闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0908話 天魂融血丹の錬成

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通体に獣紋が刻まれた朱赤の薬鼎が、重々しく石台に置かれた。

その重量は石台を僅かに震わせるほどだった。

眼前の薬鼎を見つめながら、蕭炎は深く息を吸い込んだ。

口を開けば碧緑の炎が勢いよく飛び出し、指先で弾かれたその炎は尾を引きつつ薬鼎の中に突入し、たちまち爆発した。

熾烈な炎が薬鼎の中で翻騰するにつれ、周囲の空気も次第に灼熱感を帯びてきた。

袖を一振りすると、納戒から飛び出した薬材は光る細かい光球のように空中で浮かび上がり、石台外側の半空中に並ぶ。

その姿は下方から見れば非常に華麗だった。

「天魂融血丹は七品級の薬剤で、体質改善と修練資質向上という驚異的な効果を持つ。

必要な材料は約77種類あり、主原料は4種類——龍血芝、骨霊果、玄天青藤、七段階以上の魔兽数精血だ。

いずれも非常に希少で入手困難な素材だが、その調合方法も極めて厳格なのだ」

天火融雪丹の調合法が蕭炎の頭の中でゆっくりと浮かび上がる。

重要なポイントは全て彼の記憶に刻まれていた。

77種類もの材料が必要となる薬剤は、蕭炎にとって初めて見るほどの大規模なものだった。

かつて陨落心炎を収集する際に師匠が調合した地霊丹でさえ、これほど多くの素材は必要としなかった。

つまり天魂融血丹の調合難易度は地霊丹を超えていると言えた。

様々な考えが頭を駆け巡ったが、蕭炎は全てを追い払うと薬鼎内の温度を確認し、頷いた。

指先で炎を弱めると、薬鼎から血紅の光が漏れ出すように輝く一株の霊芝が空中に浮かび上がった。

その霊芝が現れた瞬間、血腥い匂いと純粋なエネルギー波動が周囲を包み込んだ。

これが天魂融血丹の主原料の一つである龍血芝だ。

この霊芝は実際には龍血に染まったわけではないが、三種類の蛇形魔兽数精血を吸収して初めて地上に顕現するという特殊な性質を持つ。

蕭炎が龍血芝の表面を指で撫でると、その中から微かに冷たい純粋エネルギーを感じ取った。

息を吐きながら指先で弾くと、赤い光となって薬鼎の中に投じられた。

すると薬鼎内の碧緑の炎が狼のように飛び出し、その霊芝を一気に飲み込んだ。

その瞬間、蕭炎は十指連弾させると空中に浮かぶ光点群が約10個に分かれ、次々と薬鼎の中に吸い込まれていった。



龍血芝は性質が陰寒で炎に触れれば消滅するため、その中に含まれる薬効を抽出するには他の薬材でその冷たさを中和する必要がある。

先ほど投入した薬炉の薬材は事前に準備された中和用のものだった。

これほどの数の薬材を同時に精製するには霊力が相当なものを要するが、現在の蕭炎なら資格と実力を兼ね備えている。

炎の中に入った多くの薬材は琉璃蓮心火との接触時間も短く枯れ始め、最終的には粉々になり本体が消滅した。

一方で純粋な薬液は残り、蕭炎の霊力による精密な調整で融合させられ、龍血芝に均等に垂らされた。

これらの薬液を落とすことで龍血芝の赤みが徐々に薄まり、血色の皮膚が剥がれ落ちた。

ほんの数秒でその色は白っぽく変化した。

蕭炎は白くなった龍血芝にはあまり目を向けなかった。

その真価は内部ではなく、剥がれた血色の皮膚にある。

これらこそが天魂融血丹を作るために必要なものだった。

淡い白い薬液数滴が赤い皮膚に散り、周囲の一定温度下で溶解した。

数分後には拳サイズほどの赤い液体が薬炉内に現れた。

最初の精製を成功させた蕭炎は大きく息を吐き、手勢一振で炎で包み込むと徐々に熱を発散させる。

これにより赤い液体の体積は縮小し、色合いは濃くなり始めた。

拇指サイズまで縮んだその粘性の高い液体を見ると、蕭炎の口元がほころび、掌を動かすと光が飛来し、表面に凹凸がある白い果実となった。

これが骨霊果だ…

主原料の精製は非常に厳しいもので、専用の方法がない限り必要な薬効を抽出するのは困難だった。

龍血芝だけでなく骨霊果や後の玄天青藤も同様だった。

特に骨霊果の精製はさらに難易度が高く、約20種類の配合材を投入し、蕭炎に1時間近くかかった末に手一筋の白骨のような液体を得た。

骨霊果の精製に成功した後、蕭炎は玄天青藤を薬炉に入れると、その名前の通り非常に堅く木でも金でもなく、耐火性も極めて高い。

蕭炎が琉璃蓮心火で2時間かけて表面に裂け目を作った。

裂け目の際に空中から20数個の光球が薬炉内へ飛び込み、蕭炎が全てを精製し、青藤に一滴ずつ精純な力を含んだ液体を落とす。



調和の力によって約三十分後、枯れ枝のような玄天青藤が爆発し、淡い青色の粉末が飛び散り、蕭炎の霊力で青い粉玉に凝縮された。

主原料三種類を無事精製した瞬間、蕭炎と遠くから見守る蘇千らは安堵の息を吐いた。

先ほど観た蕭廷の速やかな調合技術は彼らを眼花缭乱させたが、その流れるようにスムーズな動きからは、素人の目にも非凡さが窺えた。

内院から響く驚きの声は蕭炎には届かなかった。

主原料を精製した後、彼は一息ついて再び集中し、玉瓶を取り出し口を開けた。

すると一滴の青紅色の血液が垂れ落ち、その中に宿る暴烈なエネルギーは見逃せないほどだった。

この青紅色の血液とは、当日のオークションで得た神秘的な魔兽数体から抽出したものだ。

生前高いランクを誇ったその魔獣は天魂融血丹の要件を満たしており、成功すれば品質も上回るだろうと推測された。

空に浮かぶ長老たちもこの血液に気付いた。

「何か起こりそうだ」と皆が表情を変えた。

蕭炎はその一滴を見つめ、指で弾き飛ばし薬鼎の中に落とした。

青紅色の血液が薬鼎に入った瞬間、内部から強烈な風が吹き上がり、蕭炎は眉をひそめたが、すぐに決断して龍血芝・骨霊果・玄天青藤から得た液と粉末を投入した。

これら三種類のエネルギーに満ちた物質が血液に入ると、何の反応もなかった。

しかし蕭炎がほっと息を吐こうとしたその時、突然激しいエネルギー波動が血液から噴出し薬鼎の内壁を叩き、清々しい音を響かせながら内院全体に広がった。

重厚な薬鼎は数度大きく揺らぎ、普通なら爆裂するほどの衝撃だった。

蕭炎は薬鼎の中の青紅色の血液を見つめ、その表面が細長い棘のように隆起し海胆のような形を成していることに気付いた。

内部では言葉に尽くせないほど暴烈なエネルギーが渦巻いていた。

「ドン!」

と音を立ててエネルギー波動が薬鼎の内壁を叩き、その音が内院全体を包み込む。

この状況を見た長老たちが石台を見て声をかけた。

「大长老、どうしますか?」



「どうしようか?薬を調合するのとは違うんだ。

他人に手伝ってもらうようなものじゃない。

今の状況では、ただミョウヤンイチが頑張るしかない。

外人が勝手に関わると邪魔になるし、七品丹薬を作る成功率はそもそも低いんだ。

まだ六品調合師の段階で失敗するのは当然のことだ。

大騒ぎする必要はない」

スウチが険しい顔をして重々しく言った

大長老にりつけると、その長老もため息をつきながら頷いた

内院全体が連続した轟音で震撼している中、ミョウヤンイチは薬釜の内部を見詰め続け、霊魂の力を全て注ぎ込んでいた。

薬釜の隙間すらも監視し尽くすように。

彼は自分が七品丹薬を作る成功率が極めて低いことを知っていた。

今や六品調合師でさえ一回に成功させるのは難しいのだ

その目が焦点を失い、意識が集中するにつれ、その黒い瞳孔の中に突然緑色の炎が湧き上がった。

炎が立ち上る瞬間、ミョウヤンイチは青赤い血の中でのエネルギー同士の激しい闘争を目撃した。

「なるほど」

彼の口から低く囁かれるような声が漏れた

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