闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0556話 残巻焚決

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琥乾たちの現れは、まさに新鮮な戦力として機能し、限界に近づいていた長老たちの精神を一気に引き上げた。

「皆様、交代していただけますか」虎乾が手を振ると、瞬時にエネルギー罩周辺の空に人影が現れた。

外院から駆けつけた強者が十数名、その契約に従って飛び乗り、維持作業をスムーズに引き継いだ。

重荷を受け取った長老たちがようやく肩の力を抜き、琥乾たちに感謝の意を示して空から降り、地面で体中の消耗した斗気を回復し始めた。

外院勢は実力では内院長老に劣るものの、人数が多いのが強みだったため、斑涛エネルギー網の色が若干暗くなりつつも、無形火竜の猛攻撃を防ぎきっている。

衝撃力を徐々に弱めている無形火竜を感じ取った蘇千はようやく息を吐いた。

この生物にも限界があるのかと安堵した瞬間だった。

斑涛エネルギー網から百メートル先の密集した人影が、屋根や建物の上に集まっている。

内院長老たちが無形火竜の前に脆弱に見える様子は、彼らの眼力でも明らかだった。

「あれは一体何なんだ?」

人々は震える声で囁いた。

空上で暴れ続けることなく、無形火竜はようやく動きを止めた。

巨大な体を牛頭上に構え、エネルギー網を見据えて半メートルの舌を吐き出し、次の攻撃を準備するように気配を立てていた。

その様子を見て蘇千たちの緊張が和らぐも、決して緩むことはなかった。

「蘇長老、このまま対峙し続けるのは不利です。

エネルギー網維持は斗気消費が激しいので、無形火竜が動きを止めていても、いつか攻撃を仕掛けてくるでしょう」琥乾が蘇千の隣に現れ、警戒しながら言った。

「安心して。

今はその生物も疲れているはず。

この時間は次の封印作業に充てるべきです」蘇千が笑みを浮かべた。

「了解だ。

外院勢でエネルギー網維持を担当し、内院勢は次なる封印作業を準備してくれ」琥乾が頷き、掌に結び目を作り、蘇千の手から受け取った微弱なエネルギーを強化していった。



虎乾の実力は蘇千に及ばないものの、斗皇の頂点に位置する強者であるため、エネルギー網を操る陣心として手忙脚繁になることはなかった。

一方で余裕ができた蘇千はゆっくりと身を浮かべ、最終的にエネルギー網上空の中心に停まった。

彼は天焚煉気塔周辺の炎海を一瞥し、重々しく声を発した。

「内院の諸位長老、指導者の方々、陣勢の位置を確認して封印作戦を実行せよ!」

蘇千の喝破が響くと同時に、休養していた長老たちも次々と目を開き、再び空高く飛び上がり、互いに錯綜するように浮かんだ。

その頃、遠方の内院の人だかりから急に多くの人影が現れた。

彼らは指導者らしく、長老たちとは比べものにならないものの、林修崖や柳擎といった強豪と並べても劣らない勢いだった。

八十八名の指導者は飛空する術がないため、エネルギー網周辺の樹々の頂上に錯綜するように身を置いた。

蘇千が高々と浮かぶエネルギー網上空で「結封陣!」

と叫んだ瞬間、空中から次々と斗気光線が湧き上がり、長老たちと指導者たちは一斉に喝破した。

すると百近くの斗気光線が蘇千に向かって放たれ、彼は手印を変えると空間波動を生み出し、真空円形領域を作り出した。

その中に全ての光線が収まり、強大なエネルギーで満ちた真空球が形成された。

半空に回復中の無形火蟒もその異様なエネルギーを感じ取り、不安げに蘇千を見つめた。

白い三角目の瞳孔から凶気が溢れ、巨尾を振ってエネルギー網に向かって疾走した。

空間は歪み震え、皺々と曲がり始めた。

「皆さん注意してください!この野畜生がエネルギー網を破壊する前に阻止しなければ!」

琥乾の声が重々しく響き渡った。

「了解です!」

全員が一斉に喝破し、斗気をエネルギー網へ注ぎ込むことでその輝きはさらに増した。

「シュッ!」



巨大な体躯が空間を貫き、陨石のようにエネルギー閃に激突した。

その衝撃は山崩れのような轟音を生み出し、外院の強者たちの顔色が一瞬白くなった。

「この野郎……」蘇于は険しい表情で、圧縮された驚異的な弧度を持つエネルギー閃を見つめた。

体内の斗気は洪水のように流れ込み、エネルギー網に注ぎ込まれた。

無形火蟒も危機を感じて必死に抵抗し、その光が僅かに暗くなった瞬間、琥乾が歯を食いしばって叫んだ。

「蘇長老!早く!」

蘇千の視線は網の中で激しく動く無形火蟒に固定されていた。

彼の手には輝きを増す巨大な斗気球があり、衣装は風もないのに膨らんでいた。

その光がさらに強くなり、突然震え始めた瞬間、蘇千の目は冷たくなった。

「畜生!帰れ!」

と雷鳴のような喝破が響く。

彼は手を下に向けると、斗気球は無音でエネルギー網を貫き、火蟒の巨大な体に衝突した。

「キィィ!」

凄まじい悲鳴と共に火蟒は地面に叩きつけられ、蘇千の制御で天焚煉気塔の中へ放たれた。

彼は印結を作りながら叫んだ。

「封!」

塔頂が黒いエネルギー膜で覆われるや、遠くから拍手と歓声が湧いた。

「老師……」炎の中にいる蕭炎は、黒光りする煉気塔を見つめ眉をひそめた。

薬老の声が響く。

「焦らず。

陨落心炎は簡単には封じられない。

他の勢力も動いているようだ」

「まさか黒角域か?」

蕭炎は目を細めて空を見やった。

「内院の結界は強者には隠せないからな」

蘇千が安堵の息を吐くと、突然軽い笑い声が響き、空中に群集が現れた。

その血気さわやかな空気が覆う瞬間、彼の顎が引きつった。

「ふーん、内院にもこんな異火があるとは……蘇千大長老、随分隠し事していたな」

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