闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0625話 薬材収集

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「取引?何を指すのか?」

蕭炎の口から飛び出したその言葉に、三人の首領は思わず顔を見合わせた。

彼らが想像していたような直接的な対立ではなく、意外な提案だったのだ。

「フウジョウ城の利益は確かに豊かだ。

貴方たち三大勢力にも一定のシェアを認める用意がある」

笑みを浮かべながら、蕭炎はゆっくりと続けた。

「貴方が我々に何を求めたいのか?」

三人首領が互いを見合い、陰険な表情の老いた男が恐る恐る尋ねる。

彼らは天上から落ちてくるような好意には疑問を持っていた。

「私はある因縁の敵を抱えている。

現在の私の力では対抗可能だが、やはり手助けが必要だ」

光で三人を包み込む蕭炎が淡々と語る。

「その時だけ貴方たち首領に力を貸してくれれば良い」

背後の蕭烈はほっと息を吐いた。

彼は先日聞いた云嵐宗の名を思い出す。

加マ帝国屈指の強大勢力だ。

「この度の黒角域進出計画も、実質的にその因縁解決が目的だったのだ。

単独で力を付けるには少なくとも一年はかかるが、貴方たちと組めば早急に云嵐宗に対抗できる」

「因縁?」

三人首領が驚きの声を上げた。

「蕭門主様がその程度の敵を抱えているとは……フウジョウ城の利益は確かに大きいが、我々も危険な火遊びにはならない」

「云嵐宗という名前は聞いたことがあるか?」

黒い目を細めながら、蕭炎が冷たく訊ねた。

「云山という名の斗尊者……加マ帝国に現れたと聞いた記録がある」

赤い衣装の美婦人が眉をひそめる。

「その通りだ。

云嵐宗は現在も一名の斗尊者が在籍しているらしい」

冷たい声がホール中に響き渡った。



三大首領は云嵐宗を耳にしたことで驚くべきでもなかった。

加マ帝国から万里離れた黒角域とはいえ、重量級の情報は自然と広がる。

斗宗という階級は大陸全体を見ても屈指の強者だ。

加マ帝国で噂になったその情報を、彼らは無意識に受け取っていた。

「云嵐宗まで万里も離れているからな」年老の首領が皮肉を込めて笑った。

「往復三ヶ月はかかるし、あの組織の実力は西北一級と言っても過言じゃない。

我々が手伝っても報復は難しい」

云嵐宗の勢力は西北で準一流と評価される。

黒角域の一流勢力は大陸全体では二番目だ。

この地域に単独で云嵐宗を超える組織はない。

以前の「黒盟」は匹敵したが、あれも連合だった。

「当然、蕭炎が全黒角域を統一すれば勝てるが……」三人首領は沈黙し、皮肉な笑みを浮かべた。

「云嵐宗に斗皇級の強者が三名いる。

それ以外は斗王や斗霊の長老ばかりだ。

下位弟子は脅威にならない」

「我々にも斗宗がいて、韓楓より強い斗皇もいる」蕭炎は淡々と続けた。

「貴方たちに求めているのは中堅層を防ぐ手助けだけだ。

簡単なことだろう?」

首領三人の目はちらつくが沈黙を保った。

「やはり見返りがないと動かない連中だな」蕭炎は眉をひそめた。

「蕭門の野望は楓城を超え、黒角域全域に広げる。

我々の実力なら『黒盟』を超える。

この大規模な利益には貴方たちも参加してほしい」

首領三人の胸中は熱くなった。

現在の蕭門は蕭炎とその神秘的な斗宗強者を擁し、地域最強勢力に躍り出たのだ。

「確かに魅力的だが……」彼らは云嵐宗への不安を口にしなかった。

「あの組織も侮れない」



三人の表情が次々と変化する様子を見ながら、蕭炎はまた笑みを浮かべた。

その声は淡々としていたが、最後の一撃を加えたように響いた。

「皇極丹、聞いたことがあるだろう?」

その平然とした言葉が降りかかると同時に、三人のリーダーは急に頭を持ち上げ、蕭炎を見詰めた。

目には狂喜の色が溢れていた。

皇極丹とは六品頂級の薬物で、効果は単純だった。

斗皇強者を相対的に短い期間で一星から二星までの実力向上に導くことができる。

さらにその薬効には固経鍛骨という追加効果があり、実力を上げた後の残余の薬効が服用者の身体を強化する。

地底での恐怖的な強化とは比べ物にならなかったが、戦闘力向上への貢献は決して小さくなかった。

簡単に言えば、皇極丹の効果は斗霊丹とそれほど変わらない。

ただ斗霊丹は斗王強者にしか作用せず、皇極丹は斗皇強者に対して莫大な効果を発揮する点が異なるだけだった。

さらに固経鍛骨という追加効果も持つ。

それでもその誘惑を拒否することはできなかった。

実力が斗皇に達した時点で、運の悪い人間は数年かけて一級も上がれないことも珍しくないからだ。

実力を直接向上させる薬物はいつだって最も魅力的な存在だった。

そのため三人のリーダーたちは胸中で欲望を隠せなかった。

この薬物を思い浮かべることはあっても、黒角域では韓楓一人しか製造できなかった。

彼らと韓楓の関係は一向に良好ではなく、後者は当然彼らのためにそのような丹薬を作ってくれるわけがない。

だから蕭炎がその名前を口にした時点で、三人の心は既に高鳴り始めていた。

「萧門主は皇極丹を作れるのか?」

数秒後に狂獣派のリーダーがまず質問を投げた。

彼の言葉に続いて他の二人も蕭炎を見詰めた。

皇極丹は六品頂級の薬物であり、かつて韓楓でさえ成功率が低かったものだ。

それなのにこの若々しい外見の男が作れるというのか。

「もし作れないなら、三人の前でその名を出すことはなかっただろう」蕭炎は笑みを浮かべながら指先で碧緑の炎を弾いた。

その一筋の炎が現れた瞬間、大広間に急激な温度上昇が発生し、空気まで乾燥してしまった。

「異火か?」

三人の目がその碧緑の炎に釘付けになった。

彼らは斗皇強者として異火の恐ろしさを知っていた。

その力は彼ら自身さえも危険な存在だった。

「平然とした声が途切れた」蕭炎の言葉は淡々と響いた。

「この炎は私の師匠から受け継いだものだが、彼はもうこの世にいない」

三人のリーダーたちはその言葉を聞きながら、それぞれ異なる思考を巡らせていた。

狂獣派のリーダーは「この男が本当に皇極丹を作れるのか?」

と疑問を抱き、地獄門のリーダーは「彼の師匠が死んだという話だが、その死因は何か?」

と想像し、天魔教のリーダーは「この炎の力はどれほどなのか? もし師匠が死んだなら、その代償は大きいはずだ」と考えていた。

しかし三人とも共通して感じていたのは、蕭炎という男がいかに危険な存在であるかということだった。

彼の手元にあるものは単なる炎ではなく、師匠の遺志を継ぐものであり、さらに皇極丹という強力な薬物を作り出す能力そのものだった。

「この炎は私の師匠から受け継いだものだが、彼はもうこの世にいない」蕭炎の言葉が三人の胸中で渦巻き始めた。

それぞれの思考は異なる方向へと広がりつつも、一つだけ共通する結論があった──この男を味方にすれば強敵となるが、逆ならば危険な存在だということだった。

その時、突然大広間の外から騒動が響き始めた。

三人のリーダーたちは同時に顔を見合わせた。

彼らは直感的に感じ取っていた──何か重大な出来事が起こったのだ。



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