える。
出港前にひと悶着あり心労から熱を出し丸2日寝込んだ。やっと昨晩熱も下がり動けるまでになった。ずっと部屋だったので気分転換に船内をウロウロしていたら甲板に出た。早朝で誰にも合わなかったが、もし会っていたら速攻で騎士さんに連絡が行き部屋に連れ戻され、絶賛過保護中のアレックスさんに怒られるだろう。
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「おはようございます。いい朝ですね。お散歩ですか?」
「おはよう。胸騒ぎがしてなぜかここが気になって来てみたら…春香お付きの者は?」
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「いくら王家の船の中とはいえ、何があるか分からない。春香は自分の事を平民だと思っているが、私が求婚した時点で王家の者と同じ扱いになる。春香に付いている侍女や護衛の騎士に咎めが行くと思わなかったのか⁈」
「!!」
殿下に窘めたれハッとする。何も考えず行動する事で皆に迷惑をかけるんだと反省。でもそんな簡単に平民感覚は抜けないよ。
「ごめんなさい。ずっと部屋だったから外の空気が吸いたくて…早朝だし侍女さんや騎士さんに悪いと思って」
「春香が謙虚のは重々分かっているが彼らは仕事なのだ。プライドを持って職務に付いている。頼らない方が彼らに悪いぞ」
「はぃ…」
殿下に怒られてテンションダダ下がりで俯いていると温かくなる。顔を上げると殿下が自分のガウンをかけてくれた。
「熱が下がったとはいえ朝は冷える。またぶり返すといけない」
「でも殿下が…」
「私はそんなに軟では無いよ」
そう言って抱きしめて額に口付けた。
「あの…お願いがあります」
「春香のおねだりは何でも聞こう」
「お世話してくれている皆さんにバレない様に部屋に戻りたいのですが…」
「ならば私が送ろう」
殿下に案内してもらい自室の前まで来た時に異変に気付く。部屋の前が騒がしくアレックスさんの声が目立つ。
『あっちゃ…間に合わなかったよ』
「気付いたのは何時だ!」
「あの…アレク⁈…私はここです」
みんな一斉に振り返り驚いて後ずさりしたら殿下に抱き留められた。
「春香!無事か!殿下と一緒だったのか⁈」
「ごめんなさい。外の風に当たりたくて一人で散歩していました。船の中だから安全だと思って… そしたら完全に迷子になり殿下が見つけてくれました」
皆安堵したようだがアレックスさんはまだ険しい顔をしている。絶対まだ怒っているよ。だってレベル5だよ。
「春香は早朝だから皆に迷惑をかけない様にと思った様だ。悪気はないのだ。これからは皆に頼る様に言い聞かせてある」
「アレク…私が悪いの!皆さんを責めないで…」
「おや?いつから春香はアレクの事を愛称呼びする様になったんだい?」
「えっと…」
アレックスさんはレベル0になり柔らかく微笑み、殿下は微笑んでいるが目が笑っていない。この状況から誰か助けて… するとメリージェーンさんが来てくれて
「皆さん。ヴェルディア到着が近づいています。そろそろご準備された方が…それに春香様は病み上がりです。いつもでこの寒い廊下に立たせておくつもりですか?」
「「!!」」
メリージェーンのお陰で解散になり部屋に戻る事が出来た。部屋に戻るとメリージェーンさんに気を使わない様にここでも注意を受け、侍女さんが早朝から湯浴を促される。朝食もやっと元の量を食べれるようになって来た。それでも少ない様で周りに心配される。
侍女さんに手伝ってもらい丈は踝までだがプリンセスラインの若葉色のドレスを着て部屋で待っていると殿下が部屋に来た。
「春香。準備はいいかい?もう港が見えて来たよ。間もなく到着する。あぁ…そのドレスはよく似合う。温暖なレイシャル王国に比べヴェルディアは寒い。コートと帽子、手袋を用意させた。着用したら乗船口にメリージェーン嬢とジョシュとおいで」
「はい」
殿下が持ってきたくれたコート等を身に着け準備万端。騎士服の上からロングコートは羽織ったジョシュさんとメリージェーンさんはかっこいい。制服フェチでは無かったが騎士服は所属によって違うけどどれもかっこいい。というか着る人がかっこいいから当たり前なのだ。
ジョシュさんにエスコートされ乗車口に着いた。殿下はこれまた煌びやかな正装をしていて福眼だ。
タラップから下を見るとハチミツ壺を持っていない大きい熊さんが…
「殿下!ジャン陛下が!私目がおかしくなってます?」
「いや、春香が来るから陛下自らお出迎えだ。他の国の王族が来てもそんな事はしないだろう。それだけ春香に感謝しているという事だ」
「恐れ多いです。侍女さん達に紛れて別で出ていいですか⁈」
「春香…公式の場だ。今日は我慢しなさい」
「はぁ…い」
殿下のエスコートで船を降りジャン陛下の前まで行き先ずはローランド殿下がご挨拶される。
『大きい…』
ジャン陛下御一行が来た時に皆さん大きいと思ったけど、出迎えてくれた皆さん陛下には負けず劣らず大きい!2m近くあり巨人の国に迷い込んだ様だ。
そんな事を考えていたら殿下の挨拶が終わった様で、ジャン陛下が目の前に来て手を取り口付ける。
陛下は少し痩せた様だ。レイシャルから戻り怒涛の日々だったんだろう
「我が戴冠式に参加下さり感謝する。滞在中はゆっくりしてくれ。春香嬢、病はもういいのか⁈」
「ご心配おかけしました。まだ長くは無理ですが生活に支障の無い程に」
「良かった…我々の事情に巻き込んでしまって気にしていたのだ」
「でもヴェルディアのお役に立てて良かったです
」
殿下は優しくハグして耳元で
「ヴェルディアの膿みは出し切った。貴女を傷付けた者達は粛清する。詳しくは後ほど」
「はい」
形式的な挨拶も終わりヴェルディア城に移動する。
やはりヴェルディアは寒い。高校の修学旅行で行った冬の北海道位寒い。しかし馬車の中は暖かくコートを脱ぎ身軽になる。ここでミハイルさんから頼まれた、海難事故の情報開示を求める話をする。
「あぁ…シュナイダー公爵からも陳情が上がり、正式に要請するつもりだ。春香か願えば開示してくれるだろう」
「陛下とお話をする機会が有ったら、私から直接話をしても問題ありませんか?」
「恐らく春香と陛下は公式な場で一対一で会う事は無いだろう。親しい知人として会食やお茶の席にならあり得る。だとしたら雑談の一環で話しても差支えはない」
良かった。ミハイルさんのお願いはクリアできそうだ。安心していたら殿下が隣に移動して来て手を握り
「春香。陛下の戴冠式には各国の王族や代表が集まる。それ故に戴冠式参列だけでは無く外交の場となる。戴冠式と晩餐会の出席は外せん。今回のヴェルディアの王の交代はレイシャルつまり春香が絡んでいるのは各国が認識している。どの国でも王が代わる時は色々事情を孕み円満な国は少ない。そんな中でも今回のヴェルディア特異だ。血が流れず対外的にも平和に解決している」
「いい事じゃーないですか!揉めると結局民が巻き込まれるから」
殿下は眉尻を下げて困った顔をして私の頬に口付け
「そうでは無いのだ。各国の代表は春香の知識に興味を持っている。春香が異世界人であるこっも知れ渡っているから尚更だ。レイシャル王国次期王である私が求婚しているので、口説いて来る命知らずはいないと思うが、親しくなろうと近づく者が出て来るだろう。他国の問題に関与しない方がいい。今回のヴェルディアは期せずして結果を出し恩を売りレイシャルに有益を齎したが、必ずそうなるとは限らない。不幸を齎らす事もあるのだ」
「外交や政治は私には分からないので、他国の方々と余り接点を持たない方が良いって事ですね!」
殿下は嬉しそうに微笑み。
「春香は理解が早くて助かるよ。でも私の想いは中々理解してくれないのは何故だろうね⁈」
殿下は腰に手を廻し引き寄せる。
「ナンノコトカサッパリ…」
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